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仕事の効率を上げるDRY原則

■DRY原則とは? 
 仕事をしていると毎日似たような単調な作業に時間を取られることがありませんか?こうした繰り返しの作業は、時間を取られる割には、たいして仕事の成果に貢献しません。ですから、こうした作業になるべく煩わせられないようにしたいものです。

 今回は、単調な作業を減らして、仕事の効率をあげるために必要な考え方についてお話したいと思います。この考え方は、1999年出版のアンディー・ハント(Andy Hunt)氏とデイビッド・トーマス(David Thomas)氏の著書 “The Pragmatic Programmer” (達人プログラマー)にて提唱されている考え方です。その考え方とは、DRY原則と呼ばれており、”Don’t Repeat Yourself”の頭文字からとっています。日本語では、「繰り返さない」という意味になります。

 DRY原則の本来の意味は、プログラムを書くときに同じような機能を別のプログラムとして記述することを避けて、出来るだけ一つの塊として機能を記述し、以降はその機能を参照するようにするという考え方のようです。このようにすることで、似たような機能の記述の乱立が避けられるので、プログラムの管理のしやすさやプログラム作成の効率も高まることが期待できます。

 このDRY原則は、日々の仕事にも応用できます。DRY原則を応用することで、繰り返される単調な作業が、なるべく少なくなるように仕組化していくことができます。ここからは、DRY原則を日々の仕事にどのように応用していくのかを考えていきたいと思います。

■DRY原則の仕事への応用
 DRY原則を応用できる作業というのは、定期的に発生する同じような単調な作業です。定期的な報告書などは、毎月、あるいは、毎週作成しないといけないケースが多いです。このような時に、報告書を毎回ゼロから作成すると、報告書作成に時間がかかります。しかし、報告書の作成というのは、本質的に価値を生み出す仕事ではなく、あまり多くの時間をかけるべきではありません。では、どうすれば報告者作成に費やす時間を減らせるのでしょうか?DRY原則を当てはめると、報告書のフォーマットを決めるということになります。報告書のフォーマットを決めてしまうと、毎回アップデートする内容がかなり減ります。そのことで報告書を作成する手間が省け仕事の効率が高まります。

 また、同じようなメールの送信や返信が一日に何通もある場合もDRY原則が適用できるかもしれません。メールのフォーマットを決めてしまって、そのフォーマットを使って返信することなどが対策として考えられます。また、完全に定型文を作ってしまって、特定の条件の場合には自動で返信するということまでできる場合もあります。

 更に、毎回、決まった形式でデータ入力作業が行われているような場合には、エクセルのマクロのような簡単なプログラムやRPAを使って自動化してしまうということも有効です。

 もう少し本格的にDRY原則で自分の仕事を効率化させたいという時には、次の4つのステップで効率化を考えてみてください。

①自分の仕事を洗い出す
 1週間や1ヶ月程度の期間でご自身が行っている仕事の洗い出しをします。

②繰り返される単調な作業をピックアップする
 その中で、繰り返し行われており、且つ非常に単調な仕事が無いか探してみてください。

③DRY原則を適用する
 繰り返しの単調作業をどのように無くすかを考えましょう。方向性は2つあります。定型化と自動化です。定型化は、報告書やメールのフォーマットを定型化してしまうということです。定型化することによって、ゼロから資料を作成する手間が省け、作業時間を短縮できるようになります。もう一つの方向性は自動化するということです。これには、メールの自動返信機能を使用することや、マクロなどの簡単なプログラムを活用すること、RPAを活用することなどが該当します。

④実行する
 そして、DRY原則で定型化、自動化した後は、実際に実行していくということになります。小さくはじめてみて、問題があれば適宜修正するようにすると、上手く適用ができると思います。

 以上のように、DRY原則を当てはめて、繰り返しの単調作業を減らすことはこれから益々求められると思います。なぜならば、AIやIoTが発展することで、単調な仕事いうのは、機械に置き換えられていくからです。そして、人間に求められるのは、創造性や感性が必要な仕事です。ぜひ今のうちから、繰り返しの単調作業を減らしていくことをはじめて、創造性や感性が必要な仕事の割合を増やすようにしていきましょう!

(第49回 2022/3/1)

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