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金に注目せよ。投資としても、金融の動きとしても。③

(出典:円の金価格/田中貴金属HP,ドル金価格/TRADING ECONOMICSより筆者作成)

円安は止まっていません。円安のため、金価格もドルベースより円ベースの方が上昇しています。円の下落をカバーする意味でも金は貢献してくれる可能性があります。もちろん、円高になれば下落しますが、金そのものはドルベースでも上昇を続けているので、円価格では下がったように見えても、ドルベースで上がっていれば、円高分をカバーしてくれます。

金価格が上昇するということは、通貨の価値が下落しているということです。

円の実質実効為替レートは大きく下落しており、1971年レベルとなっています。実質実効為替レートとは世界の通貨(現在は64カ国)に対して円の相対的実力を表したものです。名目実効為替レートにインフレ率を考慮した指標です。

(出典:BISホームページより筆者作成)

円の弱さは際立っています。日銀が政策を変更したとはいえ、政策金利は0~0.1%と、米国の5.25~5%には程遠いものがあります。

ただし、ドルへの資金の避難も考える必要があります。それは、世界では脱ドル化の現象も起きており、貿易でのドル比率は下落し、外貨準備高におけるドル比率も下落しています。

また、日本はドル国債を世界一保有しており、外貨準備でのドル比率も高い。世界で最も多くのドル資産を保有しているのが日本です。その為、日本国民であるということは、ドル資産を世界一持つ国の国民であるということです。その為、国と同じくドル資産を持つということは、万が一、ドルが世界の基軸通貨の地位を失う、あるいは国債のデフォルトなどのリスクが発生すれば、巻き込まれることは必至。そのため、個人でドル資産に偏った資産状況であれば、万が一のヘッジにはなりません。

しかし、金への投資は、ドルとは反対報告に動く資産を保有するということになりますので、ドルからのヘッジと言えます。

日本円の弱さ、そして、ドルのリスクからの回避、この両面からも金への投資は、自分の身を守ることになるのではないでしょうか。

経済成長率はバブル崩壊の1990年代から世界の平均に追い付くことはなく、下回り続けています。もちろん、高成長の国もありますから、先進国となった日本が同じ成長率となるのは難しいかもしれません。しかし、次の二つのグラフを見ると、大きな衝撃を受けます。

(出典:IMF資料より筆者作成)

1980年を100とした場合、物価の動きは日本は2023年で144.7、一方世界は5643.6です。日本のデフレの影響は甚大だったと言えるのではないでしょうか。

(出典:TRADING ECONOMICSより筆者作成)

1970年を100とした場合の日本と米国の差も開いています。日本は1970年を100とした場合350.21、米国は811.71です。

政府、日銀の動きは円安を本気で是正する動きではありません。やはり、未だに円安が経済を持ち上げるために必要なことだと思っているのでしょう。

しかし、通貨安は国力を削いでいます。今の株高も円ベースでの金価格の高騰も、通貨安の表れだと考えます。

金への投資は、ヘッジであり、金の動向を見るのは、通貨の価値を見ることといえるのです。

今後も金価格に注目し続けます。

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