見出し画像

農業ハウスを建設する際に② ~農園の全体レイアウトを考える~

土地に関する事前調査が終わったら次はハウスのレイアウトを考えていきます。ハウスのレイアウトといってもハウス内だけのレイアウトではなく、農園全体のレイアウトを設計していく必要があります。
レイアウトを考える際のポイントは植物にとって最適な環境づくりとともに作業の流れをしっかりとイメージして効率の良い導線を考えることです。そのためにはハウスが立ち上がったあとの農園運営のイメージをより具体的に思い浮かべ、苗や資材はどこから搬入し、栽培管理作業はどのような流れで行い、収穫作業、出荷作業、車両の出入りなども思い描けるものはすべて思い浮かべて具体的に考えるようにしてください。

●ハウスの向き

建設予定地にハウスをどのように配置するかを考えていかなければなりませんが(全体レイアウト)、栽培の側面から考えると畝の向きは南北にするほうが日射が午前中は東から、昼頃には真上から、午後になると西側から、一日中満遍なく全株に平均的に当たることになり栽培の均一化につながります。東西方向に畝を配置すると一番南側の畝には日射は多くあたりますが2番目以降の畝には南側の樹の影がかかり日射量は減少してしまいます。特に太陽の高さが低い早春や晩秋は野菜の生長に影響が出てしまいます。その結果、南側の畝の株との成長に差が生じ成長の均一化が図れなくなります。東西畝にする場合は背の高い野菜を北側にするとか、畝幅や通路を広く取って影ができにくくするとかの工夫が必要になります。

ここから先は

1,384字 / 4画像

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?