新しい仕事への対策3選

■新しい仕事とは？
　新しい仕事を任されると、成果を上げるまでに時間がかかることがあります。慣れ親しんだルーチンワークのような仕事をするのではなく、新しい仕事はスムーズに進まないのは当然です。ここでいう新しい仕事というのは、転職をして新しい職場に移ったり、部署が変わって新しい業務を担当することになったり、これまでと異なるクライアントと仕事をしたり、新規のプロジェクトに携わるというようなことを想定しています。現代のように変化の激しい状況では、 多くの人が何らかの形で新しい仕事に直面するということが多いのではないでしょうか。そして、新しい仕事で成果をあげるというのは簡単ではありません。 ですから、これさえやっておけば必ず成功するという法則はありません。しかし、これまで50以上のプロジェクトに携わってきた経験から、こうすれば新しい仕事において成果をあげられる可能性が高くなるという方法があります。今回は新しい仕事において成果を出すための3つのポイントについてお話をしてきたいと思います。

■対策3選
①ゴールを絞り込む
　新しい仕事で成果を上げるための一つ目のポイントというのは、やるべきことを絞り込むということです。 なぜやるべきことを絞り込む必要があるのかと言うと、成果を上げやすくなるからです。新しい仕事では、早めに成果を上げて自分のパフォーマンスやスキルを回りに理解してもらうことが必要です。特に、社会人経験を何年も積んでいる人が転職したり、新しい部署に異動したりという時に、早めに成果を上げるというのはとても大切なことです。成果を上げることで、周りから仕事を任せてもらいやすくなりますし、 自分自身も積極的に仕事に取り組むことが可能になるからです。
　逆に成果を上げるために避けるべきことというのは、あれもこれもとやるべきことを広げてしまうことです。やるべきことを広げすぎてしまうと、成果を上げる確率というのが下がってきます。そして実際に成果が上がるまで時間がかかったり、あるいは失敗ばかりが積み重なったりしてしまいます。 そうすると悪い循環にはまってしまい、その後の仕事において、成果を上げることが難しくなっていきます。ですから新しい仕事において大切なことというのは、自分がやるべき事というのを絞り込んでいくということなのです。そのためには、上司や周りの人から求められている期待というものをよく理解することが必要です。つまり期待値を上手にコントロールして、やるべき事を絞り込んでいくということが求められるのです。

②Quick and Dirty
　新しい仕事で成果を上げる二つ目のポイントというのは、Quick and Dirtyです。 Quick and Dirtyというのは、なるべく早いタイミングでこまめにレビューを受けるということです。新しい仕事をしようとすると、どうしても最終的なアウトプットのイメージができない状態で仕事を進めざる得なくなります。そのような状況において、期限ぎりぎりになってレビューをしてもらうとどうなるでしょうか？出されたアウトプットが、期待通りのものであれば問題はありません。しかし、新しい仕事言うというのは、自分がやっていることというのが、必ずしも期待に沿っているとは限りません。なぜならば、新しい仕事というのは、何を期待されているのかということを正確に把握することが難しいからです。このような時に必要なことというのは、なるべく早いタイミングでレビューをしてもらうということです。そしてレビューしてもらうときに大切なことというのは、大枠でアウトプットを作ってしまうということです。この時のアウトプットというのは、100%の品質である必要はありません。アウトプットのイメージが出来て意見のすり合わせができれば十分であるケースが多いです。このように早いタイミングでレビューをしてもらえば、修正ポイントというものがつかめます。そして時間的に余裕がある段階で修正ができるので、次にレビューしてもらう時には、さらに高い品質のアウトプットでレビューをしてもらうことが可能になります。結果として、最終的なアウトプットの品質を効率よく高めていくことができるのです。このように新しい仕事においてはQuick and Dirtyで仕事を進めるということが極めて重要です。

③結果に一喜一憂しない
　新しい仕事で成果を上げるための三つ目のポイントというのは結果に一喜一憂しないということです。新しい仕事は、すぐに成果が出るとは限りません。 それは求められていることが何かということを正確に把握することが困難だからです。ですからどうしても、成果があがらない時間というのが長くなってしまいます。このようなときに大切なマインドセットというのは、成果に一喜一憂しないということです。やるべきことを正しくやっていれば、必ず成果が上がるタイミングがやってきます。 そのタイミングまで焦らずに、やるべきことをやっていくという姿勢が必要です。結果に一喜一憂してしまうと、 新しい仕事で成果が上がらないということで、必要以上に意気消沈してしまいます。そうすると、そこから修正するまでにどうしても時間がかかります。ですから、やるべきことをしっかりと見極めて絞り込んで、Quick and Dirtyでアウトプットを修正しながら、小さな成果を積み上げていくというマインドセットが極めて大切になります。

　以上の三つが新しい仕事において成果を上げるためのポイントとなります。新しい仕事において悪戦苦闘している人は、是非参考にしてみてください。なお、三つのポイントのうちの一つ目のポイントについては留意が必要です。一つ目のポイントというのはゴールを絞り込むということでした。このゴールを絞り込むというのは、ある程度経験を積んだ人がやるべきことです。つまり社会人経験がない新卒のような状態であれば、ゴールを絞り込むということは困難です。そのような時には、与えられた仕事をしっかりとこなすという姿勢でいた方が成長できるように感じます。ただし、ポイントの二つ目と三つ目、 Quick and dirtyと結果に一喜一憂しないという姿勢は、新卒の時にも役に立つと思いますのでぜひ参考にしてください。

（第18回 2021/7/20）