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仕事の生産性をあげるバックワード

■フォワードvs バックワード 
 フォワードとバックワードは仕事の進め方です。プロジェクトの計画を立てる時などに使われることがあります。フォワードは現在を起点として、必要な仕事を積み上げていって未来まで計画していきます。他方、バックワードというのは、未来のゴールから逆算して仕事を計画していくものです。フォワードとバックワード、どちらが優れているのかですが、明確な期限があってそこまでに成果をあげないといけない場合には、圧倒的にバックワードが優れています。といいますか、バックワードで計画を立てていないプロジェクトは期限までに成果をあげることはほぼ不可能だと言っても良いと思います。

 バックワードの優れている点は、得ようとしているゴールを描き、そこに向かって一直線で進んでいくことができるので、成果をあげやすいということです。アマゾンにおいてはサービス開発において、バックワードの手法が使われているそうです。サービスを作るはじめの段階から、プレスリリースでサービスを紹介している様子やお客さんからの質問集などを作ります。そうすることで最終的なゴールであるサービスを買ってもらうお客さんの視点からサービスの姿を描くことができます。そして、一直線にその姿に向かってサービスを作り上げていきます。

 逆にサービス開発をフォワードで進めると、市場調査をして現在の会社の強みやリソースを軸にサービスを作ろうします。そうするとお客さんの視点というものが入らず、他社と似たり寄ったりのサービスになってしまい、他のサービスに埋もれてしまうことになりがちです。このように、プロジェクトの計画やサービス開発などにおいて、バックワードというのは、強力なツールです。ここからは、このバックワードを個人の仕事に活かす方法について考えてみましょう。

■個人の仕事へのバックワードの活かし方
 バックワードを私たちの日々の仕事に活かすには、3つのポイントを押さえることが必要です。そのポイントとは、「ゴールを明確にする」、「逆算してステップを設定する」、「実行する」ということです。

①ゴールを明確にする
 バックワードにおいて最も大切なことは、未来のゴールを明らかにすることです。普段の仕事において、一つ一つの仕事で何がゴールなのかを明らかにする癖をつけましょう。上司から資料作成を依頼されたときに、バックワードで進める場合には、どのような資料を作成するかを明確にします。逆にフォワード的な進め方では、作りながら資料の構成を考えようとします。このような進め方をしてしまうと、最終的に資料を作成して提出したところで、上司から修正を指示される可能性が非常に高くなります。
 ですから、まず資料の最終的なイメージを明確にして上司と合意することが必要なのです。資料の構成であるとか、資料の分量であるとか、どのようなメッセージを記載すべきであるとか、最終的なアプトプットを上司と合意することがバックワード的な進め方であると言えます。

②逆算してステップを設定する
 何時まで、どのようなアプトプットを提示するという未来のゴールが明らかになれば、次はゴールに向けてステップを設定していきます。ゴールが達成できるように、何時までにどのような手順を踏んでいけば良いのかを明らかにしていきます。プロジェクトであれば、最終的なローンチというゴールに向けて、ローンチ準備、サービスのテスト、サービス開発、サービス設計というような形でゴールから逆算してステップを設定していきます。

③実行する
 ステップが明確になれば、後はステップを一つ一つこなしていけばよいということになります。このように、ゴールを設定して、ステップを設定して、実行するというバックワード方式で仕事を進めることによって、仕事を依頼してきた相手にとって有意義なアウトプットを期限までに提示することが可能になります。

 以上のように、バックワードというのは、プロジェクトの計画やサービス・商品開発において非常に大切な考え方です。そして、バックワードを普段の仕事で活かすことで生産性を高めることが可能になります。ぜひ、取り入れてみてください。

(第48回 2022/2/22)

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