CDJセットを使ってみよう! その2 スマートフォンrekordboxアプリ編

【2021/09/22追記】
この記事はメジャーアップデート前のrekordboxスマホアプリに関する記述です。
現在App Storeからインストールできる現行rekordboxスマホアプリは、
・CDJ前面USB(A)ポートとの一般的なUSBケーブルでの接続不可
・無線LAN接続も基本不可
・CDJ背面USB(B)ポートからCamera ConnectionなどのUSBホスト変換or有線LANのみ接続可能
という、高価で特殊なケーブル(ホスト変換など)が必須なめんどくさくてしょうもない代物になってしまいました。お手軽さがよかったのに。

USBメモリ編に引き続き、今回はスマートフォンのrekordboxアプリを利用する方法について書いていきます。
あまり利用者は多くないのですが、スマホとUSBケーブルさえあればCDJを使えるお手軽さなどがあり、初めて触る人にオススメしている方法です。経験者の方は万が一のバックアップにも。
CDJ-900NXS以上だけでなくXDJシリーズでも利用できます。

画像1

 必要なもの

・スマートフォン1台(タブレットでもOK)
・スマートフォンのライブラリに入った楽曲
(SpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスは使用不可)
・スマホ版rekordboxアプリ iOS用 Android用
・スマートフォン用USBケーブル(一般的なものでOK)

メリット

・めっちゃお手軽、何一つ買い足さなくて良い
・普段スマホで聴いてる楽曲(PCから転送orダウンロード)をそのまま使える
・スマホでセットリストを組んだり変更できる
・(iTunesの場合)ALACからAAC変換の手間がかからない

デメリット

・解析に時間がかかる
・スマートフォンの容量をかなり使う
・DJ中にスマホで別の操作ができない、スリープできない
・セットリストを一から組むのには向いてない
AACとMP3にしか対応していない

導入方法(動画つき)

アプリをインストールして起動します。
左上のメニューバーから「楽曲をインポート」を選択します。
スマートフォンのライブラリ内から使いたい楽曲(AACかMP3)をざっくり選んで「Import」を押します。待ちます
以上です。

CDJへの接続方法

CDJ表面側のUSBポート(USBメモリを差すほう)にUSBケーブルでスマートフォンを接続し、rekordboxアプリを立ち上げ、メニューバーから「DJ機器に接続」を選択するだけです。

(rekordboxライブラリをエクスポートした)USBメモリとまったく同じように動作します。LINK機能で別のCDJでも利用できます。
また、スマートフォン側から楽曲のロード/再生/停止もできます。便利ですが事故りやすいので、本番中は誤操作しない場所に置いておきましょう。

音質に関しては、スマートフォンのライブラリに入った形式(AACかMP3のみ)がそのまま出てくるだけです。なので「スマートフォンだから音が劣化する」みたいなことはありません。これもUSBメモリと同じです。

ちなみにLINKに使用しているルーターが無線ルーターであれば、wi-fiで無線接続することも可能です。
ただしかなり不安定な上、「次のDJに転換したけどrekordboxアプリが繋がりっぱなしで曲を止めてしまった」という事故も過去にやってしまったり、PAシステム用のwi-fiと干渉したりするので、使わないほうがいろいろと安全です…
(ミライノオンガクではいちおう使用可能です)

ALACユーザーへの福音かも?

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筆者自身がそうなのですが、音楽ライブラリをiTunesのALACで組んでいる人にとって、PC/Mac内でのAACへの大量変換はとてつもなく面倒です。
(rekordboxは一切のオーディオ形式変換に対応しておらず、その予定もないそうです)
しかし、iTunesのiOSデバイス同期機能には、自動でAACに変換してくれる機能があります。デバイスを選択→概要→オプションで「ビットレートの高い曲を次の形式に変換」です。もちろんrekordboxアプリで問題なく使用できます。

スマートフォンrekordboxアプリ使用時の注意

・インポートにめちゃくちゃ時間がかかります。また失敗することも多いです。
(iOSの場合)インポート中はミュージックライブラリからの再生ができません。
アプリを切り替えると高確率で失敗します。2000曲以上のインポートも落ちることが多いです。
ちなみに「最近追加した曲だけインポート」もできないようです。

・(iOSの場合)インポートした曲と同じぶんの容量を使います。
たとえば10GBぶんのミュージックライブラリをインポートした場合、それとは別に10GBをrekordboxアプリでも使用します。

これらの仕様は、「ミュージックライブラリのファイルをサードパーティアプリに弄らせない」というiOS側の制約によるものだと思われます。
「弄れないならまるまんまコピーすればいいやん!」という力技で解決なのもすごいところですが…
使いたいアルバムやアーティストだけに絞ってインポートした方がよいと思います。

・DJ中にスマホで別の動作ができない、スリープできない
できるにはできるのですが、非常に不安定になります。充電されるのでスリープの必要はないでしょう。
特に音声再生やカメラ撮影系は危険です。
他のアプリをすべて終了し、自動スリープを無効にし、アラームの類がセットされていないか確認し、可能な限り機内モードで使用することをオススメします。

・セットリストを一から組むのには向いていない
アプリを使っていただければわかるかと思いますが、プレイリスト=セットリストの編集機能はあまり優れているとはいえません。
セットリストはPC/Macのrekordboxで作成し、スマートフォンのrekordboxでは現場の感じに合わせて曲順変更や抜き差しを行う程度にしておくのがよさそうです。


デメリットや注意点が多く挙がりましたが、「誰でもお気軽にCDJを使える」と割り切って使うにはとても便利なのがスマートフォンrekordboxアプリです。
みなさんも試しにインストールして使ってみてください。
次回はPC/MacのrekordboxをLAN接続する方法について解説します。


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