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子育てを「学ぶ」時代

昔は(というと、すぐに説教っぽい感じになるので嫌なんですが)
母親も父親もあえて「子育て」を学ぶことなんかしていません。
父親は仕事に追われ、母親も日常のこまこましたことに追われて、
子どもは放ったらかしでした。それでも子どもはちゃんと育ってました。

今は、「子育て」は放ったらかしにすると、問題になることもあります。
そして「子育て」がいつのまにか「教育」とつながってしまい、どちらかというと子育ては「知育」につながってしまいました。
その辺からちょっとずつ何かが変わってきているようにも思いますが。
だから早期教育に注目されて、何かができることが素晴らしいと勘違いされてきているように思います。だから子育ては子どもに何かできるようにさせることという流れもありますね。

知育のおかげで賢い?子は増えたのかといえば、今度は身体が弱いとか心が弱いということが問題視され、「予防」ということで、今度は早い時期から医療的な措置をとり、薬を飲んだりしています。
5歳の子どもが肩こりでマッサージに行ったりします。
5歳の子どもが肩が凝る?って思いますが、眼精疲労や肩こりはしっかりあります。
昔の放ったらかしの子育てのほうが、今よりもずっと子どもが元気でたくましくて、自主的に何かをしていたように思います。
でもそれは親が放ったらかしであっても、ちゃんと自然や地域や周りの人たちが子どもを育ててくれていたんです。親切にしてもらったり、怒られたり、教えてもらったり、助けてもらったり・・・・。

今は、そんな子育てしてくれる環境が消えてしまったから、親は自分の子どもは自分でみなくちゃいけないし(当たり前ではあるけど)、子育ては自然に任せるわけにはいかず勉強しないとわからなくなっています。

子育ての迷いは、まず情報収集と考えるのがいまどき。
でも適切であるかどうか見極められなければその情報は不安を増長させてしまうだけの材料にしかなりません。

情報は山のようにもっていても、何を自分が使っていけばいいのかわからない、間違ったことをしていても気づかないから、またドツボにハマってしまうのです。

それと情報と流行の違いが分かっていないことも多いですね。皆がやっていること、流行っていることを良しとされるところがありますね。
子育ては、古臭いほうがいいです。だって何十年続いてきていることだから多くのお母さんたちが助けられている情報のほうが、圧倒的に役立つのに、「古臭いから」と切り捨ててしまう人もいます。

何を求めて新しさを良しとするのか、何が必要で古きものを見直してみるのか、いろいろな学びのコツを知る必要があります。

勉強することはいいこと。でも、子育ての勉強は優等生じゃなくてもいいと思います。子どもといっしょになって、失敗して、そしてその失敗から自分で調整していき、いい塩梅を見つけることの方がよほど、いい子育てに仕上がるからです。お手本通りうまくいっていると、後で苦しくなります。

子どもは自分のために一生懸命になってくれている親の姿を見て、何かを学びます。それが子育てに活かされていくんです。
結果、何を学んだかというよりは、やっぱり子どもから教えられ、学ぶことの方が多いんですね。

子どもは親を選べないと昔は言われていましたが、
今は、子どもは親を選んで生まれてきているという説も高まってきました。
我が息子も「ママを選んで空からきたんだ」とはるか昔に言ってくれました。そんな息子も今は転職活動中の金髪青年ですが(苦笑)

子どもがわざわざ選んできてくれているのだから、頑張ろう。
そう思ってやってきたら
いつのまにか私の手を離れて大人になってしまいました。
意外に大変な時期は短いものなんです。
だから、子育ての学びは楽しくて、続けられるものを選んでください。

あれもこれも欲張らず、「これ!」って思うものをまずはしっかり信じてやってみること。思っているだけでは、何も変わらないです。
子育ての学びで大切なのは、精神論だけではなく、まずは試していく経験です。おしゃれな方法じゃなくても、キラキラしたやり方じゃなくても
結果、親と子がしっかり向き合い、涙あり、笑いありのいろんな経験を重ねて互いの記憶になれば、それは色褪せずに美しい思い出に残ります。

良い学びに出会ってください。


松本美佳
家庭教育アドバイザー
日本家庭教育学会常任理事
家庭教育支援協会理事
チャイルドケア共育協会 本部講師
チャイルドケア研究所代表

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