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私たち若手が考える、「ミライの霞が関」

「若手が考えるミライの霞が関プロジェクト」の概要

 はじめまして。私たちは、霞が関の各省庁の若手職員有志のグループです。
“霞が関を国民のためにもっとよい政策を作れる場所にしたい”、
“そんな「ミライの霞が関」を創っていきたい”

という想いで、今回、「若手が考えるミライの霞が関プロジェクト」を始動しました。

 霞が関は、「遠くて、よく見えない場所」と、多くの方は感じているかもしれませんが、私たちは、皆さんの生活に関係する国の政策を作っています。政策自体も多くの方と一緒に作っていきたいですし、この「ミライの霞が関」を作るプロジェクトも、私たちの独りよがりにならないように、できるだけ皆さんと一緒に進めていきたいと考えています。
 私たちの考えていることや活動を、色々な方に知っていただいて、フィードバックをいただいたり、応援をいただいたり、つながっていければとても嬉しく思います。

<私たちの想い>
 私たちは、世の中をより良くしたいという想いを胸に、行政官を志しました。
 でも、今、私たちには、入省した際から抱いてきた社会の役に立ちたいという志が果たせてないのではないかというもどかしさがあります。

 国民の皆さんのニーズに沿った本当に「よい政策」をつくるために、そして、こうした政策をしっかり皆さんのお手元にお届けするために、政策を考える私たちは、もっと多くの現場の声を聞いたり、ちゃんとしたデータを集めるなどして、皆さんの生活や仕事などの状況や政策を作る上での課題を正確に理解する必要があります。
 このように、実態や課題をちゃんと理解した上で、課題を解決していくための制度や予算などの政策を考えるようにしていきたいと思っています。
 また、政策を考える時も、独りよがりにならず、色々な立場の人と一緒に考えていけたら、もっと皆さんに理解と納得をしてもらえる政策を作れるのではないかと思っています。
 私たち自身も、今は、1日の多くの時間を霞が関の仕事に使っていますが、もう少し家族の一員として、あるいは地域などコミュニティの一員として、一人の生活者としての経験もしながら、もっと生活者の気持ちを理解できる行政官になっていきたいと考えています。

 図2

 政策というのは、法律案などのルールを作ったり、強制的に集める税金や社会保険料などを使うので、望まなくてもこの社会のすべての方がお客さんになります。企業が売っている商品は、選んでお金を払ってくれた人がお客さんになってお金を払います。選ぶお客さんがいなくなれば、自然とその商品はなくなるでしょうし、場合によっては企業そのものもなくなっていくでしょう。
 でも、霞が関で作っている政策は、法律案にせよ、予算にせよ、売ってみて選んでもらうことができないし、評判がいまいちでも自然に淘汰されるわけではなく、止めるためには国の意思決定が必要になります。
 だからこそ、お客さんたち、つまりこの社会で暮らしている皆さんのことをちゃんと理解するために、私たちが積極的に現場の声を聞いたり、実態を正しく把握する努力をしないと、「これじゃない」と思うような政策を作ってしまうかもしれないし、ニーズが乏しくなった政策をやめることも難しいのです。

 そうやって、政策をつくる現場にいる私たちと皆さんの距離をもっと近づけて、たくさんある社会課題を本当に解決できるようになっていきたいと思います。そのために、霞が関の「人と組織の改革」を進めて、様々な業種の方とこれからの日本について、立場を超えて一緒に作っていきたいと考えています。

<プロジェクトが目指す「ミライの霞が関」>
 私たちは、長期的かつ広い視野で、実態に沿った解決策を企画・実施する、「ミライの霞が関」を目指します。
 20年後、30年後も豊かな日本を創るために、社会が抱える課題を設定・分析し、その解決に導く選択肢を考案するためのコーディネーターとして、企業やNPOなど、関係する方々と協働し、解決策を実現する役割を担いたいと考えています。

