ホテルの小噺

 ふと旅行に行きたくなったので、ホテルの小噺を。


フロントクラーク「お客様、チェックインでよろしいですか?」
客「いえ、私は公務員ですが」


フロントクラーク「お客様、お部屋は三階にございます」
客「おい!お客様は神様だぞ!」
フロントクラーク「失礼いたしました。神様、神社は向かい側にございます」

ホテルマン「こちら、お客様のお部屋になります」
客「ありがとうございます」
ホテルマン「付属の品はご自由にお使いください」
客「このテーブルの上のお茶もいいんですか?」
ホテルマン「はい、もちろんでございます」
客「ちなみに、なんていうお茶なんですか?」
ホテルマン「こちら、アメニティーでございます」

客「食事は何時からですか」
ホテルマン「本日の餌やり体験は、11:00~と15:00~の二回です」
客「前職の名残はしまっといてもらえませんか?」

客「この料理は実においしいね」
スタッフ「ありがとうございます」
客「もし忙しくなければ、料理を作った方を呼んでもらえないかな」
スタッフ「かしこまりました。今はまだ仕事がありますので、15分ほど後になりますがよろしいでしょうか」
客「構わない。よろしく頼むよ」
~15分後~
スタッフ「お客様、お待たせしました」
客「おお、仕事は終わったかい」
スタッフ「はい。担当のものを連れてまいりました」
客「ありがたい、悪かったね。ところで、君が抱えているその電子レンジは一体どうしたんだい?」

客「すみません。お手洗いに行ってきてもいいですか」
スタッフ「構いませんが、その場合は担当のジュゲムも同伴いたしますので、ご承知おきください」
客「いやマリオカートかよ。なんでジュゲムに吊られながらトイレに行かなきゃならないんだよ」
スタッフ「コース料理の途中でお手洗いに行かれるというので……」
客「それをコースアウトとは呼ばないんだよね」
スタッフ「……お客様、バナナの皮はおやめください」
客「いや誰が滑ったって言うんだよ。仮に今滑ってたとしたら、それは八割がたあんたのせいだからね?あとマリオカートかよ」
スタッフ「それよりお客様、結局お手洗いにヒュイゴーなさるのですか?」
客「いやマリオカートかよ。っていうかマリオかよ。そりゃ行きたいよ。ヒュイゴーさせてくれよ」
スタッフ「それでしたら、ここを出てまっすぐ行かれますと、右手にレストランが見えてまいりますので、そこで左に曲がっていただくと、突き当りにございます」
客「そりゃどうも。ちなみにそのレストランの名前とかも知りたいんだけど」
スタッフ「『メープルツリーハウス』でございます」
客「マリオカートかよ」

客「すいません」
清掃員「はい」
客「このハンガーって、何に使うんですか?」
清掃員「あ、これはですね、入浴後のスリッパのお取り違えが多いというお声を受けてご用意したものになります。ご自分のスリッパを、こう、ハンガーで両端から挟むようにしていただいて、目印として使ってください」
客「なるほど……。あの、この役割って、普通は洗濯ばさみが担いませんか?」
清掃員「すみません。こちら側の選択ミスでした」


つづくかも