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ある日突然の老人ホーム探訪記①

それはある日突然、私の平穏な生活を荒らした…。

私には84歳になる父がいる。80歳まで仕事をして一人暮らしをしていた。
元々、人とつるむのが好きではなく、仕事を辞めてから一人で気ままに暮らしていた。
 
そんなある日…買物に出た父は道端で急に倒れた。救急搬送された病院で「脳梗塞」と診断され、そのまま入院することになった。
私は実家から車で3時間の所に住んでいたが、事が事なので行くことにした。

その準備に追われていると1本の電話。
父の主治医からだった。
いつ到着できるかわからない私に主治医は病状の診断と予後の話をしてくれた。
そして最後にこう言った。
 
「もう家に帰ることは無理です。早急に施設を探してください」
 
へっ?んっ?シセツ??
あ~老人ホームか~…老人ホームっっ!!
 
祖母たちが入っていたけど親戚たちが探して入れてくれて、うちの両親はノータッチだったからどうやって探したかわからない。
そして父のせいで親戚たちからは総スカンだから聞けないし…さて…困ったな。
 
取り敢えず車で3時間。父の病院へ向かった。
 
久しぶりに見る父は…まるでホームレスのようだった。
髪と髭は伸び放題、やせ細り骨と皮。
 
何でこんなことになったのやら…。
幸い脳梗塞は軽度だったが、倒れた時に骨盤骨折をした。
本人と会話はできるが、何だかおかしい。
 
それから必要なものを実家へと向かう。
夜だったので電気をつけて家の中へ…
 
カサカサ…カサカサ…カサカサ…
 
?????
家の電気は薄暗く、家中に総菜パックと缶コーヒー、ビールの空き缶、おむつが散乱していた。
そして私の膝に
「ピタッ♪」
見ると「クロ6cm」が!
 
ぎょえーーーーーーーーーーーーーー!!!!!\(◎o◎)/!
 
この家はよくテレビで見た「ゴミ屋敷」となってしまっていた。
よく見るとクロとチャが行列をなして行進し、テレビの上でクロがバカンスし、総菜パックの山の中で次々と仲間を増やしていた。
 
もうこの家はダメだ…。
 
「もう家に帰ることは無理です。早急に施設を探してください」
 
主治医のコトバが頭をよぎる。
突如降りかかった難題にショックを受けながら、また3時間の道のりを帰宅した。
 
自宅に帰宅する道中、一緒に付き添ってくれた相方(介護福祉士)が一連の様子を見て
「認知症があるようだね。家の中の状態と総菜パックで何を食べているか見たけど、ちゃんと食事が摂れてないね。お金の使い方、身の回りがきれいにできない。自分の置かれた状況がわからないのは…もう一人じゃ無理だよ」
…そうなるよね。
本人は家に帰る気マンマンだけど、今回ばかりは私の言うことを聞いてもらうと決意した夜。
でも…長年医療畑にいた私には介護畑はまったくわからない。
だが私には介護福祉士で特別養護老人ホームを運営する法人に勤める相方がいた!!
あ~神は~仏は~私を見捨ててなかった~
 
相方の手ほどきでこれからどんなことをしていったのか?
続きます!

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