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植物の生長 ~生長と成長~ (農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。今日は栽培の基本的な話です。
植物が育つことを生長と言います。この生長には「栄養生長」と呼ばれるものと「生殖生長」とよばれるものの2つがあります。 茎や葉を伸ばして植物体を大きく育てる「栄養生長」と次の世代を作るための器官である花や果実を育てる「生殖生長」です。

ちなみに「成長」と「生長」の違いは特に明確に使い分けされているわけではありませんが、国語辞典のなかには,生物の体が大きくなることを一般的に「成長」といい,植物などがのびて大きくなることを「生長」といって,表記を2種類に区別 するものもあるようです。
実際、農業や植物関係の専門的な書籍では「生長」という感じがよく使われています。

ホウレンソウやキャベツ・ハクサイなど葉を収穫する葉菜類では栄養生長だけを意識していればOKです。できるだけ栄養成長側に傾けて葉の生長を促進することが大事だからです。しかしトマト、ナス、きゅうりなど果実を収穫する果菜類では栄養生長と生殖生長の両方がなければ収穫に結びつきません。1つの樹からたくさんの実を収穫するためにはしっかりとした体を作る必要がありますので栄養生長も重要なのですが、トマト、ナス、きゅうりなど果菜類では実が収穫物ですので、しっかりと花を咲かせ実をつけさせることが重要です。つまり果菜類では生殖生長も栄養生長も両方ともをバランスとよく育てることが大事です。

実はこの2つの生長にも光合成によって養分を作る働きとその流れが大きく影響しています。栄養生長が行われている時は葉で作られた光合成産物は主に茎や根に送られます。そのため茎・根が成長するのですが、この生長が過剰になった状態が過繁茂です。一方、生殖生長が始まると光合成産物のほとんどが花や果実に送られその生育に使われるようになります。その結果、茎・葉の成長が抑制されます。この状態が進行すると草勢の低下という状態になります。

果菜類では光合成産物を実、葉、根、茎にしっかりとバランスよく配分することで、長期の栽培が可能となり連続的に収穫をすることができます。

生殖生長、栄養生長のバランスは温度、湿度、CO2、光量、潅水量など光合成各要素を調整しながら行われます。

農家の方がふつうに行っている栽培というのは実は非常に奥深いですね!

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