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「みちしるべ」のスタートにあたって

 未来社会プロジェクトのメンバーシップをスタートし、登録していただいた方にむけてWeb上で閲覧できる記事を配信していきます。図表つきのメールマガジンのようなものを想定していただければと思います。名前は「みちしるべ」に決めました。

 これまでぼくは政治に関するデータや議論を広く一般に公開してきたので、ぼくのことを昔から知っている人ほど、こうしたものは似合わないと感じられるかもしれません。それはぼくも同感で、今までのやり方が維持しきれなくなったことを申し訳なく思います。しかしながら、身を守る必要が生まれてきたことと、その中でできることを確保していくことを考えて、暫定的にこのような形をとることにしました。

 情報が全ての市民のものであるという考えは今も変わりません。重要な議論を一般公開しつづけることも基本的に変わりません。そのうえで、ここでは次のようなことを考えています。

 まず第一には、政治に関するデータの分析と、それを用いた議論の展開です。最近はデータや議論を公開するうえで各方面への配慮が必要となったり、誤解のないよう慎重を期すことが多くなりました。そのために書けないことや出せないデータが増えています。そこで、そうしたものをいちど限られた場で公開し議論することには意味があるのではないかと思いました。(ですからここで公開するものの一部には、後に研ぎ澄ませたうえで一般公開されるものが含まれることになるはずです)

 そしてもう一つは、データを用いるのとはまた別のやり方で、社会に対する問題意識を形作っていくことです。ぼくたちはデータを見る際に、しばしば、安易にそれを未来へと延長しがちです。けれども特に政治に関しては、未来を考えるということが、決して未来を今の延長線上に置くことであってはならないように思うのです。

 今後三年間は衆参の選挙がないかもしれないと言われますが、それも実のところどうなるかはわかりません。今の政治は多くの失望をもたらしていますが、今後三年間のうちに思いがけないような危機がぼくたちの前に出現しないとも限りません。政治家に失望しても政党に失望しても、そのとき危機の中で立ち上がる人がいて、自分もまた何ができるか、何を言えるのかが問われることになるはずです。そのための体力をつけて思考を磨くこと、そして問題意識を形作り、世論を牽引することに着目していきます。

 後者の方はなかなかうまく形にならないかもしれませんが、データ面とは別にそうした取り組みに注目して下さっている方もいるので、できるだけそれに応えられたらと思います。どれほどの人に加わってもらえるのかとても不安ですが、たとえ何人であれ、その人たちに向けて書いていきますから。

 「みちしるべ――未来社会プロジェクトメンバーシップ」には下記のページから加わっていただくことができます。

 加わってくださる読者には、はっきりと生産物を提供します。それができなくなったときは責任をもってこの場を閉じることを約束します。他方で、公開の記事や発言のみを見てくださっている読者のことも絶対に忘れません。とてもありがたく思います。そのような姿勢で、当面はできる限りやっていきたいと思います。

2022.11.06 三春充希