62. 面接の話

これは自分の特殊能力のひとつなんじゃないかと思っているのだが、今まで採用関連(採用される側)の面接に落ちたことが一度もない。
※厳密には、高校の時に近所の靴屋のバイト面接には落ちたことがあるが…

学歴はなんの箔もつかない専門卒だし、新卒・中途あわせて今まで30〜35ぐらい、大企業からスタートアップまで面接を受けてきて今のところ打率1.00なので、面接が得意なのだと思う。

そんな経験を経て、自分なりに面接に対しての考えがあるので、まとめておきたい。

面接はテストじゃない

巷に溢れるよくわからない面接メソッドの影響なのかもしれないが、面接を「テストを受ける」感覚で受けている人がまぁまぁいるなと感じる。

だが、ハッキリ言って面接はテストではない。やるべきは「正しく答える」ではなくて「コミュニケーションする」だ。

お互いに、どういう要求があって、それがすり合うのか。どういう考え方を持っていて、一緒に働くことができそうなのか。どんなスキルを求めていて、それを提供できるのか。

それらを、言葉や表情を通じてコミュニケーションする場が面接だ。

だから、「ここでこう答えてはいけません」なんていうステレオ式の考えはナンセンスで、ただ言えるのは「伝えたいことをきちんと伝えられる、聞きたいことをきちんと聞き出せるトレーニングを日頃から意識してやりましょう」だけが重要だということ。

準備はしたほうがいい

自分の考えをただ伝えればいいのであれば準備はいらないのでは?と考える人もいるが、それは極端すぎる。

なぜプレゼンや営業のトークの練習なんかをするのかというのに感覚は近くて、準備をするのはより伝わりやすくするためだ。

面接で"だいたい聞かれること"というのはたしかに存在するので、自己分析するなどして、それについてより伝わりやすく話せるようにしておくことは意味がある。

コミュニケーションというのは相手ありきなので、相手がどんな会社に所属してどんな仕事をしているのか情報収集して想像を膨らませておくことにも意味がある。コミュニケーションの基本は「相手の使う言葉や知識に合わせる」なので。

ない袖は振れないけど、ある袖はちゃんと振る

これはめちゃくちゃ重要なのだが、結局のところ自分には会社に提供できるスキル・能力・経験がなにもないという状態だったら、いくら面接の対策をしたところで受かることはできない。

これは大原則としたうえで、市場での自分の立ち位置がわかっていないことで損をしている人が多いなと感じる。

自分に「ある」ものは、きちんと「ある」ものとして整理しておいて面接の場で話したほうがいい。

結局のところ面接はコミュニケーションなので、伝えなければ「ある」ことさえ伝わらない。謙虚すぎる姿勢は、面接の場ではあまり得策じゃない。

市場をどう認識していて自分はその中でどういう位置付けだと思っているかを曖昧にせず、きちんと分析し話すのは大事だ。

味方だと思ってもらう

感覚的にわかると思うが、人は"自分の味方だ"と思った人には好意を持つし、多くのことを話す。

では、そうなるためにはどうしたらいいか。

一番有効なのは「あなたはこう考えているでしょう」ということを先回りして言ってしまうことだ。

まだ言ってもいないのに、言おうとしたことを言われるというのは、ただ話したことに共感されるよりよほど効果がある。

共感されることは驚きの体験ではないが、先回りされることは驚きの体験、いわゆるアハ体験なのだ。

…ただ、これを実現するには幅広い知識や経験と、人並み以上の洞察力が必要になるので、万人には難しいかもしれない。

ちなみに、ひとつ大事だと思うのは、気に入らない人や会社にまで味方だと思ってもらう必要はないということ。無理に合わせにいく必要はないよね。


以上、正直すぐ役立てられること皆無の内容になってしまったな!

おしまい!

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