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R4 うるま市キャリア教育推進事業 『ミラカナ』 プログラムについて

こんにちは、うむさんラボ広報チームのたかこです。

沖縄本島中部に位置する沖縄県第3の都市、うるま市よりお届けしております。
うるま市は、本島中部の東海岸に位置しており、有人・ 無人の 10 の島々を有する様々な特色を持った魅力あふれる地域です。
島々は海中道路や架橋によって結ばれていて、全長4.7kmの海中道路はドライブコースとして人気のスポットです。
そんなうるま市で、今年度、小中高校生向けに、沖縄県からは株式会社うむさんラボ、株式会社ワンスペース、そして強力なパートナーとして県外で活躍している株式会社あしたの寺子屋の3社でキャリア教育を担当させていただくことになりました。
小学校プログラムをワンスペース、中学校プログラムおよび高校プログラムをうむさんラボとあしたの寺子屋が実施しています。
これから、うるま市の生徒や先生、プロジェクトに関わる人たちとのワクワクを綴っていく予定です。今回はプロジェクトについての想いをお伝えしていきたいと思います。

はじめに(改めてうるま市について)

うるま市は沖縄県の本島中部に位置し、本島、本島より海中道路でつながっている「平安座島」「浜比嘉島」「宮城島」「伊計島」、離島である「津堅島」を含む島しょ地域からなる、沖縄の文化や芸能、自然が身近に感じられる市です。

プロジェクト名への想い

キャリア教育事業のプロジェクト名「ミライカナイ」には、子供たちが誰かに与えられたミライを生きるのではなく、自らの手でミライを作れると信じる勇気を育むという想いから生まれました。
愛称は「ミラカナ」です。
ぜひ皆さんも覚えてくださいね。

プロジェクトロゴへ込めたメッセージ

うるまブルーを取り入れた水平線に浮かぶヨット、そこには子供たちへの未来に向けたメッセージが込められています。

ヨット=帆を揚げる... こどもたちの勇気や希望の象徴。勇気を出して、広い海に出る。
ヨットを運ぶ風=おとな... おとながこどもたちの背中を押す。
風を知る・風を読む=学び・職業や未来・選択肢

また、帆のボーダー柄はミラカナの「ミ」をイメージしています。


大切にしていること

「キャリア教育」の歴史は意外に長く、その源流は大正時代から徐々に始まった「職業指導」に遡るとされています。
昭和2年には当時の文部省から「児童生徒ノ個性尊重及職業指導ニ関スル件」という題名で訓令が出され、始めて「職業指導」が学校教育に導入されることになりました。じつはこの訓令は現代から振り返ってみてもとても学びの多い内容ではあるのですが、ここでは(泣く泣く)割愛します。
それ以降進路指導について様々な施策が実施されていくなかで、「キャリア教育」というワードが公文書に初めて登場したのが平成11年の中央教育審議会答申においてです。
学校教育と職業生活の円滑な接続を図るため,望ましい職業観・勤労観及び職業に関する知識や技能を身に付けさせるとともに,自己の個性を理解し,主体的に進路を選択する能力・態度を育てる教育(キャリア教育)を発達段階に応じて実施する必要がある」と記載されたこの答申を皮切りに、日本のキャリア教育は大きく動き出すことになります。
平成19年には学校教育基本法において「職業についての基礎的な知識と技能,勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと」が定められ、これらが今日のキャリア教育を推進する上での法的根拠になっています。
前置きが大変長くなりましたが、そんな中でわたしたちが今回のミライカナイプログラムで大切にしたかったことは、まさしくこの「『キャリア教育』の原点に戻る」ことです。
なかでも特に大切にしたかったことは、「自己の個性を理解し、主体的に進路を選択する能力・態度を育てる」という部分。キャリア教育と聞くとどうしても「職業についての基礎的な知識」を獲得するという発想になりがちです。しかし現代のような情報に溢れた社会においては、知ることと同様に、いやそれ以上に、知ったことから「選択する」ことが大切になってくると、わたしたちは考えています。
選択するために大切なのは、自分自身と向き合い、自分自身を知ること。そして「社会(人)」や「仕事」の解像度を上げることで、それらは決して遠い未来のことではなく、現在の自分の延長線にあるリアリティを持ったもの、まさしく「自分ごと」であると捉えること。
その結果として、自己効力感や自己肯定感を高め、「自分はどんな道も選べる存在なのである」と自認できるようになってほしい。
そんな想いを大切にしながら、ミラカナプロジェクトは企画・実施しています。

