67. 舞台

ここ一年はちょいちょいと舞台を観に行く機会があって、それ以前は全くと言っていいほど観たことはなかったので、いくらか数を重ねてみると、気付きがとても多い。

その中のひとつは「舞台はチーム対1人のコミュニケーションなんだな」ということ。

ここで"チーム"と言っているのは、脚本家、演出家、演者、音響さんとか舞台さんとかもいるのかな?そのあたりは無知だが、とにかく観せる側のことを言っている。

"1人"というのは、観る人だ。

基本的なストーリーや台本や演出などは、裏方側の方々が描くのだと思う。つまり、何を話すかは裏方側が決めている、と言える。普段の言語的コミュニケーションでいえば、昨日みた恋愛ドラマの話をするのか、はたまた法律の話をするのか、といったことを決めている。

そして、それを具体的に形にするのは演者。つまり、どう話すかは演者が決めている、ということになると思う。恋愛ドラマの話をエモーショナルに話すのか、論理的に話すのか、といった部分だ。(演技指導などあるだろうから、100%そうというわけではなさそうだけど)

これはけっこう難しいことをやっているなぁと思う。

そもそも人間はひとりひとり感性も違うわけで、裏方と演者も違う感性を持っているだろうし、演者同士、裏方同士でもそうだろう。

でも、舞台を違和感なくみせるには、全員あわせてひとつの人間のようになって客席とコミュニケーションする必要がある。

そして、コミュニケーションの対象になる客席も、またひとりひとり違う。

客席が舞台を楽しいと感じるのは、舞台上と客席の間で何らかのコミュニケーションが成立している状態だからだと思う。

客席に「恋愛ドラマはよくみてるけど法律は知らなければ全く興味もない」という人がいたら、ガチガチに法律の話をしてしまうのは当然コミュニケーションミスになる。逆に、ガチガチの恋愛ドラマを展開したら、食い入るようにみてくれるかも知れない。

そう考えると、この分野も「誰にみてもらうか」はきちんとイメージしてつくるのが大事なんだろうなと思った。

自分の仕事にしているプロダクト開発においては「誰に使ってもらうのか」が明確にイメージできていないで、ふわっと良さそうという解像度の低い状態でやってしまうと、誰にとっても中途半端な企画ができがちになる。たぶんきっと、舞台もそうなんだろうな。

舞台、まだまだ新しい感覚がたくさんでおもろい!

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