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共感されない私の感覚その2

これもなかなか分かってもらえない感覚。

今はもう売られていないけど、
当時はまだ分厚いブラウン管テレビ時代の話。
私は家電量販店のテレビコーナーが苦手だった。
働いている人がよく耐えられるものだと不思議で仕方がなかった。
現在はすっかり苦手も気にもならなくなって、
巨大な薄型テレビを眺めに行くことも全く問題ない。
しかし当時は・・・大音量のキーン音に頭痛がするほどだった。

その頃我が家にもあったブラウン管テレビで、
家族がチャンネルを変えるとその変えた瞬間が私は分かった。
それは音を消して、目をつぶった状態でもだ。
テレビがON状態のブラウン管テレビの後ろ側に立つと、
キーンという耳をつんざくような耳鳴りのような音がする。
チャンネルを変えると、そのたびにその音が途切れるので、
私は消音になっていようと、目をつぶろうと、
そのキーン音が途切れるタイミングを言えば、
チャンネルは変わっていた。
そして電源が入ったか消したかもわかった。

家族も不思議がっていたが、あまり深追いもせず、
「あら不思議ね」程度の反応でそのまま終わった。
周りの誰にも理解はされなかったので言わずにいたら、
そのうちテレビが薄くなった。
テレビが薄型になってからは、
そういった耳鳴りのような音はなくなったし、
家電量販店のテレビコーナーも私的には静かになり苦痛はなくなった。

ずっと不思議だったことも、
大人になってふとネットで調べてみると、
案外同じような経験をしていた人がいたことが面白かった。

しかもその耳鳴りは特殊能力なんかではなく、
ちゃんとした原因があったことに、
ネットという文明の進化も悪くないと思った。

ブラウン管テレビの水平走査線 という周波数?の問題らしい。
若者には聞こえて歳を重ねると聞こえなくなるという、
モスキート音のようなものなんだろう。
いかんせん私には周波数だの何だのの説明は難しすぎて・・・

数年前や今年に耳が聞こえにくくなって耳鼻科に行っても、
何の問題もなくよく聞こえている方だと言わる始末。
雑音に紛れる人の声はかなり聴きとりずらいけど、
時計のコチコチ音や、電子レンジやエアコンの室外機の音、
虫が顔の近くを飛ぶ羽の音や人が歩く靴の音など、
特定の音に関しては人よりよく聞こえているようで、
でも昔より聞こえにくくなってると私は思って、
耳鼻科で検査をしても検査結果は人並みと出てしまう。

聞こえにくさの原因は耳鳴りなのかもしれない。と私は思う。
耳鳴りの音が邪魔をして聞きたい音が聞き取れていないのではないかと。
でもそれは加齢というやつの一種でもあるらしく、
血流を改善する薬を飲むと気持ち治まるような。

何にせよ、
人間の器官は繊細で本当によくできているとつくづく感心する。
これだけ様々なことが進化している中でも、
生物(人間も)について少ししかわかっていない。
でも、時に原因不明な感覚が時を経て解決することもあり、
つくづく人間が生きているのは面白いと思う。

自分にとって当たり前だと思っていた感覚が、
実は珍しいということを知るのは、
人と話をしてみて初めて分かることで、
何の不思議にも疑問にも思わないのが、
当たり前という感覚の怖さでもある。


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