4大印刷ご存知ですか?
印刷は使用する版の特徴によって大きく4つに分けられるのをご存じでしょうか?
どうも紙モノを作っているMIRINです。
今まで「リソグラフ印刷」を使用したアイテムを作った時には「孔版印刷」と説明文に書いてきましたが、これで伝わっているのか?そもそも版の違いとか私が思ってるよりそんなにメジャーではないのでは?と思い書くことにしました。
印刷が好きなので、もっと知って欲しいと4つをできるだけシンプルにざっくりと紹介します。
① 凸版印刷(とっぱんいんさつ)
こちらがたぶん一番原理がわかりやすく、イメージしやすいと思います。
版の特徴は読んで字の如く、凸があります。
出っ張った部分=凸にインクをつけて印刷したい部分に押し付け、インクを移します。スタンプや木版画、やったことありますよね。あれですあれ。
〇〇印刷でいうと「活版印刷」は聞いたことあるのではないでしょうか?
本当は活字なのですが、樹脂版でイラストを印刷するのも活版印刷っていいますね。
凸を押し付けた凹みが温かみがあって人気で、名刺やカードなんかに使われてたりしますね。
以前は凸を押し付ける力加減が腕の見せ所で、書類印刷とかで凹ませないことにこだわる職人さんもいた、とかいう記事を見たことがあります。
紙物では1~3色以内で使うことが多いかも。製版代も手間もかかりますし、ぶつぶつの突起なのでグラデ表現などは得意ではありません。
DICでの色指定を受け付けてる工場もありこだわりを詰められます。
② 凹版印刷(おうはんいんさつ)
これも読んで字の如くで凹んでます。ポイントは凸版と反対で、凹部分が印刷したい図案になります。
一旦インクをつけて表面ののインクを除く、すると凹ませたところだけインクが残ります。それを圧をかけて移し取ります。
銅版画がそうです。銅版画で検索すると版の写真たくさん出てきます。
これはですね、原理知ってもよくわからん印刷だと思いました。私的に4大でよくわからん第一位です。
〇〇印刷でいうと「グラビア印刷」。一度にたくさん刷れ、高品質なカラー印刷ができたため雑誌などに多く使われたそうです。今は紙は④オフセットに代わられ、包装用フィルムなどに多く使われているようです。
私は凹版印刷は使ったことはないです。銅版画でアート領域のイメージが強いです。
③ 孔版印刷(こうはんいんさつ)
孔というのは「あな」の、穴の空いた版を使った印刷になります。
版を印刷したいものに当てその上からインクをつける、すると穴部分だけインクが通り印刷されます。版のインクを写しとるのではなく、挟んで使います。
ステンシルはやったことある人多いのでは?この原理です。
〇〇印刷でいうと「シルクスクリーン印刷」「リソグラフ印刷」が有名で、シルクは美術の授業でやる学校もありますね。
リソグラフは筒状のインクドラムに版を巻きつけて、ぐるぐる回してたくさん刷れるようにしたRISOの機械です。コピー機みたいにつかえて単色が安いので学校のプリントだったり、住宅展示場の単色チラシなど身近でもまだ探せます。
最近では手軽に版画が作れると海外でも人気のようで、制作動画をSNSで見かけます。リソのカラーは機械専用ものになるので見本から選ぶ形になりますが、蛍光や金など変わった色に価格を抑えて挑戦できます。
④ 平版印刷(へいはんいんさつ)
平のどこにインクをつけるのか?こちらはとっても科学的で、水と油の関係を使います。
版に親油性(絵柄)・親水性の部分を作ります。
水で濡らすと親水性の部分は水が付きますが、親油性のところには反発して水がつきません。ここまでOKですか?
で油性インクをつけると、今度は逆で親油性(絵柄)にのみインクが付きます。これを紙などに移しとるという仕組みです。
〇〇印刷でいうと「オフセット印刷」です。オフの由来は省略します。
チラシ、本など一番手に取る機会が多いですね。油性インキが使われるので、雨に濡れたチラシが読めるのもそのおかげかもしれません。
一度にたくさん刷れ、大型機会であれば4~6色を一気に刷ることが可能です。大手だとネットでたくさん受注→まとめて印刷しているので高品質なフルカラー印刷を安価で頼めるところも多いです。逆に基本4色(CMYK)以外などで頼もうとすると機械セット代がお高いことも。
リトグラフというクレヨンなどで描画して版を作る版画がありますが、聞いたことはあるけど、やったことも見たこともなくアートのイメージです。
以上が4大印刷になります。
いや、長文。シンプルじゃなくて申し訳ないです。
どんな紙モノに使われてるかを盛り込みたくて、長くなってしまいました。
手元にある紙物が何印刷かぜひチェックして楽しんでもらえたら幸いです。
追記
え?オンデマンドって表記されてる印刷も多いけど何って?
家にあるインクジェットはどの分類かって?
いいですね、沼ってきましたね。これらは「版を必要としない新時代の印刷」になります。ですので4大印刷には当てはまりません!
デジタル印刷と呼ばれるものになります。
版を作るのって材料も時間もかかる=お金がかかるので、製版を必要としないデジタル印刷は小ロットから受け付けてくれるありがたい存在です。
機械もわりとコンパクトなので、これからどんどん増えていくのでしょうね。わくわくしますね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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