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盲目的な米国株投資には危惧しています

2024年から新NISAも始まり投資に関心が寄せられています。

2024年初頭の世界の株価時価総額106.6兆ドル(1京5500兆円:23年12月末:米国が50兆ドル[7250兆円]、日本は830兆円)と現在の不動産価格は、2020年から22年の「コロナ対策費のマネー増発(1400兆円)」が元になったバブルでしょう。

多分、米国株の株価の30%部分はバブル。場合によっては50%かもしれません。

【CAPEレシオ(シラーP/Eレシオ)から見る今の株価】

CAPEレシオ(読み方:けいぷれしお)とは、ノーベル経済学賞を受賞した米国のロバート・シラー氏が考案したPER(株価収益率)の一種で、株価の割高・割安を計るバリュエーション指標です。シラー氏が考案したことから「シラーPER」とも呼ばれています。CAPEレシオは過去10年間の実績利益の平均値に物価変動を加味して計算されます。

株価の割高・割安のバリュエーション(企業価値・株価の評価)を計る株価指標としては「PER(株価収益率)」が有名です。PERは当期純利益を基に計算するEPS(1株当たり利益)を用いて算出されますが、単年度に変動が大きくなることがあります。

一方、CAPEレシオは過去10年間の実績利益の平均値に物価を加味した1株当たり利益を基に計算する指標であるため、単年度に変動が大きくなるような一時的要因や景気循環の影響を受けず、実質的な株価の割高・割安を計れる指標です。

通常のPERは、S&P500構成銘柄の過去12か月分の利益を用いて算出されます。景気拡大局面は企業は高い利益率と収益を上げますので、PERは低くなり、不況(不景気)の局面はその逆で低利益率・低収益でPERは高くなります。

過去PERはリーマンショック時の2009年に123倍をつけました。過去の平均が15倍程度ですので、それをはるかに上回る数値です。PER123倍は超割高ですので、これを見ていると株式の購入時期ではありませんが、歴史的にはこの時期は最適な株式投資の時期でした。一方、CAPEレシオは同時期に13.3倍程度で過去数十年の最低水準をつけており、株式投資に最適な時期であったことを正確に示していました。

CAPEレシオ(シラーPER)は過去10年間のS&P構成銘柄の年間の実績利益と消費者物価指数(CPI)を使用してインフレによる過去の利益を調整して計算されています(ドルベース)。過去10年間の調整値を平均して算出され、CAPEレシオはこの平均値に対するS&P500の比率に等しくなります。

CAPEレシオは株価の暴落、急落の前兆を示す指標として注目されています。非常に注目度の高い指標です。

米国株のS&P500(500社の株価の加重平均)の平均CAPEレシオの中位値は15.69倍ですが、2024年1月10日現在は32.6倍です。

CAPEレシオは24倍を超えるあたりから警戒水準と見られます。崩壊の時期までは特定できませんが、2年から3年の幅をとれば確実な崩壊があります。

2010年から世界のディスインフレとゼロ%付近への金利の低下、マネー増発を主因にCAPEレシオは14倍から32倍に上がっています。

金融が正常化に向かえば、たぶん2年で15倍から20倍付近に戻るでしょう。これは、株価が1/2に下がることと、リーマン危機のような15年サイクルの金融危機を意味します。

【新NISAはブラックロックのためにある?】

世界最大の資産運用会社のブラックロックのCEOラリー・フィンク氏は来日して、岸田首相とは迎賓館で夕食会を開いています。

簡単に言えば営業に来たわけです。岸田首相は資産運用立国を掲げ、海外の運用会社の参入を促しています。日本人に米国投資を促すということが多分に含まれています。

そして、かなりの日本人が「S&P500」を買っておけば、いずれ資産は膨らむと信じているように見えます。投資信託で投資を始めるなら、S&P500だと言わんばかりに。

しかし、冷静に見ると、米国株はバブル的水準です。さらに、万が一トランプ氏が大統領復帰となれば、円高もかなりの水準の可能性もあります。

米国株式への投資は高いパフォーマンスを期待できる、S&P500を積み立て投資で買っておけば安心、そういった幻想は横において、自分の頭で考えることが重要な気がします。

米国株に対して、過剰な期待を抱いていると、痛い思いをする日本人が増えるのではないかと危惧します。

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