SXSW2016予報 4 | ジェネレーションZによるNON-TEXT WORLD / 本や手紙の時代に捕われることのない、 文字を越えたコミュニケーション世界の幕開け
"GIFs may seem like they are full of funny cats now, but that’s how most new media starts (funny cats). It took thousands of years of writing to invent poetry." - ALEX CHUNG (Giphy Founder and CEO)
SXSWはコミュニケーションアプリと共に歩んできました。
2007年、140文字のテキストを投稿するTwitterがインタラク ティブアワードを受賞して世界に広がったところから始まり、2011年のinstagramのCEO Kevin Systromの登壇やPinterest のブレイク...と、コミュニケーションは文字から画像・動画にゆるやかに移行していきました。
SXSW2015ではSnapchatの流行でテキストが無くても、画像 や動画を送り合う文化がある程度若年層で定着。送り合うだ けでなく、誰でも手軽に手元のアプリからライブ配信を行っ てつながることができるアプリケーション ミーアキャットが 一大ブームとなりました。
SXSW2016では、TwitterのUIに組み込まれたGIF検索を提供するGiphyのCEOが登壇しました。
GIFは平均5秒のようですが、 5秒は映画のよく使われる1シーンの長さで、人々に理解をさせるには最適な長さであると彼はインタビューで答えていま す。
LINEのスタンプも含めて、文字とそれを補足する写真を 中心としたコミュニケーションの形が、テキストを伴わない 画像や動画だけのものを中心としたものに劇的に変化して行 く中で、そこは言葉/言語の壁を越えたコミュニケーションプラットフォームをつくる動きが今後も加速していくと考えら れます。
Gen. Z is Coming | NON-TEXT WORLDを支える世代の研究
ジェネレーションZとは、2016年に5歳〜20歳の世代のことを指します。
広告会社JWTの調査によると、
・Gen-Zの81%は性別で人を判断しない ・Gen-Zの47%は少数民族
・Gen-Zは”モバイル”ネイティブ ・Gen-Zは1日2-4時間はYoutubeを見る
・Gen-Zは8秒しかアテンションできない(Millennialsは12秒)
・Gen-Zの中で完璧な異性愛者は48% (Millennialsは65%)
・Gen-Zは性別を意識して服を選ぶのは47%((Millennialsは65%)
・Gen-ZはEメールの3倍チャットを使用している
・Gen-Zはハリウッド女優よりもYoutube&Snapchatスター
・Gen-Zは複数のオンラインペルソナを持っているが苦ではない
・Gen-Zが30歳の時には3つの仕事を掛け持ちしている
と言われている。
また、SXSWのセッションでは下記のような象徴的な発言も目立ちました。
“Shopping for clothes is more about your body type than your gender‒ Becca McCharen /Chromat FOUNDER & DESIGNER
Snapchat is most interesting platform right now it's a huge new language in creativity.‒ GARY VAYNERCHUK
SXSW2016のこの領域のセッションの紹介
Why GIFs?
https://schedule.sxsw.com/2016/events/event_PP90054
The Linguistic Secrets Found in Billions of Emoji
https://schedule.sxsw.com/2016/events/event_PP48870
SXSW Accelerator Finalist > Seerslab
http://schedule.sxsw.com/2016/events/event_PP49332
日本人が感じたSXSW2016
「目は口ほどに物を言う。」非言語コミュニケーションの加 は、一瞬で"伝わる情報量が、テキストではなくビジュアルの方が圧倒的に多いからだと考えます。さらに以前チームラボの猪子さんが「グローバル化 は英語化ではなく、非言語化」と語っていたこともまさにそれです。 未来予報の仮説の通り、非言語コミュニケーションはどんどん加しています。
特に今年はSnapchatの話題が多かった印象で す。日本では今年になり流行の兆しを見せていますが(特に楽しいselfie が撮れる拡張カメラアプリ機能が爆発ヒット)、アメリカでは数年前か らすでに若者の間で大流行しており、全く新鮮なサービスではないにも関わらずまだまだ話題は多い印象です。おそらく親世代が入り 込めていない若者だけのものだったSnapchatが、ようやくマーケターが理解し始めてきたからでは? と想像します。
さて未来予報の仮説にもあった、GiphyのCEOの公演では「なぜGIFか? 」を以下のように述べていました。 -映画で使われる1シーンが平均5秒 -その5秒には伝えたいことが凝縮されている -その1シーンを切り出すことで伝えたい文脈をダイレクトに伝えるこ とができる-テキストよりも、よりEmotionである -ストーリーを想像させることができる -人のコンディション(ふざけているのか、本気なのか)が説明できる などです。
日本ではそもそも非言語コミュニケーションに長けている国で、 LINEのスタンプや絵文字、漫画文化が盛んであったため、上記の 理由が語られる実感はもう言わずもがなかと思います。
さて、一方今後のコミュニケーションアプリの兆しです が、「リアルな世界と拡張」のシェアがますます加速していくと思います。instagramでレトロフィルターにして思い出をスト ックしていくのではなく、よりライブで、リアル な自分や体験を拡張させて発信していくのでは。
Snapchatも地域に合わせたジオフィルターは、地域限定 、イベント限定のメニューなので、実際にユーザーを動かすこと のできる機能として、マーケターの注目を浴びています。 こういった、地域×ARの流れは今まさに世界の共通アプリになっ ている「ポケモンGO」でユーザーの行動に革新がもたらされてい ることも目に新しいと思います。 来る東京オリンピックでは、グローバルコミュニケーションのお 手本として、英語化ではなく非言語化の完成形を世界に見せない といけないプレッシャーもマーケターのみなさんは感じているか と思うので、引き続き非言語コミュニケーションについてはウォ ッチしていきたいと思います。ーTarao Seri (IMJ)