『空想オムニバス』

「それではこれより、国宝、パノトルテント城の中に実際に入っていただきたいと思います。ここで皆さんに1つ、お願いがございます。このパノトルテント城ができた時代には、まだ建築術が現在より発展していなかったんですね。そのため、城内、かなり沢山の柱がございます。はしらあるので、はしらないでください」


「いいかー。んじゃ今日からはー、この清少納言日記っていう日記文学を読んでいくぞー。これなー、名前が清少納言日記だから結構間違えられやすいんだけどー。作者は国木田独歩(くにきだどっぽ)、主人公は紀貫之(きのつらゆき)、舞台となる街は斧鋸町(おののこまち)だからなー」


A「あれ、おかしいな。ここら辺に置いたはずなんだけど……」
B「どうしたエラトステネス。なんか探し物?」
A「いやー、俺が使ってた篩がどっかいっちゃってさ」
B「え、あの気に入ってたやつ?」
A「そうそう。キッチンには無くてさ。この棚にないかなーって思って」
B「いやいや、『ないかなー』って思ってるなら探すなよ。『あるかなー』って思える場所を探せよ」
A「いやいや、ここで言う『ないかなー』は希望的な意味合いじゃん」
B「希望だとしても『あるかなー』だろうよ。『ないかなー』って言いながら探すのは流石に無いかなー」
A「なんだか割り切れないな……」
B「素数かよ」