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ある日突然の老人ホーム探訪記③

それから毎日、色んなサイトで老人ホームを探す日々が始まった。
なかなか条件に見合う所がない
資料請求をたりと、出来る限り探し続けた。
 
そして入院から1ヵ月、介護認定が出たので、目星をつけていた有料老人ホームと話を詰めた。
利用料は国民年金+生活保護で払えて、酒、タバコ、外出もできるらしい。
探せばあるもんだ。
 
早速見学に行ってみた。
そこは小さな10人以下の老人ホーム。
人里離れていて、店も何もない。
施設の外に出てみると迷子になりそうな住宅街。
 
でも三食温かい食事、温かい部屋、24時間スタッフが常駐してくれていて、一人で倒れている心配もない。
他人を避けて生活していた父には、いきなり大きな施設は無理だろう。
 
まだ骨盤骨折のリハビリが半月あるので、仮予約しておくことにした。
施設長は「部屋を空けておくからいつ来てもいい」と言ってくれた。
 
これで一安心…だと思ったが、本人は施設に入ることを渋っていた。
これだけ私の時間と労力をかけて探したのに、その態度はふてぶてしく、まるで迷惑だと…。
 
不毛なやり取りをしても時間は限られているので、介護士の相方と相談してこう伝えた。
 
①   酒、タバコ、外出できるところを見つけたのでそこに行ってください
②   主治医から一人暮らしは無理と言われたので、市役所と相談の上ゴミ屋敷は引き払います
③   色んな支払いが溜まっているので今後金銭管理は私がします
④   どうしても嫌だと言うなら、今後一切の面倒は見ないので連絡しないでください
これを聞いて渋々行くことを承諾した。
特に④に関してはかなり困るようだった。
 
それから家の解約のために業者、市役所、不動産屋と忙しくやり取りがあり、本当に大変だった。
家は賃貸だったため、修繕が必要な所がたくさんあり、また支払いが増えてしまった。
これから年金と生活保護を上手くやりくりして支払っていかねばならない。
それを父に伝えても、我関せず、という態度で本当に腹が立つ。
 
取り敢えず退院日までしばしの休憩。

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