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高石ともやさんの思い出

高石ともやさんが亡くなった。

高石ともやさん死去、82歳 フォーク歌手「受験生ブルース」(京都新聞) - Yahoo!ニュース

訃報を見て、思わず涙が出てきた。仕事をしながら涙を流していた。

高石ともや&ザ・ナターシャセブン 春を待つ少女 - YouTube

特にファンであったわけではない。
40数年前、大学1回生のとき、大学の近所のホールで開かれた無料だか安い料金だかの新入生向けコンサートに一度行った記憶が。
あまり知らなかったけど「春を待つ少女」は大好きだった。
当時、家にはステレオなど気の利いたものはなく、ラジカセでラジオ番組で流される曲をカセットに録音して聴いていた。

青くて、将来どうなるかわからなくて、膨れ上がるイドのお化けと現実とのギャップにきりきり舞いしている時期。
どこか遠くへ行きたい、という漠然としたあこがれが詰まった曲だった。

そのコンサートの時のトークで忘れられないのが、GWの前と後で新入生のお尻の位置が違う、という話だった。GW前はきりりとお尻を立ててきびきび歩いていた新入生が、GWすぎるとだらんとお尻が下がってちんたら歩く、という。多分、GW前のコンサートだったのだろう。

私は大阪から京都までJR(当時はまだ国鉄だったかな)で通学していたのだが、ある日、京都から帰る快速電車で、ドアの脇の席に高石ともやさんが座っているのを見かけた。
周りもなんとなく「ひょっとしてあれ高石ともやちゃうん?」という感じでざわっとしていたけど、話しかけるわけでもなかった。なんか溶け込んでいた。

女の子というのはトイレひとつ行くのにも連れ立っていき、一人で弁当を食べると変な目で見られるのでともかく中学・高校と弁当友達というかグループの端に入りという生活だったので、やっと大学に入って、飯も一人で食えるし一人で何でもできる、と解放感にあふれていた頃。

プガジャ(プレイガイドジャーナル)のコンサートチケットやグッズのプレゼントは当選率が高く、CCRやスージー・クアトロのコンサートチケットが当たって一人で行った。

雨を見たかい Have You Ever Seen The Rain - YouTube

私が子供の頃からベトナムはずっと戦争をしていた。大学生のときにサイゴンが陥落した。

Suzi Quatro - Can The Can - YouTube

大学の近所のロック喫茶にも一人で行って漫画読んだりしていたな。

そのうち、大学に行っても、誰とも話さずに帰る日ばかりであることに飽きてきた。

それでクラスメートが入っていた国際交流サークルに入り、英語さえ話せればそれでいいと思っていたのがインドネシア人を好きになってインドネシアにはまりアジアにはまり…。まあ、それはまた別のお話。

そうした混沌の時代の中にいた人が逝ったことが哀しい。

Rest in Peace.

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