小学校プログラムについて

小学校では社会人講話『ワーカーズトーク』を行っています。
社会人講話の大きな目的は、職業を知るだけではなく、その出会いに大きな価値があると考えています。

講師から仕事のやりがいや働き方、生き方の話を聞き、「仕事とは」「働くとは」を身近に考えることで、初めて知ることにワクワクしたり、なぜ?どうして?と想像を膨らませ、目を輝かせます。

働く大人との出会いや印象に残ったことが、自身の興味関心の方向性を探るきっかけとなり、学びに向かうきっかけとなることをねらいとしてプログラムを構築しています。

①事前学習
→事前学習では、担任の先生と一緒に、子どもたちが今、未来をどう想像をしているかをアウトプットし、実際に動画を観てワークをします。
②ワーカーズトーク
→ワーカーズトーク当日は、講話を通して講師と対話することで、仕事や働くことを身近に考えていきます。
③事後学習
→事後学習では、担任の先生と一緒に、ワーカーズトークを通して広がった未来への想像を更にアウトプットし、その職業の未来を具体的に考えるワークをします。

全体のプログラムを通して、子どもたちは、大人の想像以上に働く意義や価値を感じ取り、職業や職種を超えた共通点や未来を描きます。子どもたちの発表に私たちは毎回驚かされます。

中学校プログラムについて

中学校では「名刺づくりワークショップ」を行っています。
このワークショップは、名刺の役割や、その名刺を持って働く社会人の思い・人となりを知るために、社会人のお話を聞くところからスタートします。それを発射台に「では自分にとって自分を表現し、ひとに渡したくなる最高の名刺とは?」を考え、実際に作成します。

作成プロセスでは、準備されたワークシートを通して自分と向き合い、自分自身の好きなことや得意なことを考え、自分を一言で表す肩書をデザインしていきます。プログラム終了後には実際に彼らの手元に実物の名刺が届きます。

名刺サンプル(肩書は生徒が実際に考えたものです)

この「自分だけの名刺」を通して、わたしたちが思い描いていることは、この名刺そのものがコミュニケーションを生み、お互いの理解を深めるきっかけをつくり出すこと。そして単に「社会人の話を聞く」だけではなく、実際に働いている人と深く関わること。自分自身について深く考えたあとだからこそ、向き合い方にも変化が生まれると期待しています。
このワークショップを通して、職業体験など社会との関わりの質を上げることで、働くことの解像度を上げ、働くことをより自分事として捉えていくことを目指したプログラムとなっています。

高校プログラムについて

みなさんは高校時代に「職業」と「職種」の違いを理解していましたか?
現在の小中学校のキャリア教育においても、実は職業について知る機会は多くありますが、職種について知る機会はほとんどありません。
高校ではまさにここをテーマに、「職業」ではなく「職種」について知るためのワークショップを実施します。例えば「会社員」という職業を取り上げてみます。
恐らく会社員という職業について深く理解していればいるほど、会社員の仕事を一言で表すことは難しいですよね。それは「仕事内容(職種)」が様々だから、ではないでしょうか。。
今回のプログラムでは、自分の身近なものが自分の手元に届くまで(いわゆるサプライチェーン)を考えることを通して、職業として大きく括られている仕事の先には、じつはたくさんの専門性のある「職種」があることを理解します。
「職業」の解像度が低いと、なかなか「いまの自分」と「仕事や社会」がつながりづらい。わたしたちはそんなふうに考えています。自分の得意なことが活かせる職種について考えるきっかけを作り、実際に働いている人から話を聞くことで仕事についてのイメージを膨らまし、働くことをよりリアルに考え、彼らの「日常」と接続するプログラムです。

最後に

子供たちの環境は十人十色ですが、自分のやりたいことを諦めない、やりたい事が見つからない子には様々な選択肢を知るといった環境作りをし、ミライのマップを作っていく手助けができるサポーターになっていきたいと思います。

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