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知らないと損する!奨学金制度

こんにちは。ミライ・イノベーションnote編集部です。

大学入学入試を控えた今、進学には入学金や授業料といった多額のお金が必要になります。一人暮らしをする場合はさらにお金が必要に…。そんな時、便利なのが奨学金制度です。

奨学金制度とは、学生生活をサポートする仕組みの一つで、進学や勉学に必要な費用を支給してもらえる制度です。今回は、この奨学金制度についてお話しします。

1.奨学金制度とは

奨学金制度とは、学ぶ意欲のある学生が進学を諦めることがないよう、学費の付与や貸与を行う制度のことです。

奨学金を支給する団体は様々あり、各団体で制度を設けています。

  • 国の奨学金(日本学生支援機構)

  • 自治体の奨学金(都道府県や市区町村)

  • 学校独自の奨学金

  • 民間団体(NPO等)の奨学金

この中でも最もよく知られているのが、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金です。次章からは、この日本学生支援機構の国内の奨学金について説明します。

2.日本学生支援機構の奨学金

日本学生支援機構の奨学金には「給付型」タイプと、「貸与型」タイプの2種類があります。

(1)給付型奨学金

給付型奨学金は、その名の通り、お金が給付されるため返済義務がない奨学金です。学生の学びたい気持ちを支援する制度で、2020年より新制度による運用が実施されています。

 ①対象になる学校

一定の要件を満たした、大学、短期大学、高等専門学校(4年・5年)、専門学校に通う学生等が支援を受けられます。まずは進学先の学校や、在学中の学校が制度の対象になっているかどうか文部科学省のホームページで調べてみると良いでしょう。

 ②対象者

学ぶ意欲があり、世帯収入・資産の基準等の要件を満たす人全員が支援を受けることができます。学校等ごとの推薦枠(人数制限)はありません。また、大学等に在学中の人も、条件を満たせば支援を受けられます。

従来の制度では、「住民税非課税世帯」「成績優秀者」に限って支援を受けることができましたが、2020年から導入された新制度では「住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯」「学ぶ意欲のある者」に対象が拡大されました。

新制度では、成績だけで判断せず、レポート提出で学習意欲が評価されるようになりました。学ぶ意欲が確認できれば選考の対象となり、成績が原因で奨学金の対象外になることがなくなったのです。

 ③支給額

従来制度では、一定収入以下(=住民税非課税世帯)だけが対象でしたが、新制度では世帯収入に応じた3区分により支給額が決まります。

例えば、住民税非課税世帯(第1区分)の場合、下記の額が支給されます(2022年度)。給付型の奨学金の支給額は学校の種類や通学環境によって異なりますが、定額となっています。

今まで「住民税非課税世帯にぎりぎり入れなかった」という人でも、その3分の2または3分の1の支援を受けられるようになりました。
なお、予約採用(=高校生向け)か、在学採用(=在学生向け)かによって基準となる世帯収入が異なるので注意しましょう。

また、毎年6月に更新される所得情報で区分が判定されるため、申込時点で対象外だった場合でも、進学後(秋以降)に申し込めば支援対象となる可能性もありますよ。

このとき、自分が支援の対象になるかどうかを大まかに調べるには、日本学生支援機構が運営する「進学資金シミュレーター」を活用すると便利です。

 ④授業料・入学金のサポート

給付型奨学金の対象者は、別途、進学先の大学・専門学校等に申込むことで、入学金・授業料の免除・減額を受けることができます。このとき、入学金・授業料の免除・減額は確認大学等が行い、給付型奨学金の支給は日本学生支援機構が行います。

このように、給付奨学金の場合、国の基準によって定められた金額が支給されます。後述の貸与型奨学金とは違って、自分自身で支給金額を選ぶことはできません。また、課税状況調査等により一度決定した金額であっても、在学中に切り替わることがあるので注意しましょう。

(2)貸与型奨学金

貸与型の奨学金とは、返済義務のある奨学金のことで、「第一種奨学金」「第二種奨学金」の2種類があります。

在学中は返済する必要はありませんが、卒業後に返済義務が発生します。さらに利子がつくもの(有利子)と、利子がつかないもの(無利子)の2種類に分かれます。

 ①第一種奨学金

第一種奨学金は、無利子の奨学金で、特に優れた学生のために設けられている制度です。

経済的な理由により著しく修学困難な者に貸与することになっており、世帯収入・所得要件を満たすほか、申込時点での評定平均値が5段階評価で3.5以上の必要があるなど、厳しい採用基準が設けられています。

