5月15日の「9の音粋」を振り返る①

5/15(月曜日)
スージー鈴木さんと私がDJをつとめ、選曲を担当している
bayfmの番組「9の音粋」(毎週月曜 夜9時から生放送)に
高野寛さんをお招きしました。

1995年4月から1996年3月までの1年間、
高野寛さんは、緒川たまきさんとともに
「土曜ソリトンSIDE-B」(NHK教育)のMCを担当。
当時中学3年生の私は、毎週夢中になって見ていました。

2020年4月の番組開始以来はじめて
「私の誕生日と9の音粋の放送日がぴったり重なる」
ということで、高野さんをお招きしたいこと、
お招きできたらこんなタイトルでこんな企画をやりたい、というのを
プロデューサーに提案したところ………

「月曜ソリトンSIDEーQ」という企画が通り、
そして高野寛さんをお招きするということができたんです。

2001年から22年以上この仕事をしていますが
こんなことは今までありませんでした。
勤続20年以上のご褒美でしょうか。43歳にもなってみるものです。
いや、20年以上働き、40歳を超えて、
やっとまともな企画提案ができるようになった、
ということかもしれません。

「当日喋る自分と、台本を準備する自分は別の人」という意識で準備し、
5月15日当日を迎えました。

仕事場においては、普段からなるべく
「緊張感」を醸し出さないようにたたずんでいます。
「現場には緊張感がなきゃダメだ、
 緊張させる人がいないとダメだ」という人がいます。
そういう人の主義主張、存在を否定はしませんが、
そんな人が現場にいようと自分は「RELAX~OPEN~ENJOY」です。

しかし、この日ばかりは緊張してもいいだろう。
緊張して、緊張を楽しもう、
緊張が生むいいこともあるはずだと臨みました。

その結果

・9時台、高野寛さんが歌うソリトンのテーマソング
 「All over, Starting over~その笑顔のために~」の曲紹介を間違える
・10時台、「キュレーター、キュレーション」という単語が出て来ず
 「マニピュレーター」と言ってしまう

という大きなミス。
やっぱり「緊張しない」「RELAX~OPEN~ENJOY」にこしたことはない…
そんな風に思いました。

しかし、打ち合わせの時点で高野さんから醸し出される包容力に、
生放送がはじまれば、高野さんの
「出役として、ラジオパーソナリティとして」の
豊富な経験に大きな助けを得て、
なごやかに、それでいて鋭角なトークを繰り広げることができました。

「土曜ソリトンSIDE-B」の
「服の布地がこすれる音すら聞こえる、
 間があくことを恐れないテンポのトーク」を目指してみましたが……
結局いつもの9の音粋月曜日のテンポに。

あれだけ怒涛の勢いで話して、12曲フルコーラスでかける。
スージー鈴木さんがかつて取材で話した
「モアトーク、モアミュージック」は
高野さんをお招きしてもなお実践されたのでした。

台本がある安心感、無駄な心配をしなくてもいい状態で臨めることを
今回はじめて身をもって経験しました。

「聞きたい事は書いておいた、あとは打ち合わせや
 生放送中に出てくる言葉や雰囲気、発見を敏感にとらえて楽しもう。」
そんな気持ちで臨めたのは、いろいろ書き込まれた台本があったから。
出てくる話題に合わせて順番を変えたり、
時間を見てカットしたりしながら展開していきました。
もちろん、使わなかった話題もありますし、
「自分は今日、ソリトンに出た時の坂本さん、
 ユキヒロさんの年齢になったんです。
 そんな日にお招きできてうれしいです。」
というフレーズも用意していたのですが、
それ以上に様々な喋りたい事が生まれていきました。

「土曜ソリトンSIDE-B」は、
「YMOの足跡」をたどるなど過去や歴史を掘り下げる回もありましたが、
基本的には「1995年のサブカルチャー」をメインに
「今」を伝える番組でした。

5月15日の「9の音粋」も「過去・回顧」だけにならない構成。
①最初の30分は「1995年」(過去)
②次の30分は「今の音楽の聴かれ方」(現在)
③10時台の30分は「YMOのメンバーとのエピソード」(過去)
④最後の30分は「ナタリーワイズの新譜」(現在)

これもまた「土曜ソリトンSIDE-B」のバランス感覚を意識したものです。
そして私は、普段の9の音粋もまた、
このバランス感覚でやりたい、やらねばと思っています。

2022年の年始放送回にオンエアした、
ONIGAWARAの「 I don't wanna die」の歌詞

「ノスタルジックな感情のその先へと その先へと 僕はもう行かなくちゃ
 過去も未来も現実も受け止めて
 そう受け入れてまた君とフロアで笑い合えたら」

まさにこのとおりです。
・過去を楽しむ方法にバラエティを持たせる
・現代を切り取る手法として過去を用いる
そうすることで「世代」を超えて楽しめる場にし、
「知識マウンティング」を無効化したいのです。

高野寛さんと様々なトークをして見えたことがたくさんありますが
今は書かずにおきます。
radikoのタイムフリー聴取期限が切れたらここに書きます。

まずはぜひ、タイムフリーでお楽しみください。
リアルタイムでお楽しみいただいた方もぜひ、もう一度!

9の音粋 Hour.1 | bayfm78 | 2023/05/15/月 21:00-22:00 https://radiko.jp/share/?sid=BAYFM78&t=20230515210000

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