CDJセットを使ってみよう! その1 USBメモリ編

はじめに

札幌市を中心に北海道全域への業務用CDJセットレンタルを行なっている、小規模音楽イベント専門の音響屋、ミライノオンガクです。
札幌を世界最強の音楽都市に、北海道を世界最強の音楽アイランドにするべく、日々活動しております。

札幌市白石区役所の地下にある「白石まちづくりイベント広場」にて、公共空間でのDJイベントを公開練習形式で行なっております。
初心者のとりあえず触ってみる〜歴戦のDJの本番前チェックまで大歓迎のイベントです。
そこでCDJ-900NXSを利用する際によく引っかかる点やご紹介している機能などを、noteという形で公開することにしました。
CDJ-900NXSで利用可能なDJ用メディア(USBメモリ、スマートフォン、PC、CD)からひもといていきます。第1回はUSBメモリ編です。

Pioneer CDJ-900NXSってどんな代物?

Pioneerの業務グレードCDJプレイヤーです。DJに用いる楽曲を再生します。
「CDJ」と名乗ってはいますが、USBメモリ/SSD/HDD・スマートフォン・PC/Mac・(もちろん)CDからの楽曲再生に対応しています。
ミライノオンガクではCDJ-900NXSを2台、DJミキサーを1台(Reloop RMX-60)を用意しております。

本格的なクラブではCDJ-2000NXS2が業界標準として用意されています。900NXSはその1個下のグレードとなります。
機能比較をみてもらえばわかるように、2000NXS2と900NXSにそこまでの差はありません。900NXSを扱えるようになれば、ハコで2000NXS2を操作するときにも困らないはずです。

具体的な操作は、DJコントローラーを用いたPCDJとあまり変わりません。
DJ用メディアに楽曲ライブラリを用意してしまえばあとは練習するだけです。

CDJ-900NXSで利用できるメディア

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CDJ-900NXSでは2つの動作モードがあります。(公式な名称ではないですが)
・CDJモード: CDJ-900NXS内で楽曲を読み込み/再生
・PCDJモード: PC/MacのPCDJソフト内で楽曲を読み込み/再生、CDJ-900NXSでコントロール/音声出力
今回はCDJモードで用いることのできるメディアについて解説していきます。

CDJモードで再生できる楽曲ファイル形式

AAC, AIFF, WAV, MP3
CDJ-900NXSはALAC, FLACには対応していません。rekordboxへのインポート前に手動で変換する必要があります。
(iTunesではデフォルトでALACになっているようなので注意)
AACの256kbps(iTunes Storeでの"高品質"設定)での以上ならまず気にならないはずです。MP3は大音量で流すと劣化が明確にわかってしまうのでオススメできません。

USBメモリを使うには

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必要なもの
・PC/Mac
rekordboxソフトウェア(無料)
・USBメモリ

メリット
・コンパクト
・接続時のエラーが出にくい
・転換がやりやすい

デメリット
・紛失しやすい
・事前に書き出さなかった楽曲は利用できない
・エラー対処にPCが必要になる

32GB程度のUSBメモリを使用する、ごく一般的なスタイルです。
PC/Macからお手持ちの楽曲データをUSBメモリに転送するだけです。
SSDやHDDでも同様です。ただしHDDは電力供給や読み込み速度に難があるため、オススメはしていません。

エクスプローラー/Finderで楽曲ファイルをそのまま放り込んでもいいのですが、Pioneer rekordboxというDJ用楽曲管理ソフト(無料)を利用すると、BPMやキーの解析などが利用でき、より確実かつ便利になります。(PCDJ用ソフトのrekordbox DJとは同じアプリですが別物です)
rekordboxのインストールと初期設定を含めて解説していきます。他のメディアでも共通します。

まずはUSBメモリを2本用意しましょう。(後述しますが1本でもOKです)
お手持ちのものでも余り物でも動作はしますが、Transcendのスライド式USBメモリが一番確実です。32GBあればまず困ることはありません。
紛失防止のために…キャップ式のものは使用せず、キーホルダーをつけたり名前を書くなどしておきましょう。
(ミライノオンガクがプレ開業して半年ほどですが、すでにいくつもの身元不明USBメモリやキャップが溜まっています…)

購入したらUSBメモリ自体をFAT32でフォーマットしましょう。exFATやNTFSは使用できません。よくわからない人もやっておきましょう。
Windowsの場合
Macの場合
2本のUSBメモリはそれぞれ「DJ01」「DJ02」のように名前をつけておくといいですね。全角文字を使うとトラブルが起きやすいので半角英数字を使いましょう。

rekordboxをインストールしましょう。
無料の楽曲管理ソフトrekordboxと、有料のPCDJソフトrekordbox DJ、ややこしいことに同一のアプリとなっています。
今回使用する楽曲管理ソフトrekordboxは「rekordbox無印」とか「EXPORTモード」と呼んで区別することが多いです。
インストール時にrekordbox DJのほうを無料体験する選択肢が出てくるかもしれませんが、今回は不要なので無視しましょう。

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rekordboxを起動したら、楽曲ライブラリをインポートしましょう。
iTunesユーザーの人はiTunesアプリ→環境設定→詳細で「iTunesライブラリXMLをほかのアプリケーションと共有」を有効にしましょう。rekordboxでiTunesのライブラリをそのまま利用できます。Catalina以降の方はこちらを参照してください。
iTunes/ミュージックアプリ以外を利用している方はフォルダごとぶちこみましょう。

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左のタブでiTunes→すべての楽曲と入り、右側のブラウザで全曲を選択(Ctrl/Command+a)して、右クリック→コレクションにインポートしましょう。自動で解析が始まるはずです。手動で「楽曲を解析」を選んでもOK。
1曲あたり10秒ほどかかるのでしばらく放っておきましょう。
解析を行った楽曲は、
・BPMとキーの自動判別
・↑を利用した曲選びのレコメンド
・CUEの事前打ち込み
が可能になります。

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解析が終わったら書き出し用のプレイリスト=セットリストを作成しましょう。曲を選び、曲順を決め、繋ぎのポイントの見当をつけます。
初めてセットリストを作るのでしたら30分枠を想定するとよいです。
すべての曲を通しで使うわけではないので、1.5倍=45分ほどの尺になるよう楽曲を選ぶといいですね。
次によさそうな曲をリストアップしてくれるTraffic Light機能を活用しましょう。現在選択してる楽曲とBPMが近くてキーの相性が良い曲に色がつきます。

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rekordbox無印にも簡易的ですがPCDJ機能がついています。実機で繋いだときのイメージをするのにとても役立ちます。

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曲を選び、曲順を決め、簡易PCDJ機能で繋ぎのポイントを見当つけ、30分枠にだいたい収まりそうなところまで行ったら、さっそく2本のUSBメモリに書き出しましょう。楽曲ファイルが対応形式になっていることをお忘れなく。

あとは書き出したUSBメモリをCDJにセットするだけです。
ミライノオンガクのCDJセットはUSBメモリ1本だけで2台のCDJから再生できるようになっています。
その解説は、さらに便利(かもしれない)なスマートフォンを使用する場合の解説と併せて次回にしたいと思います。



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