【掌編小説】『いちゃ問題児』

教頭「校長。本日のご予定はいかほどでしょうか?」

校長「今日は、ヤツが来る日だ……」

教頭「またですか!?」

校長「しかも時間的にそろそろだ。身構えろ……」

生徒「失礼しまーす!!」

校長「ああ、よく来てくれたね」

生徒「先生!ねこねこ食パンって知ってる!?」

校長「早速フルスロットルだね。一回座りなさい。ねこねこ食パンね、知っているとも。猫の顔の形をした可愛い食パンだろ?」

生徒「あれさ、なかなか酷くない?だって考えてみてよ。もしあれが猫の顔の形じゃなくて人の顔の形してたらどう?パンをわざわざ顔の形にして、それを食べようって言うんだから、なかなかサイコパスだよね!?人じゃなくて猫だからって許されるというか、むしろ人気が出てるのはおかしいよね!?」

校長「うーん。まぁ、別に本当の猫を食べるわけじゃないから問題ないんじゃないかな?」

生徒「クロワッサンってあるけど、実際、名前の通り黒に焦げた黒ワッサンは、そこまで食べたくないよね」

校長「あーっと、猫の話は終わり?」

生徒「食パンにあんこを練り込みました!みたいなの売ってるけど、アンパン目指してるのか食パン目指してんのかどっちなの?」

校長「新世界の開拓……かな(イケボ)」

生徒「アンパンの上に胡麻がちょこっとのってるのはなんだよ!なんか見た目寂しいなーって思ったとて、胡麻のっけるだけじゃ誤魔化せないんだよ!そもそもアンパンマンの肌にはそんなそばかすみたいなのねぇよ!まあこの場合、そばかすというよりごまかすだけどな!ん?誤魔化す?はっ!そうか、そういうことか!!」

校長「違うと思うなぁ」

生徒「クリームパンのクリームはもっと入れなさいよ!」

校長「それはそう」

生徒「この前、クリームパンのクリーム少なくないですか!?っていう電話をとあるパン屋にしてみたら、次の日そのパンの名前がクレームパンになってたよ!!『クレームたっぷり、入りました。』じゃねぇよ!!!クリーム入れろよバカ!!」

校長「たっぷりってことは、他からもクレーム入ってたんだろうね」

生徒「あと!パン屋なのに薄っぺらいピザ売ってんじゃねぇよ!!ピザ屋でパン売ってんの見たことあんのかよ!?」

校長「普通にあるんじゃないかな……」

生徒「マルゲリータ食べたらお腹壊したわ!」

校長「マル下痢痛ぁ……」

生徒「3種のチーズピザってのがあって、店員さんに『これって、どんなチーズが入ってるんですか?』って聞いたら、『スライスチーズと6Pチーズと粉チーズです』って言われたよ!まさかの状態3種類!!チェダーとかパルメザンとかそういうのじゃねぇのかよ!しかも6Pチーズに関しては他商品そのまま使ってんじゃねぇか!!」

校長「許してあげなよ」

生徒「この前友達が、一人っ子で小麦アレルギー持ちの別の子に『ねぇちゃんとぱんつくったことある?』って聞いてて、こいつバカだなーって思った」

校長「急に辛辣やん」

生徒「パン食い競争って、何がしたいの?」

校長「それな」

生徒「パンはパンでも食べられなくて、むしろ何かを食べるときに使うパンってなーんだ!?」

校長「フライパン」

生徒「正解は、フライパン返しでしたー」

校長「死ね」

生徒「あ!!もうこんな時間だ!例のパン屋で塩パンが焼き上がる!!っていうか!塩パンがあるなら砂糖パンもあっていいだろとか思ったけど、よく考えたら大体のパンに砂糖入ってたわ。ってことで、先生さようなら!!」

校長「……」

教頭「クロワッサン食べたくなりましたね」

校長「サンマルク行くか……」