三春充希(はる) ⭐第50回衆院選情報部

未来社会プロジェクト代表。様々な統計をもとに世論や選挙、社会問題を研究しています。著書…

三春充希(はる) ⭐第50回衆院選情報部

未来社会プロジェクト代表。様々な統計をもとに世論や選挙、社会問題を研究しています。著書に『武器としての世論調査』。 ツイッター:https://twitter.com/miraisyakai フェイスブック:https://www.facebook.com/miraisyakai

記事一覧

議席数推定シミュレーション・選挙時の挙動といま

 今月のはじめに公開したリアルタイム議席数推定シミュレーションは、もしも衆院選や参院選の投票が毎日おこなわれたとしたら、各政党が比例で得られる議席は日々どのよう…

リアルタイム議席数推定シミュレーション

 もしも今、ただちに衆院選や参院選が行われたとしたら、各政党は比例代表でどれだけの議席を得るポテンシャルを持っているのでしょうか。今回はその推移を一日きざみで計…

G7各国の支持率を出せるようにしました

 世論の動向などに掲載している支持率の平均のグラフを、アメリカ、イギリス、カナダ、イタリア、ドイツ、フランスについても出せるようにしました。今回はそれを簡単にレ…

産経新聞・FNNの世論調査の反映再開などについて

 各社の世論調査から内閣支持率や政党支持率の平均を求め、「世論の動向」や各種SNSなどで公開してきましたが、2020年6月から現在に至るまで産経新聞とFNNによる調査は除…

【特集】第26回参院選(2022年)立憲民主党――全候補者の比例票の分布

「第26回参院選(2022年)立憲民主党――政権交代のプレリュード」に掲載しきれなかった、立憲民主党の各候補者の比例票の地図をアップロードしました。  収録しているの…

【特集】第26回参院選(2022年)立憲民主党――政権交代のプレリュード

 この記事は2022年に行われた参院選を扱った特集ですが、はじめに衆院補選などを経た最新の情勢に触れることにします。 それは半年前に始まった 今年の4月28日に行われ…

政党支持率と比例投票先5年分、重ねたグラフで検討します

 「世論の動向」や各種SNSなどで比例投票先の平均を公開してきましたが、今までは扱えた期間が直近の1年ほどにとどまっており、前回衆院選の時点が含まれていませんでした…

内閣支持率の動きについて

 今回は大した話ではありませんが、世論調査の解釈について少し書いてみることにします。 JNNの支持率増加は変なのか? 今月の4~5日に実施されたJNNの世論調査で、内閣…

拒絶の投票――最高裁国民審査の地域分析

のべ6億の投票 最高裁の裁判官は司法のトップの人たちです。けれど信用を失えば「さらに偉い人」の手によって辞めさせられることになっています。その手を担うのが有権者…

世論分析をめぐる水面下のはなし

 今回の記事では、支持率の平均をもとにした得票数や得票率の推定について、他のモデルとの比較を行います。現時点ではあまり表に出すような話でもないので、内部での公開…

比例代表の考察の現状と議席計算の結果

 3月中は裏で進めている最高裁国民審査の分析が大きな負担となったため、特に成果を出せていませんでした。そこで今回はひとつ比例代表の考察について書いてみます。間を…

果たして「野党の支持率は伸びていない」のか?

 内閣支持率や自民党の支持率が下落して、第二次安倍内閣の発足(自民党への政権交代が起きた2012年)以降でもとりわけ低い水準にあることが世論調査から明らかになってい…

空白の党――失われた1300万票を描く

 民主党政権が誕生した第45回衆院選(2009年)は、現行の小選挙区比例代表並立制のもとで最も投票率が高かった選挙でした。しかし自民党が政権を奪還した第46回衆院選(20…

支持率の本当のみかた

 世論調査でわかる支持率とは、実のところ、人々の漠然とした気分が作り出すさざ波に過ぎないのかもしれません。そのさざ波に特別な意味があるならば、それはやがて来る選…

【特集】第26回参院選(2022年)自民党――全候補者の比例票の分布

「第26回参院選(2022年)自民党――過疎化する自民と地方をめぐる攻防」に掲載しきれなかった、自民党の全候補者の比例票の分布を、今回は資料として収録しています。ただ…

【特集】第26回参院選(2022年)自民党――過疎化する自民と地方をめぐる攻防

過疎化する自民 自民党は都市と地方のどちらの方で強いのか。その問いへの答えとしては、ただちに以下の図を示すことができます。これは第26回参院選(2022年)の比例代表…

