見出し画像

北海道大学法学部2・3年次編入試験(英語)の解説をします[第4回]

前回に引き続き、令和6年度の北海道大学法学部2・3年次編入の和訳問題の4問目を解説します。前回同様、著作権の問題が微妙なので、一部表現を変えています。配点は9点です。

The results of the research imply that when politicians bring a previously taboo possibility into open topic, they may increase favorable attitudes toward conspiracy theory on other issues. To prevent this later effect, politicians may wish to avoid presenting uncertain facts as settled issues when the evidence needed to support that conclusion just isn't there. 

■ 第1文
The results of the research imply that when politicians bring a previously taboo possibility into open topic, they may increase favorable attitudes toward conspiracy theory on other issues.(予想配点5点)

単語
imply 示唆する、含意する
politician 政治家
bring A into B AをB(の状態)にする
previously 以前(に)
favorable 好意的な
issue 問題

解説
① 最重要ポイントはimply thatのthatが接続詞である点。
   このthatは接続詞なので、次にSVがつながる。ところが、thatの直後のwhenは接続詞なのでSにはならない。ということは、thatとwhenはつながっていない。SVはthey may increaseのところだから、imply that → they may imcrease...とつながる。
  【... imply that
       ↓   <when politicians bring a previously taboo possibility
       ↓   into open topic , >
      they may increase favorable attitudes...】

  そうすると、「調査の結果は、彼ら(=政治家)が、ほかの問題についての陰謀論に対する好意的な態度を増大させることもあるということを示唆している」となる。

② whenからopen topicまで
  ここは、thatとthey may increaseの間に挿入された副詞節。bring A into Bというイディオムに当てはめて訳すと、Aがa previously taboo possibility Bがopen topicなので、「政治家が以前タブーだった可能性を開かれた話題にするとき」となる。

  taboo possibilityの読み方がむずかしい。ふつうtabooは名詞だが、そうするとその前にある副詞のpreviouslyの説明がつかない。副詞は名詞にはかからないから。そこでこの場合のtabooは形容詞と考える。「タブーの/タブーである」「触れてはならない」という意味で「以前タブーだった可能性」「以前には触れてはならなかった可能性」。

③ 全体をつなげる。
  「政治家が以前タブーだった可能性を開かれた話題にするとき、彼らはほかの問題についての陰謀論に対する好意的な態度を増大させることもあるということを調査の結果は示唆している」となれば完璧。

採点基準
① imply that → they may imcreaseというつながりを読み取れなければマイナス5点。they mayの前にコンマがあるので、うっかりそこで文を切ってしまうとアウト。このコンマはwhen以下の副詞節の終わりを示すため。

② bring A into Bを見逃したらマイナス3点。結局同じことになるが、a previously taboo possibilityでpreviously が副詞、tabooが形容詞でpossibilityにかかるという修飾関係を間違えたらマイナス3点。

⑤ その他、単語の誤りはひとつにつきマイナス1点。

第2文は次回に続きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?