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本日オープンしました。

エール在宅診療所の院長青木です。本日から訪問診療をスタートしました。
診療の詳細はホームページを参考にしてください。

大学病院勤務時代から訪問診療に関わるようになり、まもなく10年を迎えます。この間に色々とありましたが、やはり自分の考える医療とチームを作るためには独立するのが一番だと考え、今回の開業に至りました。
色々と準備は大変でしたが、今までの経験と知識をフルに動員してなんとかスタートできるところまで漕ぎ着けました。
これから自分達の思いを地域に届けられるようがんばっていきたいと思います。
我々のBHAG(Big Hairy Audacious Goal)は誰もが自分達で適切な医療を先なくできるような社会ですが、具体的な数字目標は日本での自宅看取り率が50%を越えることです。(ちなみに2022年現在は15%程度です)
この数字が達成できた時には無駄な医療が減り、より納得できる医療を受けられている社会になっていると思います。

さて、今回初めての投稿になりますが、直前で訪問診療へ大きな影響を与える事件が起きてしました。
今回はこのテーマで考えたいと思います。
「我々は患者家族にどこまで介入するべきなのか」
埼玉のふじみ野市で起きた立てこもり事件ですが、高齢で認知症のある母親と息子が介護者のケースです。
在宅医療を提供していると本当によくあるケースです。私もこれまで多くの方を自宅で最期まで診療させていただきましたが、色々なご家族や環境の方がいらっしゃいます。私たちはそれを尊重できるように医療を提供していきたいと思っていますが、やはりどこかで噛み合わないケースなども経験しています。
医師としてどんな方にも対応できるのが理想ですが、やはりどうしてもコミュニケーションを取れないケースなどは自分の限界を認識し、周囲に助けを求めることも必要なのかなと思います。
例えば精神疾患などで孤立してしまっているケースなどは、行政も含めたチームで対応していかないとやはり拗らせてしまうなと感じます。まだまだ専門家と地域の実働部隊との距離が遠いなと感じることもあります。この距離感が縮まると孤立対策にもつながるのかなと感じています。

忙しくなってきて、どうしても診療に向き合いすぎていると、周りが見えにくくなることもあります。自分の限界を理解し、なんでも自分で解決しようとしないことがリーダーとして必要かもしれません。
クリニックとして地域医療に貢献できるだけでなく、それを継続すること、そして一緒に働くスタッフやチームも守っていける、そんなクリニックを作っていきたいです。

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