議席数推定シミュレーション・選挙時の挙動といま

議席数推定シミュレーション・選挙時の挙動といま

 今月のはじめに公開したリアルタイム議席数推定シミュレーションは、もしも衆院選や参院選の投票が毎日おこなわれたとしたら、各政党が比例で得られる議席は日々どのように推移することになるのかを計算し、追跡するという試みでした。考え方などの詳細は以下の記事を参照してください。

 今回は、先の記事でお見せできなかった前回の衆院選や参院選のときを含む長期的な計算を行い、選挙時に起こる激しい動きを考察していき

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リアルタイム議席数推定シミュレーション

リアルタイム議席数推定シミュレーション

 もしも今、ただちに衆院選や参院選が行われたとしたら、各政党は比例代表でどれだけの議席を得るポテンシャルを持っているのでしょうか。今回はその推移を一日きざみで計算し、追跡することを試みました。

政党支持率の平均 議席推定の出発点としたのは、世論の動向で公開している政党支持率の平均です。図1に全政党を含むものを、図2に10%未満の拡大版をそれぞれ示しました。

 これらのグラフでは、時間的な解像度

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G7各国の支持率を出せるようにしました

G7各国の支持率を出せるようにしました

 世論の動向などに掲載している支持率の平均のグラフを、アメリカ、イギリス、カナダ、イタリア、ドイツ、フランスについても出せるようにしました。今回はそれを簡単にレポートします。

 外国の世論調査では次の選挙における投票先を聞くのが一般的で、日本で言われる政党支持率とは少し意味合いが異なります。しかしロイターやブルームバーグなどをはじめ、NHKなど日本のマスコミもそれを単に支持率と呼ぶことが多いため

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産経新聞・FNNの世論調査の反映再開などについて

産経新聞・FNNの世論調査の反映再開などについて

 各社の世論調査から内閣支持率や政党支持率の平均を求め、「世論の動向」や各種SNSなどで公開してきましたが、2020年6月から現在に至るまで産経新聞とFNNによる調査は除外していました。これは2019年5月から2020年5月にかけて産経・FNNの委託先で不正が行われたことをうけた措置で、除外するとした当時の判断は「産経・FNN世論調査の不正にたいする見解」で述べています。

 しかし現在、すでにこ

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【特集】第26回参院選(2022年)立憲民主党――全候補者の比例票の分布

【特集】第26回参院選(2022年)立憲民主党――全候補者の比例票の分布

「第26回参院選(2022年)立憲民主党――政権交代のプレリュード」に掲載しきれなかった、立憲民主党の各候補者の比例票の地図をアップロードしました。

 収録しているのは辻元清美氏、鬼木誠氏、古賀千景氏、柴慎一氏、村田享子氏、青木愛氏、石橋通宏氏、白眞勲氏、石川雅俊氏、有田芳生氏、堀越啓仁氏、栗下善行氏、はたともこ氏、要友紀子氏、森永美樹氏、河野麻美氏、澤邑啓子氏、木村正弘氏、田中勝一氏、菅原美香

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【特集】第26回参院選(2022年)立憲民主党――政権交代のプレリュード

【特集】第26回参院選(2022年)立憲民主党――政権交代のプレリュード

 この記事は2022年に行われた参院選を扱った特集ですが、はじめに衆院補選などを経た最新の情勢に触れることにします。

それは半年前に始まった 今年の4月28日に行われた3つの衆院補選では、共産や社民などの支援を受けた立憲民主党の候補者が全ての選挙区で勝利をおさめました。このことをうけて立憲の支持率や比例投票先は上昇を見せています。けれどもそうした傾向は、実は補選の半年前から始まっていたことをご存

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政党支持率と比例投票先5年分、重ねたグラフで検討します

政党支持率と比例投票先5年分、重ねたグラフで検討します

 「世論の動向」や各種SNSなどで比例投票先の平均を公開してきましたが、今までは扱えた期間が直近の1年ほどにとどまっており、前回衆院選の時点が含まれていませんでした。そこで今回、期間を5年あまりに拡張する作業を行いました。その結果を示します。

自民党 まずは自民党を例にして説明をしましょう。以下の図1は自民党の比例投票先の平均です。

 各社の世論調査は方法などの違いによって、特定の政党について

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内閣支持率の動きについて

内閣支持率の動きについて

 今回は大した話ではありませんが、世論調査の解釈について少し書いてみることにします。

JNNの支持率増加は変なのか? 今月の4~5日に実施されたJNNの世論調査で、内閣支持率が7.0ポイント上昇したという結果が得られました。このことは「明確な理由が見つからない予期せぬ支持率のアップに、与党内からも困惑の声があがっています」(TBS)などと報じられています。

