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朱と黒

 先日、小学校の教師の手元でしか見たことがない、採点用のペンを購入した。子供の頃から不思議と憧れがあったのだ。

これ

 家で開けてみて気づくのは、このペンの色合いが、既に持っている何かと酷似しているということだった。その何かというのが、プレゼンをする時などに使う指示棒である。なぜこんなものを持っているのかはさておき、めちゃくちゃ気に入っている代物だ。
 実際にこの2つを並べてみると、親子かってくらい似ている。しかも、ただ見た目が似ているというだけではなく、どちらも私のお気に入りガジェットであるというのが不思議だ。
 朱色と黒色で彩られたものからは、妙に高尚な雰囲気がする。輪島塗の食器とか重箱なんかも、こんな色だったような気がする。そういった高尚な雰囲気と、お世話になった数々の教師という存在への憧れみたいな気持ちが重なって、どこか心惹かれて、手元に置いておきたくなるのかもしれない。

 赤ペンと指示棒を持っているのだから、私はもはやテストも授業もできてしまうかもしれない。私という存在に憧れてくれる生徒だけはいないけど。