53. ユーザーの目線に立つということ

プロダクト開発の現場において「ユーザーの欲しいものをつくれ」というのが声高に叫ばれるようになって久しい。

もちろん、自分もプロダクト開発の人間なので当然にこういう考え方をもって進めているのだが、これをチームで実践するという点においてはまだまだ色々な難しさがあるな、と感じている。

特に難しいのは、つくっているチームが実際のユーザーではないケースだ。

特にめちゃくちゃ頻出する誤りとして、必要以上にプロダクトのリッチなUI品質にこだわるという点がある。

なぜそういうことが起きるかというと、つくっている人間というのは基本的に世の中の平均水準で考えた場合に「情報感度が高く、勤勉である側」だからだ。

なので、自己の感覚で考えてしまうと「ユーザーはこんなUIでは離れてしまうだろう」と考えてしまう。

これは、正しいケースもあるが、誤っているケースがかなり多い。そして、誤った場合は誤った目標にフォーカスして時間を無駄にしてしまう。

俗に言う「穴の空いたバケツに水を注ぐ」がスタートアップで起きる場合の主要因はこれじゃないかとすら思う。まだ欲しがってもらえるバリュープロポジションを確立していないのに、UIを磨く。

こういうことはエンジニアやデザイナーが起こしがちと思うかもしれないが、ぶっちゃけそんなことはない。ビジネス側の人も同じように錯覚する。むしろそちらのほうが厄介だったりする。

ここにおいて重要な点は、相当に気をつけないとつくりては自身をユーザーと同一視してしまうということだ。これは人間の性質からして普通に起こること。

その呪縛に囚われないために、データというものはあるし、ユーザーと対話をするのだ。

極端な話、データやユーザーとの対話にもとづいていない意見は全てユーザーを軽視しているし、疑ってかかるべきとも言えると思う。

というわけで、プロダクトマネージャーはユーザーに関する専門家として、チームのみんなの目を開かせ、正しい道に導くのが仕事だ。

がんばろ。

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