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18年一緒に過ごした愛犬がいなくなった日のことをつらつらと。

年末、18歳8ヶ月の大往生を遂げた、我が家のやまとが亡くなった。

歩くことが困難になりながら自分で水やご飯を求めて立ち上がろうとしてた。
たまにちゃんと立てるから
「おう、すげえ、立てたやん」
ってちょっとサポートしながらお水を口元まで持って行ってあげたり歩きたがる時は腰を持って一緒にその場をぐるぐると徘徊したりするのが、ずっと続いてた時、ちょっと冷え込む日があって、突然ご飯を食べなくなり、急激に痩せ細った。

私は実家から電車と徒歩で約40分離れた場所に住んでるから週に1回様子を観に行くくらいになってたけど、最後に会った時は覚悟する時が来たか、と思いながらも、ご飯もまた食べるようになって、回復してきてるようだったので、
「この冬もうちょっと頑張ってくれ〜」と寝ている彼に顔をスリスリして、その日は帰った。

その3日後、朝4時ごろ、母親の腕に抱かれながら息を引き取った。

家族のLINEグループに連絡が入った時、偶然起きていたけど、すぐには連絡できなくて、気持ちの整理、ってほどでもないけど。
一旦、スマホを閉じて噛み締めたが、涙腺は崩壊。
気がつけば寝落ちしていて、10時ごろ、起きた足で実家へ。

実際に会いに行くと、とても愛おしくいつも通り寝ているようで、でも触るとこんなにも冷たくなるのか、と思うほど冷たくなってた。

18年は長いなー、私の人生半分以上いる生活だったものね。
もう、泣き疲れた母を目の前にして、しっかりしないとな、と何故かそこで私の長女っぽいところがちょっと顔を出して、涙はそこそこにグッと我慢した。

ペット火葬屋さんというのもいくつもあって、ボロボロになりながらも母は検索して、1件良さそうな葬儀屋さんを見つけた。

火葬カーが自宅まで来て、その場で火葬をしてくれるというサービス。
その日は予約がいっぱいで翌日の17時からの訪問で予約した。

家に帰るのもなーと思い、私は泊まることにした。
父、母、私、やまさん。
居間でグダグタとテレビを夜中まで観て、3人+1匹で我が家のいつも通り、WOWOWで流れる映画をつけたまま結末を観ずに眠りについた。
お通夜というのかな、なんというか。

葬儀(?)当日も朝から母は泣きっ面のまま、販売のお仕事へ。愛犬が亡くなったという理由で休みは取れない。
火葬カーが来る時間までには帰ってくる。
その日はお店に母の同級生がたまたま来て、顔面腫れてるやん!って言われて恥ずかしかったって言ってた。

私はお昼に祖母の訪問で目が覚めた。
いつも家族旅行に行く時は祖母の家にやまさんはお泊まりしていたので、ばぁちゃん子だったやまさんに最後に会いに来てくれた。

妹は、ベビちゃんと一緒に昼過ぎに帰って来た。
ベビちゃんと遊びながらなんとも切ない時間をやまさんのいる居間で過ごした。

火葬カーが時間通りにやってきた。
家の中で最後、顔スリスリをして、お別れを告げ、
私はやまさんを抱き抱えて外に出た。

やってきた火葬カーのお兄さんは、物腰の柔らかそうな微笑みが似合うお兄さんで、
癒しを与えるような、ちょうどいいトーンの声をしていて安心感のある方。
みんなでお花を添えて、ありがとうをたくさん伝えて見送った。

年齢や持病など、骨の状態を考えて、1時間ほどして、車の外でずっと火葬が終わるまで、寒い中立っていたお兄さんの仕事に感動しつつ、骨上げの時間を告げる家のインターホンが鳴った。

ご近所の目を気にしてもらいながら、
年齢が高めのご近所さんなので、もうこの時間だと、
寒いし出てくる人もいないと思い、家の前でお骨様と対面。

驚いたのが、姿は亡くなってしまったけども、そのまま、
やまさんだ。
もし骨がズラーっと並べられても(そんな恐ろしいことあったら逃げるけど)、これがうちの子です。って断言できるほど、やまさんはやまさんのままで18歳と思えないほどとても立派な姿で生命力を感じた。

火葬カーのお兄さんは、どの箇所の骨かを丁寧に説明し、最後まで寄り添ってくれ、なんだか誇らしげにお骨を拾い上げることができた。

全てが終わると、最後まで別れをちゃんとしてあげられた達成感で、家族の緊張感がやっと解けた感じがした。

その日の夜は妹と私は笑顔で自宅に帰った。

帰ってから、妹から夜中にLINEが届いた。

「涙が止まらない」

寂しいよね、覚悟してたとはいえ。

私も帰宅して早々、糸が切れた子供のように泣いた。

それから約1ヶ月、実家のドアの鍵を開ける時に思う。
「やまさん、大丈夫かな」

留守中のペットを心配して扉を開けるのは、飼ってる方は当たり前の行動。
その時に、ハッとすることになるとは思ってなかった。

何もかもがそのままなのに、いない。

あ、こういうことか。

という瞬間が、頻繁に起こっている。

やまさんは3ヶ月のやんちゃ野郎の頃から、成犬、老いていく姿、
柴犬特有の飼い主以外には懐かない、でもちゃんと好きな人への愛情の伝え方、
立派な人生(人じゃないけど)を、しっかりと見せてくれた最高の家族。

人の人生を赤ん坊から老いていく姿まで見ることって、妹弟が歳が離れていたり、自分が無病で元気に100歳くらいまで生きているとか、そんな条件が揃わないとできないことで、やっぱりペットを家族に迎え入れるというのは特別なことだと、いなくなって感じた。


寂しいけど、もっと一緒にいたかったとかはない。
立派な18年、見せてくれた感謝が大きい。

また会えたらなー、
その時は私の布団に潜って一緒にぐーすか寝よう。

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