また、借りられる金額は入学年度により異なりますが、国公立か私立か、自宅通学か自宅外通学か等によって段階的に定められており、受け取りたい貸与金額を各自で選択します。

 ②第二種奨学金

第二種奨学金は、有利子の奨学金です。
第二種奨学金で借りられる金額は、大学・短大・専門学校などの種類や通学環境などに関係なく、月額2万円~12万円までを1万円刻みで自由に選択できます。

さらに、私立大薬・獣医学課程では上限14万円、私立大医・歯学部課程では上限16万円となります。卒業後に年利3%を上限として利息がつき、返済期間は貸与総額に応じて決定されます。

第二種奨学金は、第一種ほど学力選考基準は高くないため、門戸の広い奨学金と言えるでしょう。

◆給付型奨学金と貸与型奨学金のまとめ

ここで、給付型奨学金と貸与型奨学金の特徴をおさらいしておきましょう。

(3)奨学金の使途

奨学金の使い道には制約がないものが多く、基本的には自由に使うことが可能です。学費等の進学に必要な費用に充てても構いませんし、家賃等の生活費に充てることもできます。

ただし、入学した年の4月分については、4月分と5月分を合算して5月に振り込まれるケースが多いため、奨学金を入学金に充てることはできない点に注意しましょう。

一方で、一部の奨学金の中には、使途が学費などに限定されているものもあるため、自身が受けている奨学金の使用用途をしっかりと把握しておくと安心です。

(4)奨学金の申し込み方

奨学金の申し込み方法には、予約採用在学採用の2パターンがあります。

 ①予約採用

予約採用は、高校生が安心して進学できるよう、進学前に奨学金の利用を予約できる制度です。申込は高校3年生の時点で行い、浪人生は卒業後2年目(2浪)まで申し込みが可能です。

 ②在学採用

在学採用は、大学・専門学校の入学後に申し込む方法です。毎年春頃に在籍する学校を通じて奨学金の申込みをすることができます。原則春の1回のみの募集ですが、例年、秋募集も実施されています。

また、前述のとおり在学採用の方が予約採用よりも収入基準の目安額が高く設定されています。そのため、予約採用よりも収入基準のハードルが低くなっています。したがって、予約採用では収入基準を超えていても、在学採用なら利用できる可能性もあります。

(5)奨学金の返済方法

奨学金の種類等にもよりますが、卒業後すぐに返済が始まるわけではなく、「貸与期間終了(=卒業)の翌月から数えて7ヵ月目」から開始するものが多いです。

そして、奨学金の返済方法には大きく分けて2種類あります。
次のように、自身が借りている奨学金の種類によって利用できる返済方法が異なるので、注意が必要です。

◆奨学金の返済方法

①所得連動返還方式

・所得に応じて月々の返還額が決まる返済方法
無利子の第一種奨学金を機関保証で借りる場合のみ利用可能

②定額返還方式

・返済期間内は毎月一定額を返済する方法
・第一種・第二種いずれの奨学金でも利用可能

◆奨学金の繰り上げ返済

奨学金の返済には、繰り上げ返済も認められています。
繰り上げ返済とは、返済期日の到来していない割賦金を、繰り上げて返済(=前払い)する方法です。繰り上げ返済は第一種奨学金であっても第二種奨学金であっても利用でき、在学中にも申請して利用することが可能です。

(6)奨学金の返済が難しくなったときは

学生本人に返済が困難な事情が発生した場合に備え、日本学生支援機構では、主に3つの救済制度が用意されています。

このように、様々な事情に応じて返還の猶予も認められています。各奨学金の窓口では、返還に関する相談を受け付けているので、奨学金の返済が難しくなった時点で早めに相談するようにしましょう。

(7)さいごに

奨学金制度は、経済的負担を軽減し、学ぶ意欲のある学生が進学を諦めることなく勉学に励むことを支援するための制度です。

学生自身が借りるお金ですから、世帯収入のほかに学生の「成績」が大きく関係することも忘れてはいけません。申込時は審査に通って奨学金の受給資格を得ることができても、成績不振が続いたり、留年等が決定したりなど、学業成績によって支援の返還や打ち切りとなる場合もあり得るので十分に注意しましょう。

貸与型の奨学金を受け取った場合、いわば「借金」と同じであることも肝に銘じておきましょう。したがって、卒業後の奨学金の返済は計画的に行う必要があります。無理なく返済できるよう、奨学金の返済方法や救済措置にはどんな制度があるのかを予め把握しておくことが大切です。


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