見出し画像

仕事を追う人 vs 仕事に追われる人

■仕事に追いかけられるとは?
 仕事に追われる状態というものがあります。膨大な量の仕事があり、仕事をやってもやっても片付かず、長時間労働の日々が長く続くというような状態です。 そして、そのような状態が続くと仕事に対する気力がすり減っていき、健康面にも悪い影響が出る可能性があります。このような状態が仕事に追われている状態です。
 一方で、付加価値の高い仕事を短時間で効率的にこなし、気力体力ともに充実し、仕事にやりがいを感じているというような人もいます。また、長時間働いたとしてもその仕事が自分のやりがいにつながっているため、気力体力ともに充実した仕事をしている人もいます。このような人は仕事を追っている状態だといえます。このように「仕事に追われる人」と「仕事を追う人」がいるのはなぜでしょうか?今回は「仕事を追う人」と「仕事に追われる人」の違いについて3つのポイントをお話ししたいと思います。

■仕事を追う人 vs 仕事に追われる人
①提案型で進める
 まず1つ目のポイントというのは提案するということです。仕事を追う人というのは提案型で仕事を進めます。自分からこのような仕事をするということを周りに伝え、同意を得て仕事を進めていきます。自分が提案した仕事ですから、その仕事をしっかりと完成するために高いモチベーションで取り組むことができます。結果として、周りの期待値を超えるようなアウトプットを出すことも可能になります。
 一方で仕事に追われる人というのは、提案型で仕事を進めることをしません。つまり会社や上司から指示されたことをやるという姿勢です。 ですから、 仕事の進め方について自分でコントロールできる範囲というのが非常に少ないです。このような状態で仕事をすると、仕事に対するモチベーションが高まるということはあまり期待できません。ですから仕事をやらされているという感覚のまま次から次へと仕事の指示を受けるようになりますので、 気力体力ともにすり減っていくということになってしまいます。
 仕事を追う人になるためには、提案型で仕事をしていくということが必要になります。 提案型で仕事を進めるためには、会社の上司が何を求めているのかということを考える必要があります。 会社の上司が求めてることが分かればその期待を満たすために何をすればいいのかというアイデアが出てきます。そうすれば相手に対して提案するということが可能になります。
 例えば会議の設定を依頼されたとします。こんな時でも依頼者がその会議でどういう結果を得たいのかという期待値を理解することができれば、会議の設定の仕方が変わってきます。会議の目的によって、参加者、参加人数、開催の時間帯、会議の長さ、開催方法、資料の有無などが変わってくるからです。会議の目的という依頼者の期待を理解していれば、これらについて提案していくことができます。 また、提案型で仕事を進めることで仕事のアウトプットについて認識がずれることがなくなります。そのため仕事のアウトプットの品質が高まることにもつながります。

②大局観を持つ
 仕事に追われないための2つ目のポイントというのは大局観を持つということです。仕事に追われる人というのは、仕事の大局観を持っていません。ですから、次にどのような作業を指示されるのかというのがわからず、常にやらされている仕事という感覚がつきまといます。
一方で仕事を追う人というのは、仕事の大局観を把握しています。指示された作業についてだけでなく、その作業がプロジェクト全体、部署全体、会社全体にとってどのような意味があるのかということを考えます。大局観をもって仕事をしていると、自分がやっている仕事の意味というものをより理解することができます。さらに次にどのような仕事が発生するのかということも予測しやすくなります。ですから仕事をやらされている感が少なくなり、前向きに仕事を取り組むことが容易になりますし、次の仕事への心構えや準備というものもできるようになります。
 このように仕事に追われないためには、仕事の大局観を持つということが重要です。ではどれにすれば大局観を持てるのでしょうか?大局観を持つための1つの方法というのは、2つ上の職位の人が何を考えているのかということを想像することです。例えば、現在、職位のない社員だったとしたら、2つ上の職位ですので課長や部長であればどう考えるのかということを想像してみることです。つまり、部署全体が会社から何を求められていて、そのために何をしなくてはいけないのか、ということを考えてみることです。 そうすることで目先の仕事ではなく、広い視野を持って仕事の意味を考え、次の仕事を予測するということが可能になります。

③価値基準を持つ
 仕事に追われないための3つめのポイントというのは価値基準を持つということです。仕事に追われる人というのは価値基準というものを持っていません。ですから常に目の前の仕事をこなすことに追われています。このような状態では、1年経っても3年経っても同じように目の前の仕事に追われ続けることになります。
 一方で仕事を追う人というのは、 自分の価値観というものを持っています。自分の価値観というのは、自分がどのようにすれば満足できるのか、どのように生きていきたいのか、そのために仕事とはどのように関わっていきたいのかと言った基準のことです。このような価値観があると、その価値観に近づくために自分から率先して仕事や勉強に対して取り組んでいくことができるようになります。また、やるべきことや、やるべきではないことも明確に切り分けることができます。 例えば、業務時間中にだらだらと仕事をしてしまい残業時間を使ってまで仕事をするなどということが無くなります。業務時間内に集中して仕事をこなし、定時で仕事を終えて自分の価値基準に近づくために必要な準備や勉強をするというができるようなります。
 このように自分の価値基準を持つということは、仕事に追われないために非常に重要ですが、どのようにすれば価値基準を確立することができるのでしょうか?自分の価値基準を持つためには、 1日の中で5分とか10分、 週に2、3時間そういった時間を設けて、静かに自分と向き合うということが必要だと思います。そういった時間を持つことによって、 自分がどういう価値基準を持っているのかということが明確になります。さらにその価値基準に近づくために何に取り組み何を捨てなくてはいけないのかということも明らかになってきます。
 以上のように仕事を追う人と仕事に追われる人の違いというのは、提案型で仕事を進める、大局観を持つ、価値基準を持つという点にありました。最近仕事に追われているなぁと感じる人は是非参考にしていただければと思います。
(第13回 2021/6/15)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?