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新型コロナ「ゼロゼロ融資」 新借り換え保証(コロナ借換保証)制度解説 

今回の記事は、銀行などの民間金融機関で実質無利子・無担保融資…別名ゼロゼロ融資を受けた方や、銀行融資の借り換えを検討している方を対象とした内容になっております。

ゼロゼロ融資のおさらい 

さて、借り換え制度を理解するために、発端となったゼロゼロ融資についておさらいをします。この融資制度は令和2年5月1日に受付開始となり令和3年3月31日で終了となりました。この融資は新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け売上が減少した企業を対象にした融資です。
大きな特徴として返済時に払う利子が戻ってくるため実質的に無利子になり、更に融資を受ける際の担保提供も有りません。利息ゼロ、担保ゼロで融資を受けることができるためゼロゼロ融資と言われていました。

この他、融資を受ける際にセーフティネット保証4号・5号又は危機関連保証を受けることが条件ですが、その際に支払う保証料も無料又は半額でした。それに加えて、元本の返済は猶予され利息のみの支払いで良いとされる据置期間が最大で5年となっており、中小企業にとっては破格の融資制度でした。

制度ができた背景

ゼロゼロ融資は中小企業にとって非常に優遇された融資条件ではありましたが、そもそも、この融資は本格的に返済が開始される頃には新型コロナウイルスの感染拡大も収束すると目論んでおり、それまで経営を維持することが本来の目的でした。しかし、御存知の通り令和5年1月現在も収束はせず、感染拡大の第8波に入っているとも言われています。
厳しい経済環境下での返済負担軽減と、この様な環境でも事業の立て直し・再構築を図る中小企業や個人事業者を資金面でサポートしようというのがこの制度の目的です。

これまでのゼロゼロ融資と異なるのは資金面での救済措置という側面だけではなく、きちんと利益を出して返済できるだけの具体的な計画と実行をしなければならず、更に銀行など民間金融機関に対し定期的に経営状況の報告をしなければなりません。
返済の負担軽減、事業計画の立案と実行、更に計画進捗の定期的な確認をセットにすることで経営の再建を果たせる企業を増やそうという考えが伺えます。

制度概要 

*以下リンクは中小企業庁が作成した制度概要解説用の資料です
*今回の借換保証制度の概要の解説は令和5年1月10日現在の情報を元しております。
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sinyouhosyou/dl/karikae_gaiyo.pdf

この制度を受けられる方は、売上または利益率が5%以上減少、もしくはセーフティネット4号か5号の認定取得することが要件です。更に銀行など民間金融機関に対して融資申込/経営行動計画書を作成し提出する必要が有ります。

セーフティネット4号は突発的な災害で業績の悪化した中小企業に対するもので、5号は全国的に業況の悪化している業種の中小企業者を支援するための保証制度です。金融機関の融資に対して国が保証人になってくれます。4号の場合は全額保証となり、5号は80%の保証になります。

保証限度額は1億円、保証期間が10年以内で据置期間5年以内となっております。
据え置き期間というのは借入返済の際に元本の返済を据え置いて、暫くの間は利息の返済だけで良いとするものです。5年間据え置けるわけでは無く、銀行との打ち合わせの中で決まっていくと思いますのでご注意下さい。ただし、据え置き期間は可能な限り長めに取っておくことをお勧めします。

保証料率は0.2%です。資料にはにカッコ書きで「補助前は0.85%等」とありますが、おそらく借換え時には正規の保証料を支払い、後日、補助分が戻ってくる形式を取っているからと思われます。

また、融資対象にはゼロゼロ融資の借換えはもちろんですが、他の保証付き融資を受けた方もこの制度を利用できます。例えば、コロナ以前に信用保証協会付きの融資を受けて現在返済中であるという方も利用可能です。
この他に、新たに事業再建・再構築をする際に必要な資金の借り入れもできます。ゼロゼロ融資の上限が6000万円だったので、他の借り入れと上乗せして借り換える余裕が十分に有ります。

経営行動計画書の作成

コロナ借換保証を受けるためには銀行等民間金融機関へ融資申込書と経営行動計画書の提出が必要になります。この計画書には売上増加率や営業利益率など財務上の各指標を記入しなければなりません。この各指標の計算方法については別の記事で解説いたしますので合わせてご覧ください。

動画でも詳しく解説しております


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