2024年の読書録

自分用なので文章が支離滅裂。文体はその時の気分。
ネタバレしかない。

1月

ファウスト 一、二

 カルナイ予習のため購入。引用やその時勢にいないとわからない(いてもわからなかったかも)描写が多くて、かなり読み飛ばした。CDの発売も迫ってたしね。でも、物語の大筋と合わせて、自分の主張を織り込む作品の構造って面白い。きちんと読解までするかは別として、うちはこういうの結構好き。紙媒体に限って(舞台や映像媒体で冗長なのはしんどい)。
 本屋で二つの文庫を見比べて手に取った本だったけれど、ちょっと読みづらくて、訳の比較を調べたら一番自分が読みにくいと感じた訳だったから、一番気に入った訳の本でもう一回読むのはありかなと思った。好きな訳探しの旅はまだしたことがないから、人生の楽しみがひとつ増えた。結局、元の言語で読んだうえで、この訳のここが良くて、でもこれはこっちの訳の方が好きって言いたいのがうちの性分だけど、そんな境地に辿り着くまえにこの世から去るんだろうな。言語をいくらでも習得できて気が済むまで世界中の本を読み漁れるなら、正直、契約してもいいと思う節がある。人間は愚かだ。
 ファウストという人物はけっこう面白い。若返って、これが欲しい、したいってなった時に悪魔の力がありつつも、自分の弁舌、自分も労力を掛けてるところが、凡人ではなく何かを極めた人のカリスマ性というか、ただただ受け身の横暴さがあまりなくて、魅力があると思った。
 メフィストはけっこう小物だよね。それなりに大きい力を持ってはいるけれど、神の手の平の上でこの本の厚さ分ずーーっと転がされてるんだから。けっこうかわいいやつかも。神の挑発があったからというのはあるけど、そんなに色々してまでメフィストの魂が欲しかったのか……? もはや、意地なところはあるかもだけど。悪魔の「魂を得る」は食事に近いイメージがあったけど、地獄でこき使ってやるって言ってたから、魂を集めるってあんまり旨味なさそう。
 てかさ、二部のギリシャ神話が底本になっているところってさ、今で言う好きな作品にトリップだよね。トリップして好きな子と恋愛できる夢小説じゃん。ゲーテさん、親近感。うちも書こうかな、ギリシャ神話トリップ夢。壮大な一部やってから、二部で色々やってトリップに至る流れ、けっこう好きよ笑 自分の本だし!どう展開したって自由よね!勇気もらえるわ。(ゲーテファンから毒マロくるよ……)
 感動したのは、一部冒頭のファウストが教会の鐘の音で死ぬのを思いとどまるのに対して、二部の最後の方で、教会の鐘の音を嫌がるところ。
 読中にも、これを書くに当たっても、ネットでいくつかの解説記事を読んだ。やっぱり人生を費やしても足りないくらい難解、読解し放題の題材なんだね。この機会に読めてよかった。

紅霧後宮物語 中幕

 好きな作品の短編集。シリーズの幕が閉じて、もう新しい本が出ることはないと思っていたから嬉しかった。ただ、人物の詳細をほぼ忘れかけていて、100%楽しく読み切れなかったのが残念。これはシリーズもう一度読み返すしか。また読もう。

2月

ファウスト 悲劇第一部第二部

 手塚富雄先生訳のプレミアムカバーを買ってこの3月中旬まで読んでました。生きてるうちに別の訳も読みたいって言って数週間後にやってる。文体の好みは人それぞれだけど、手塚先生の訳の読みやすさは圧倒的!!!!!

 この記事1万字あるんですけど、これを書くために本の意味がすぐ取れる読みやすさが必要だった。

 このドラマCDと展示の予習ために、難解で重要じゃないように思える箇所はかなり読み飛ばしていて、この再読でしっかり読めたから良かった。前の訳でもしっかり読んだところはしっかり読んだつもりになっていたけど、あんまり読み取れてないところもあって(訳の解釈が違うのもあるかもだけど)、自分まだまだだなと思った。

3月

星の王子さま

 プリラブユニバースのジャケットのモチーフっぽかったのと、この名作を齢24の今日まで読んでこなかったので。
 王子さまの結末がけっこう好きだった。

4月

アンをめぐる人々-赤毛のアン10-

 青い鳥文庫のものをずっと読んできて最終巻。番外編でアンはほとんど出てこないが、馴染みのある地名や一族が出てくる。このモンゴメリのプリンスエドワード島の世界観が好きであれば、誰でも楽しめる短編集だった。
 ここまで読んできたなかであまりなかった、切なく救いのない話が多い印象だった。アンのお話では描けない小話を自由に書いたかんじがあって、うちはけっこう好きだった。

5月

古代エジプトうんちく図鑑

 仙台で新幹線待ちしてる時に購入。ルレのエジプトパロが書きたくて。
古代エジプトの王朝が想像の3倍くらいあってびっくりした。よく知られてるピラミッドって王家の墓で眠るファラオから見ても相当前のものだったんだ。
 観光記も載っていて、ピラミッドの内部はけっこう臭うとか、ちょっと考えればわかるけど、全然想像してなくて、いつか行きたいとか思っていたけど、うちは無理だなあ……。
 同時にジョジョ3部を見ていたもんで、興奮した。

6月

ゼロからわかるエジプト神話

神話というよりは神を1、2ページずつにまとめたものだった。内容に重複が多くて、本を読み慣れてるとちょっと物足りない印象。普段本を読まない人が入門編で読むにはいいかも。よくまとまってるし。

7月

獣の奏者1・2(青い鳥文庫版)

 引っ越し準備で本をほとんど箱に詰めてしまい、新しい本を買うわけにもいかないので、残っていた人生のバイブルをまた読み始めた。原作もアニメも漫画も何度も読んではっきりとストーリーを覚えているのに、何度読んでも面白い。初めてアニメを見て、原作を読んだ小学生の頃から年を重ねて読む視点が変わった。