見出し画像

"silent"の影響

昨日、木10ドラマ"silent"が最終回を迎えた。
ビッグラブだった。
毎週木曜日が来るたび、愛とは何かを考えた。
世間も"silent"の話題で持ちきり、髭男のSubtitleは今やクリスマスソングより流れているかもしれない。
私は「同じ」と「プリン」と「頑張る」の手話を覚えた。
そんな木10ドラマ"silent"が最終回を迎えた。

翌日、私は美容院の椅子に座っていた。

あのドラマの影響だ。
川口春奈ちゃんの髪型がかわいすぎる。
前髪パーマってあんなにかわいいのか、革命だ。
ドラマが終わった後、ひとしきりパーマ画像を探り、気づいたら美容院を予約していた。

鏡の前に案内され、椅子に座る。
初パーマである。
おばさ…お姉さんとお話をして雰囲気を決める。
川口春奈ちゃんにしてくれ。
…それには前髪が長すぎる…か…そう…断念
まあそんな感じで、ぽい感じで

シャワー台へ連れて行かれる。
帽子を被った貫禄ある男性が髪を洗ってくれる。ゴシゴシ。
美容院で帽子を被った男性美容師はすごいスタイリストだと相場が決まっている。偏見だが。
シャンプーの説明を受けた後、
パーマについて説明をうける。ふむふむ。
彼は何気なく聞いた。
「ブリーチはされてませんよね?」
お?えっと…1年ほど前…去年の夏頃しました。
凍りつく空気
「担当者には伝えておりますか?」
いえ…
「私から伝えておきますね。できる手段もありますので!」
ブリーチ…盲点だった…
まさかここで過去の自分を恨むことになるとは…

シャワー台から戻ってきて、担当者と鏡越しに顔を合わせる。
「ブリーチされてたんですね…」
「この特殊パーマ(ニュアンスそんな感じのやつ)ならできますが…」
「おすすめはしな…どうされますか?」
手を合わせ頭を下げる。
「本当にすみません!今回はやめておきます!」

なんのために洗ったのか、
無駄に濡れた髪を乾かしに別のゴリゴリパーマのおば…お姉さんがやってくる。
「あら、気が変わりました?」
アッアノエット…ゴニョゴニョ
「あ〜それは千切れる覚悟ないとね!ここで引き返して正解よ!」
ヘヘ…

そうして丁寧に丁寧にブローしていただき、
綺麗なストレートとなった髪でそそくさと帰宅準備。
シャンプー代を払って…と思っていたら、お姉さん、受付をスルーしてお出口へ。
「ぜひ、また機会がありましたらお越しくださいね!」

懇切丁寧にシャンプーをしてもらい、懇切丁寧にブローしてもらった上に客でもない私はいたたまれず、でも嫌な顔ひとつされないスタッフの皆様へ感謝しつつ、申し訳なさそうなごんぎつねのように小さくなってぺこぺこと美容院を後にするのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?