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<「ミライの霞が関」の実現に向けて取り組んでいくこと>
 政策立案・実行に集中できる「ミライの霞が関」を創っていくため、私たちは、霞が関の「人」と「組織」のアップデートを目指します。
 具体的には、下記のような取組を実現したいと考えています。
① 霞が関の人材の多様化(官民交流の拡大、データ分析等の研修の充実等)
② 未来志向の組織づくり(行政が保有するデータの利活用の促進、中長期的な政策を企画・立案する組織を各省で設置等)

 そのために、私たちは、未来志向の官民連携を進める活動に取り組んでいきます。
 具体的には、20年後、30年後の社会経済システムを考案するためのあらゆるセクターを巻き込んだ勉強会や、こうした勉強会の成果等を発信し、誰もが気軽に勉強したり議論したり出来るようなオープンな場づくりを企画・検討しています。
 このような本当に必要なことに時間を使えるようにするために、まずは霞が関の働き方改革に取り組む必要があると私たちは考えています。

河野大臣への提言

 本日、河野行政改革担当大臣に、私たちが目指す「ミライの霞が関」と政策立案・実行に集中出来る時間を捻出するための提言を行いました。

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 大臣に特にお伝えしたのは、「職種・階級別に、業務ごとの所要時間を把握する詳細な労働実態調査を行っていただき、その結果に基づいた各省横断的な働き方改革を先導していただきたい」ということです。
 長時間労働の原因を特定し、更に有効な働き方改革の取組を推進するためには、民間企業の業務改善で一般的に行われているような詳細なタイムライン調査を行い、「業務の見える化」を行うことが重要だと考えます。

 そして、業務の全体像を明らかにした上で、それぞれの業務の必要性や所要時間に応じて、①必要性の低い業務は廃止、②必要性は高いが、職員以外でもできる業務はタスクシフト、③必要性は高く、職員が行うべき業務は省力化、と3つの大きな方向性に沿って働き方改革を進めていくことに意義があると考えます。

 なお、試行的に、私たちが入省1~3年目の若手職員を対象にアンケート調査を行ったところ、1週間に占める業務のうち、約6割がバックオフィス業務であり、その多くを、総括業務と庶務業務が占めていました。

図4

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(※)2020年10月26日-10月30日において、中央官庁で働く若手職員(入省1~3年目)の職員を対象としたアンケート調査を実施。業務内容を20項目に分類し、30分ごとに記入(回答数13名)。
総括業務(課の窓口・ハブ機能として、関係各所からの全ての発注に対して、目的や期限等を確認し、課内の担当者に発注して工程管理を行い、最後に平仄を揃えて発注元に提出する業務がメイン)
庶務業務(閣議や関係者への説明資料の印刷・ホチキス止め、打ちあわせの日程調整やタクシー券の発行等)

 このアンケート結果を踏まえて、入省1~3年目の若手職員の業務負担を軽減し、より政策立案・実行に集中出来る組織にするための具体例として、下記をお伝えしました。
・必要性の低い業務の廃止として、官邸での会議資料や国会答弁者の手持ち資料のペーパレス化
・必要性は高いが職員以外でもできる業務のタスクシフトとして、定型業務の外部への委託や雇用条件の向上による事務処理能力の高い人材の採用
・また、必要性は高く職員が行うべき業務の省力化として、フォーマット化やクラウド化による発注作業及び提出作業の効率化

図6


 既に各省ごとに積極的な働き方改革が進んでおり、各省の取組があってこそ、私たちの日々があります。それらの取組に感謝しつつ、私たちは、それらをより省庁横断での取組へと変えていけるように、しっかり取り組んでいきたいと思っています。
 河野大臣も、私たちの声をあたたかく受け止めて、変えていくと言ってくださいました。トップダウンで偉い人に変えてもらおうというだけでなく、私たち自身もそれぞれの職場から、ボトムアップで働き方改革に取り組んでいきます。
 この活動に興味を持ってくださった方は、ぜひTwitterのDMにて、ご連絡いただけると嬉しいです。

  「ミライ」をつくっていく一員として、ぜひ皆で一緒に議論していきましょう!


提言内容全文はこちらから↓