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ロシア、クリミア攻撃なら「あらゆる武器で反撃」~日本はNATO?~【日経新聞をより深く】

1.ロシア、クリミア攻撃なら「あらゆる武器で反撃」

米政府が3日、地上発射型小直径弾(GLSDB)と呼ぶ長射程ロケット弾のウクライナ供与を決めた。ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)は4日、ロシアが一方的に併合したクリミア半島などが攻撃されれば「あらゆる種類の武器」で反撃する用意があると述べた。

SNS(交流サイト)で公表したインタビューでの発言。核兵器使用の可能性も排除しない考えを示した脅しで、ウクライナによるクリミア攻撃を強くけん制する狙いとみられる。GLSDBは射程が約150キロメートルとこれまでに供与した兵器の約2倍で、ロシアが2014年に一方的に併合した南部クリミア半島が射程に入る。

ウクライナのゼレンスキー大統領は3日の記者会見で、ロシアによる軍事侵攻で激戦が続く東部の交通の要衝バフムトについて「できる限り戦う」と述べた。ポドリャク大統領府長官顧問も3日、スペイン紙に「我々の生まれた家々」のあるバフムトから撤収することはないとした。

ロシア軍は東部のドネツク、ルガンスク2州の全域占領をめざす。ドネツク州バフムトの攻防が当面の焦点だが、戦局全体を左右することはないとされる。双方とも多大の死傷者を出し、ポドリャク氏は「最も高い代償を払っている」と認めた。一方、米紙ニューヨーク・タイムズは欧米高官の話として、ロシア軍の死傷者数が22年2月の侵攻開始以降で20万人に近づいていると報じた。

ウクライナはロシア軍が2月中にも大規模な攻勢に出ると警戒しており、攻勢を前に消耗させる狙いがあるようだ。ゼレンスキー氏は3日夜に「前線の状況は厳しいままだ」と述べ、「(兵士が)陣地を守る任務を明確に、完全に果たしている」と語った。

ウクライナはロシアの軍事攻勢に耐えた後、欧米の軍事支援を得て、東部と南部の全占領地の奪還に向けた反転攻勢に出る戦略だ。3日には欧州連合(EU)とキーウ(キエフ)で首脳会談を開き、23年にウクライナ兵3万人が訓練を受けるなど軍事や財政面での支援強化で合意した。

(出典:日経新聞2023年2月4日

2.中国他のロシア支援

ウォールストリートジャーナルが中国がロシアの軍事支援となる部品等を輸出しているということを報じました。

中国はロシアへ、商業用と軍事用の両方の用途を持つ製品であるデュアルユース製品として輸出しています。

さらに、輸出規制されている製品の多くは、トルコやアラブ首長国連邦などの国々を経由してロシアへと出荷されています。

ロシアは戦争継続のために必要な部品、半導体などを手にすることができており、決して制裁によって、弱っているということではなさそうです。

西側から見れば、ロシアへの経済制裁に同調しない国は「悪」と見えるのかもしれません。しかし、ロシアにも西側にも組しない中立国も多く、世界中がロシアを「悪」と見ているわけではありません。

もはや、ロシアとNATOとの戦いとなっているといっても良いこの戦争でロシアが勝利すれば、戦後、西側についてロシア制裁をしていた国は、立場をなくしてしまいます。その最たる国が日本ではないでしょうか。

3.日本はNATO?

日本はロシアに対する制裁を強化しています。技術製品の輸出を禁止し、ロシアの高官、ビジネスマン、企業が所有する資産を凍結すると発表しました。個人36人、組織52を対象としています。そして、49の日本の団体に対し、「軍事力の強化」に利用できる物品のロシア向け出荷を禁止しました。

日本は次のG7(先進7カ国会議)の議長国であり、欧米の同盟国と歩調を合わせ、ロシアへの圧力を高めています。

日本は明確に西側の一員であり、反ロシアの国です。

そして、NATOのストルテンベルグ事務総長が来日し、岸田首相と会談しています。

日本の報道ではNATOと日本の連携強化としか報じられていないように思いますが、外務省のホームページでは以下のことが記されています。

日・NATO関係
(1)岸田総理大臣から、日本の国家安全保障戦略の概要を説明し、ストルテンベルグ事務総長から、同戦略の策定に対して支持の意が表されました。
(2)双方は、予断を許さないウクライナ情勢やインド太平洋情勢を踏まえ、「自由で開かれたインド太平洋」の実現を含む法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化のため、日・NATO協力を更なる高みに引き上げていくことを確認しました。具体的には、サイバーなどでの協力を一層に進展させること、さらに、安全保障の裾野が広がる中、重要・新興技術、宇宙、偽情報などの分野でも、今後協力していく重要性を再確認しました。
(3)岸田総理大臣から、NATOがインド太平洋地域への関心と関与を深めていることを歓迎し、こうした関係の緊密化を踏まえて、独立したNATO代表部を設置する意向を伝えました。また、岸田総理大臣から、NATO理事会会合やNATO参謀長会合への日本の定期的な参加の意向を伝えるとともに、日・NATO間の緊密な意思疎通を推進していくことを確認しました。

外務省HP/岸田総理とストルテンベルグNATO事務総長との会談

ロシアのメディアRTでも同様のことを報じています。

ロシア側からみると、日本はNATOの一員とみなされてもおかしくありません。

ロシアが日本を実質的にNATOの一員とみなす場合、ウクライナと同様に、日本はロシアと国境を接した最前線です。遠く離れた米国と違います。

ましてや中国とロシアが接近していれば、日本の置かれている状況はさらに深刻になります。

世界の中での日本の立ち位置は、しっかりと考えなければならないのではないでしょうか。

未来創造パートナー 宮野宏樹
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