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ハウス内環境と設備の動作モデル事例(2020年12月8日)

ある農園のハウス内環境の変化と設備の動作モデルを見てみます。
秋の環境制御の参考にするため昨年のデータを見てみます。(2020年12月8日)
この農園のハウスは環境制御関連の設備としては、暖房機、天窓、側窓(上・下)、カーテン2層(保温、遮光)、CO2施用装置は入っていませんが、代わりに家庭用ファンヒーターを使ってCO2濃度を調整しています。軒高3m、間口8mの約1,000㎡のトマトハウスです。
(場所:兵庫県姫路付近)
2020年12月8日の1日の状況を見てみます。

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温度は最低温度を15℃に設定しているため、夜間温度は15℃付近で維持されています。下のグラフの暖房機の動きを参考にしていただければわかりやすいですが、夕方18時45分くらいから朝の8時くらいまで暖房機が継続的に稼働しています。これにより昼間は23~24℃、夕方から朝にかけては15℃の温度管理ができておりDIFは10℃程度となっています。
また湿度については昼間の湿度は70~80%といい感じですが、夕方18時ごろの一時期は湿度は90%となりどうしても高めになってしまっています。
しかし暖房を継続的に稼働させ続けることで夜間の湿度をできるだけ高くしないようにしています。

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そうしたことで飽差については光合成が活発な昼間で3~6g/m3の適正な範囲内で推移しています。

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CO2濃度については朝の9~10時ごろにファンヒーターを動かしてCO2濃度を高め、その後は天窓は25%だけ開いた状態・側窓は少しだけ開け閉めしながら外気を取り込むことで400ppmをギリギリ維持しています。

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日中の光がしっかりある時間帯にカーテンを開け光を取り込むとともに、飽差が3~6g/m3と適正な状態で、CO2濃度も550ppm~400ppmを維持しているのでしっかりと光合成をしている状態にあると思います。

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カーテンについては光合成が盛んな日中は開けてしっかりと光を取り込み、夜間においてはカーテンを閉めてハウス内空間を狭くして暖房機の燃料代を削減しています。
11月初旬には夜間の高湿度状態を解消するため、夜間でもカーテン、天窓は少しだけ開けていましたが、12月初旬になるとカーテンは完全に閉めて燃料費削減の方を重視しています。(天窓は25%だけ開いています。カーテンは完全に閉まっています)

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この農園のハウスのカーテンは透湿性があるものを使っているためカーテンを閉めていても、カーテンの下部から上部に水蒸気が抜け少し開けている天窓から水蒸気を抜くことができます。
高湿度状態が続けばカビ病が発生しやすくなるため、こういった微妙な設備の動作モデルが非常に重要となります。

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t.ogawa19720117@gmail.com







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