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書評:リチャード・ライト『地下で生きた男』(上岡伸雄 編訳、作品社)

「図書新聞」No.3638 (2024年5月4日)にリチャード・ライト『地下で生きた男』(上岡伸雄 編訳、作品社)の書評が掲載されました。
「図書新聞」編集部の許可を得て、投稿いたします。
書評は下記のリンクよりお読みいただけます。

"I can't breathe"という言葉が先週もTVのニュース(*1)から聞こえてきました。リチャード・ライトが警察の暴行を描いた1940年代から何も変わっていないのか、と暗澹とした気分になります。でも、大きな変化があります。この作品の出版こそが変化です。

本書の表題作は当初、警察が黒人を犯人に仕立て上げるため自白を強要する冒頭部が削除された形で出版されました。2021年にようやくその部分が復元され、こうして完全版が日本でも翻訳される運びとなりました。

BLM運動の源ともいえる作品が重要なことは間違いありません。でも、このコレクションに収録された他の短篇の中にはライトの意外な面を見せてくれる作品もあります。抗議文学の枠に収まらないライトも合わせて読んでいただけたらと思います。

(*1) 参考記事 ※映像注意
'I can't breathe': Black man in Ohio tells police before he died, video shows

また、書評中で言及した"When the Levee Breaks"はPlaying For Changeのバージョンがお気に入りです。よかったら一度お聴きください!



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