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成果が出ない人の特徴3選と対策

■成果が出ない状態とは?

 仕事において成果が出にくい人がいます。多くの人は、やるべきことが明確で、ルーティン化されている仕事については問題なくこなすことができます。しかし、仕事の期間が長くなり、関与する人が多くなり、複雑に様々なタスクが発生するような仕事になると、成果が上がらなくなるということが多いです。 今回は、このような複雑なプロジェクトや仕事において、成果が上がらない人の特徴とその対策についてお話をしてきたいと思います。

■成果が出ない人の特徴3選

①QCDのコントロールが出来ていない 

 成果が上がらない人の一つ目の特徴というのは、 QCDのコントロールができていないということです。特に問題となるのは、 品質と納期の関係です。丁寧に仕事をしていて、アウトプットはしっかりとしているのですが、納期に間に合わないというようなことがよく起こります。成果が上がらない人というのは、品質と納期のバランスをとることができません。ですから一つ一つの仕事はしっかりとこなすのですが、 仕事全体で守らなくてはいけない期限を超えてしまうというような事態になってしまいます。

 関係者も多く、期間も長く、複雑な仕事をしていくためには、品質と納期のバランスを計るということが大切になります。そのために大切な考え方というのがバックワードで考えるということです。バックワードで考えるというのは、ゴールから考えるということです。仕事には、いつまでに何をやるのかと言うゴールがあります。そのゴールを達成するために、いつまでに何をやらなくてはいけないのかという思考がバックワードで考えるということです。例えば半年後までに、システムをローンチしなくてはいけないということでしたら、その一か月前までにはシステムの開発が終わってなくてはいけません。そのためには、今から2ヶ月後までには要件を洗い出してなくてはいけません。 というような形でゴールから逆算して手順を考えていくということが大切になります。

②タスクの洗い出しが出来ていない

 成果が上がらない人の二つ目の特徴というのは、タスクの洗い出しができていないということです。ゴールを達成するためにどのようなタスクがあるのかと言う仕事全体、プロジェクト全体のタスクが洗い出せていないということです。このような状態で、プロジェクトのゴールまでに何をしなくてはいけないのかということを正確に見積もるということは極めて困難です。ですからタスクを正確に洗い出していくということが重要になります。

 そしてタスクを洗い出すときには、二つの観点で洗い出していくことが必要です。一つは、領域を洗い出すということです。システムを開発する場合であれば、どういった機能があるのかと言うことを洗い出すということです。そしてもう一つの観点というのは、領域ごとにどのような作業があるのかということを洗い出すということです。つまり、要件定義をして、見積もりをして、システム開発をして、検収をして、平行稼働をして、ローンチするというような作業を洗い出すということです。 このようにタスクを洗い出すためには、領域×作業という二つの観点でタスクを洗い出すことが必要です。こうすることで、プロジェクト全体において、何をやらなくてはいけないのかということを洗い出すこと可能になります。

③進捗管理が出来ていない

 成果が上がらない人の三つ目の特徴というのは、進捗管理ができないということです。進捗管理というのは、タスクが予定通り進んでいるか、ということを確認することです。そして予定よりビハインドしている場合には、巻き返しに向けて対策を練る必要があります。成果が上がらない人というのはこの進捗管理が適切に行われていないために、現在、仕事が遅れているのか否か、ということも把握できていません。また、気が付いた時にはすでに巻き返しができないような状態になっていると言うことがままあります。

この進捗管理ができない理由というのは、タスクが洗い出せていないとか、仕事をバックワードで考えられていないと言うことも影響しています。つまりプロジェクトのゴールまでに何をやるべきかというステップが明確でないので、進捗を正しく把握できないということです。ですから、いくらステータスレポートを作って進捗を管理しようとしても正しく進捗が管理できないということになってしまいます。進捗管理の基本というのは、仕事全体のゴールを明確にして、いつまでに何をやらなくてはいけないのかというステップ、プロジェクト管理用語でマイルストンといますがこのマイルストンを明らかにするということが極めて重要です。マイルストンが明らかになっていれば、そのマイルストン通りにタスクが終わっているのか否かを確認することが可能になります。そしてマイルストンにおいて遅れが出ていたら、その時点で対策を打つことができるので、早め早めにプロジェクトのリスクを潰していくということができるのです。

 以上のように、仕事やプロジェクトにおいて成果が上がらない人の特徴というのは三つあります。一つは、QCDのコントロールができていないということです。 特に品質と納期のバランスをとることが必要ですが、そのためにはバックワードで考えるということが必要となります。二つ目の特徴はタスクを洗い出せていないということです。タスクを洗い出すためには領域×作業という二つの観点でタスク洗い出すことが必要です。そして、三つめの特徴というのは、進捗管理ができないということでした。進捗管理を適切に行うためには、プロジェクトのゴールからマイルストンを置いて、そのマイルストンごとに仕事が適切に進んでいるのかを把握していくということが重要です。関係者が多く、期間も長く、複雑な仕事で成果が上がらないという場合には、この三つの点で問題がないかを見直してみると解決の糸口が見つかるかもしれません。

(第16回 2021/7/6)

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