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ハウス内環境と設備の動作モデル事例 (2021年3月10日)【農業】

ある農園のハウス内環境の変化と設備の動作モデルを見てみます。
設備の動作とそれによる栽培環境の変化を見ることでどのような設備の動作モデルが適切かを考えています。
今冬の環境制御の参考にするため昨シーズンのデータを見てみます。(2021年3月10日)

この農園のハウスは環境制御関連の設備としては、暖房機、天窓、側窓(上・下)、カーテン2層(保温、遮光)、CO2施用装置は入っていませんが、代わりに家庭用ファンヒーターを使ってCO2濃度を調整しています。軒高3m、間口8mの約1,000㎡のトマトハウスです。
(場所:兵庫県姫路付近、晴天)

2021年3月10日の1日の状況を見てみます。
まず温度・湿度のグラフから。

温度は最低温度を15℃に設定しているため、夜間温度は15℃付近で維持されています。下のグラフの暖房機(HKバーナ)の動きを参考にしていただければわかりやすいですが、夕方18時から朝の8時00分まで暖房機が継続的に稼働しています。これにより昼間は16~24℃、夕方から朝にかけては15℃の温度管理ができておりDIFは8℃程度となっています。

また湿度については昼間の湿度は60~70%、夜間は70%くらいとなっています。

暖房を継続的に稼働させ続けることで夜間の湿度をできるだけ高くしないようにしています。夜間においてはカーテン(保温)を閉めてハウス内空間を狭くして暖房機の燃料代を削減しています。

飽差については光合成が活発な昼間で6~10g/㎥と適切な範囲で推移しており乾燥気味になってきており、気孔の開度指数も若干低下してきている状況にあります。

CO2濃度については朝の9時半~10時ごろにファンヒーターを動かしてCO2濃度を高く600ppm付近まであげ、その後は天窓を35%だけ開いた状態で日中の最低ラインとして400ppm付近で維持しています。

飽差が6~10g/m3と少し高めですが適正な状態で、CO2濃度も600ppm~400ppmを維持しているので日中の光がしっかりある時間帯はカーテン(遮光、保温とも)を開けて光を取り込んで光合成を促進させていますね。

カーテンについては光合成が盛んな日中は開けてしっかりと光を取り込み、夜間においてはカーテンを閉めてハウス内空間を狭くして暖房機の燃料代を削減しています。


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