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夜になると豹変される「Yさん」に取り組んでみた「たった一つの条件づくり」

今回は小規模多機能事業所の方からいただいたご相談です。

いつも上品で、穏やかで、ニコニコされている、90代の Yさん。
自宅でも事業所でも、変わらずずっと過ごしてこられました。

そんなYさんのご家族から、スタッフさんに相談がありました。

夜になったら「奇声」を発して・・・時には暴れるんです。
夜以外は、穏やかで変わらないのですが、
夜だけ人が変わったようになるんです。


事業所の利用日でも、お昼寝をされるときに同じようなことがあったそう。

普段はいつもの穏やかな Yさん、
でも眠るといびきと奇声が聞こえて、時にはベッドから降りて暴れようとされる・・・

いわゆる認知症の症状という感じでもないし・・・ということで
ちょうど私の訪問日が近かったこともあり、ご相談をいただきました。

そして事業所の訪問日。
Yさんは、いつも通り、上品で穏やかな笑顔でお迎えくださいました。
確かにこれまでの何も変わらない感じ。

せっかく伺っているので、
お昼寝の時間に同席させていただきましたが、
その日に限って「奇声」はありませんでした。
(これって結構、あるあるなんです)


でもやっぱり直接見せていただいてよかったことがあります。

休まれているときに、いびきがあること
そして口を開けて眠られていたこと
この2点が確認できたんですね!

そこで、ある仮説を立てました。



口を開けて休まれるといびきもでやすいし、
いびきが出るようであれば、呼吸もしにくいだろうな。
呼吸がしにくくなると、酸素が届きにくくなるので
せん妄のように奇声を出されてもおかしくないなぁ。
そうだとすると、きっと怖いだろうなぁ

この仮説であれば、寝る時の呼吸の問題だから、
口を閉じて寝てもらえればいいのかなぁ

ということで、寝ているときのSPO2測定!
測ろうとすると目覚められてしまいましたが、
(ということは眠りも浅い・・・)
それでも測定すると、

なんと「92」!


「おいおい」ってなりながら、

ここまでは仮説通り。

で、私が行ったことは

口を閉じて寝てもらえるように

①肩の下から頭全体をサポートできる「枕に変更」して
②口が閉じるよう(=顎が上がりすぎないよう)枕の高さを調整(タオルを有効利用)

これだけです。

その後は、ありがたいことにスヤスヤ休まれ、
いびきももちろん奇声もなく。

このエピソードをそのまま自宅に持ち帰っていただきました。


スタッフさんが自宅での睡眠場面につなげて下さり、それ以降
家でも事業所でも、いびきも奇声もなくなったということです。

きちんと丁寧に家庭につなげてくださった
スタッフさんのおかげです!感謝!

「夜の奇声の原因は枕だった」という話ですね!


それから数週間たって「Yさんどう?」ってスタッフさんに連絡してみたら

「そうそう事業所で一度だけあったんですよ」って・・・

あー残念。。。と思っていましたら、

「突然 ハァーーーーハァーーーーと 大きな高い声で言われて 

その後 パチパチパチパチ👏👏👏👏と寝ながら拍手されて 

顔を見ると とても良いお顔。

これは 皆んなとオペラでも歌っている夢でも見てるのかな?と

皆んなで微笑ましいねって話したんです。」って

奇声ではなく美声だったということで (笑)

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
日々、出会ったエピソードや私の体験を中心に書き留めさせていただいております。

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