 しかし一見して不可解であったとして

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拒絶の投票――最高裁国民審査の地域分析

拒絶の投票――最高裁国民審査の地域分析

のべ6億の投票 最高裁の裁判官は司法のトップの人たちです。けれど信用を失えば「さらに偉い人」の手によって辞めさせられることになっています。その手を担うのが有権者――。国民審査はそうした意図をもつ制度であるといえるでしょう。

 国民審査が実施されるのは衆院選と同じ日です。投票する際は辞めさせた方がよい裁判官の氏名の上に「×」を書き、続投してよい裁判官には何も書かないままとします。開票の結果、「×」

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世論分析をめぐる水面下のはなし

世論分析をめぐる水面下のはなし

 今回の記事では、支持率の平均をもとにした得票数や得票率の推定について、他のモデルとの比較を行います。現時点ではあまり表に出すような話でもないので、内部での公開とさせてください。

比例代表の考察の現状と議席計算の結果

比例代表の考察の現状と議席計算の結果

 3月中は裏で進めている最高裁国民審査の分析が大きな負担となったため、特に成果を出せていませんでした。そこで今回はひとつ比例代表の考察について書いてみます。間をつなぐための記事ではありますが、選挙期間中の「押し込み」「押し負け」という現象について触れたので面白くはあると思います。現在のブロック別の議席計算の結果もあわせて示しました。

政党支持率を眺める まず全国の政党支持率から始めましょう。次の

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果たして「野党の支持率は伸びていない」のか?

果たして「野党の支持率は伸びていない」のか?

 内閣支持率や自民党の支持率が下落して、第二次安倍内閣の発足(自民党への政権交代が起きた2012年)以降でもとりわけ低い水準にあることが世論調査から明らかになっています。その一方で、「野党の支持率も伸びていない」という主張もしばしば耳にします。そうした主張は妥当なのでしょうか。3月14日までに発表された各社の世論調査をもとにして、与野党の平均の推移を描きました。

与野党の支持率 現在、与党を合計

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空白の党――失われた1300万票を描く

空白の党――失われた1300万票を描く

 民主党政権が誕生した第45回衆院選(2009年)は、現行の小選挙区比例代表並立制のもとで最も投票率が高かった選挙でした。しかし自民党が政権を奪還した第46回衆院選(2012年)の投票率は一転して下落し、現在に至る長い低迷がおきています。

 図1には第45回衆院選(2009年)について、図2には最新の第49回衆院選(2021年)について、各市区町村の投票率を地図として示しました。なお、投票率には

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支持率の本当のみかた

支持率の本当のみかた

 世論調査でわかる支持率とは、実のところ、人々の漠然とした気分が作り出すさざ波に過ぎないのかもしれません。そのさざ波に特別な意味があるならば、それはやがて来る選挙で既存の議員を落選させて、解雇する力を秘めている点においてでしょう。既存の議員は先の選挙で議席を勝ち得た人たちです。ですから今の支持率を読むときに先の選挙との落差を見ることは、単なる「高い」「低い」という印象をこえた実力評価となるわけです

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【特集】第26回参院選(2022年)自民党――全候補者の比例票の分布

【特集】第26回参院選(2022年)自民党――全候補者の比例票の分布

「第26回参院選(2022年)自民党――過疎化する自民と地方をめぐる攻防」に掲載しきれなかった、自民党の全候補者の比例票の分布を、今回は資料として収録しています。ただし優先的に当選する「特定枠」として立候補した藤井一博氏と梶原大介氏は、そもそも票のデータがないため含まれていません。

 収録しているのは赤松健氏、長谷川英晴氏、青山繁晴氏、片山さつき氏、足立敏之氏、自見英子氏、藤木眞也氏、山田宏氏、

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【特集】第26回参院選(2022年)自民党――過疎化する自民と地方をめぐる攻防

【特集】第26回参院選(2022年)自民党――過疎化する自民と地方をめぐる攻防

過疎化する自民 自民党は都市と地方のどちらの方で強いのか。その問いへの答えとしては、ただちに以下の図を示すことができます。これは第26回参院選(2022年)の比例代表における自民党の絶対得票率――つまり自民党に投票した人が有権者全体に占める割合を、4つの階級で表したものです。その割合は赤に近づくほど大きくなっています。

 さらに次の図を見てください。これは第26回参院選(2022年)が行われた年

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