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給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者(特別)控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書=基配所の書き方!令和4年度年末調整

年末調整の季節が到来しました(この記事は令和4年10月に作成)。今回は、給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者(特別)控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書の書き方をご紹介します。別名、基配所(きはいしょ)と呼ばれている書類です。

年末調整の対象者

年末調整の対象者は「その年の12月31日時点で在籍していて、扶養控除等(異動)申告書」をした方が対象になりますので、社員は扶養する親族が居なくても、この扶養控除等申告書は提出しなければなりません。
扶養控除等(異動)申告書の書き方については別の記事で解説しています。

この書類は、本来なら3枚になる控除申告書を1枚にまとめたせいで、1枚の書類の中に異なる3つルールが有るためややこしくなっております。

  • 基礎控除申告書

  • 配偶者(特別)控除申告書

  • 所得金額調整控除申告書

記載例はこちら (国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/r5bun_07.pdf

基礎控除申告書

基礎控除は1年間の給与 所得が2400万円以下の方なら48万円の控除が受けられます。これ以上の給与をもらっても基礎控除額が段階的に下げられつつ2500万円以下の方までは基礎控除を受けることができます。

基礎控除額を確定するために、先ず給与所得を求めます。給与収入から給与所得控除を引いた額が給与所得額です。
給与収入ー給与所得控除=給与所得

ただし、1年間の給与収入が850万円以上で年齢 23 歳未満の扶養親族や特別障害者控除の対象である扶養親族がいる方は、所得金額調整控除が入り下記のような計算になります。
給与収入ー給与所得控除-所得金額調整控除=給与所得
*所得金額調整控除=(給与収入-850万円)✕10%
所得金額調整控除の詳細については本文の後半で解説します。

基礎控除を受ける要件は年間の所得額の上限が高いので多くの方が対象になります。しかし、年間の所得1000万円を超える方はこの次に解説する「配偶者控除」又は「配偶者特別控除」を受けることができません。

配偶者控除等申告書 (配偶者控除・配偶者当別控除)

年末調整を受ける方に配偶者がいる場合に受けられる控除です。配偶者の所得が48万円以下、給与収入のみの方であれば収入額で103万円以下の場合は、配偶者控除になります。

配偶者の給与所得が48万円以上133万円以下、給与収入に換算すると103万円以上201万円以下の場合、配偶者特別控除が受けられるますが、配偶者控除よりも控除額が少なくなります。

上述しましたが、配偶者の所得が条件に合っても年末調整を受ける本人の年間の所得が1000万円を超える方はこの控除を受けることができません。

配偶者控除・配偶者特別控除の額は配偶者の年齢、年間の所得額、年末調整を受ける本人の所得額で変わります。実際の書類には判定表が記載されていますので書類作成時にはご注意ください。

所得金額調整控除申告書

令和2年度から新たに年末調整に加わった控除項目です。
どんな制度かと言いますと、平成 30 年度税制改正において、給与所得控除の見直しが行われ、給与収入が 850 万円を超える方の給与所得控除額が引き下げられました。
確かに日本の平均収入から考えると多くもらってはいますが、子育てや介護の負担が有る方については経済的余裕が必ずしも十分とは考えられないことから、年齢 23 歳未満の扶養親族や特別障害者控除の対象である扶養親族がいる方は、控除の割増をしましょうというのがこの制度の考え方です。

この欄は給与収入の金額が850万円を超えて、扶養親族に23歳未満の者が居るか、年末調整の対象となる社員自身が特別障害者である、又は特別障害者の扶養親族が居る場合に記入します。
給与収入が850万円以下、850万円を超えていても該当する項目が無い方は空欄にしてください。

記入欄には白い星印の「扶養親族等」と黒い星印の「特別障害者」と2つの欄が有ります。

  • 年末調整の対象者自身が特別障害者の場合は黒い星印の欄のみ

  • 配偶者か扶養親族が特別障害者の場合は白い星印と黒い星印の欄の両方を記入します

  • 23歳未満の扶養親族が居るかたは白い星の欄だけ記載してください

白い星の欄は氏名、マイナンバー、生年月日、同居していない場合であれば住所、続き柄とその扶養者の所得額も記入します。黒い星の欄の「特別障害者に該当する事実」には障害者手帳などの種類と交付年月日、障害の等級を記入してください。

記入欄の中にある「扶養控除等申告書のとおり」は先程お話した「扶養控除等申告書」で既に特別障害者として記入している方を、この書類でも記入する必要が有る場合は、この欄にチェックマークを入れることで記入を省くことができます。

この記事の内容は動画でも詳しく解説しています

参考リンク

給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者(特別)控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書の記載例 (国税庁ホームページより)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/r5bun_07.pdf


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