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ジャンヌさん大好き

現在東京宝塚劇場で公演中の月組公演「ピガール狂騒曲」が大好きで、見るたびに長〜〜〜〜い感想文をノートにえんえん書いているのですが、数多ある大好き最高いっぱい語りたいポイントの中からひとつ、主人公ジャンヌさんの性格が凄く好きだ〜〜〜〜!!!という話。

舞台は20世紀初頭のパリ・モンマルトル。亡き母が残した唯一の形見であるペンダントを悪漢に狙われた主人公・ジャンヌは男装してジャックと名を変え、モンマルトルのムーラン・ルージュに身を隠す。裏方として働くうちに支配人であるシャルルに心惹かれ…というのが大体のあらすじ。

そのジャンヌさん(物語の中ではジャックと名乗っている)がとにかく魅力的で、もちろん我らが月組トップスター・珠城りょうさん演じる宝塚の主人公なのでうっとりする程格好良く、そして大変にかわいい人なのですが、劇中に垣間見える彼女の「性格」にわたしは凄くチャームを感じていて、それについて言葉を尽くして語りたい!

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公式ホームページより、何度見ても最高のトライアングルすぎて頭を抱えてしまう人物相関図。


濃すぎる人たちの中で自分を見失わないこと

支配人シャルルをはじめ一癖も二癖もある人々が集うムーラン・ルージュで、ジャンヌさんは皆に翻弄されつつも不思議とブレない、その塩梅の絶妙さにいつも身悶えています。

ここが本当に言語化するのが難しい部分なのですが、例を挙げるならばシャルル渾身の説得に対するあまりにもスン!な突っぱね具合、人違いで因縁つけられたときの「それ私じゃないです!」のきっぱりぶり、頼まれた仕事を(見た目上)失敗して帰ってきてシャルルに怒られた時の、噛んで含めるような「追わずに、じーっと、待つんですよ」の言い方!!!

あんな濃い人たちの中でも自分を見失わずに言いたいことはしっかり通すというか、状況的には受け身であっても芯が通っているところに、強さと主人公の風格を感じてぐっと来ます。そのタフネスが決してキツい性格に見えないのがまた凄いんですよね…。今までどんな物語でも出会ったことのない絶妙なバランス、何てチャーミングなの!何か本当、ミラクルにツボです。大好きです。


思い切りのよさ

そんなタフで芯の通ったジャンヌさんですが、身を隠すために道端で髪を切って男装するわ、作家夫人を籠絡して説得して来いと言われれば「ジゴロ的魅力」を全開に引き出してガブリエルさんのところに乗り込むわ、人違いで申し込まれた決闘(間違ったら本当に死んじゃうやつ!)を「どうとでもなれ!」と言って受けちゃうわで、妙に思い切った行動に出ることしばしば。しっかりしてるんだかしてないんだか分からなくて、近くで見守っていたい…という気持ちになります。


垣間見える優しさ

舞台の本番前、緊張するガブリエルさんに頼まれて手を握ってあげるシーンがあるのですが、そこで手を握りながらジャンヌさんが深呼吸しているところが凄く好きです。ごくごく小さな動きなのですが、目の前の人が抱える不安に寄り添う確かな誠実さを感じて、いつも心が温かくなります。

ダンスレッスン中、ガブリエルさんが「(身体に触れてはいけないだなんて)私嫌われているのね…」と落ち込むくだりでも、ジャンヌさんの優しさが垣間見えます。
女性だということがバレてはいけないから本当のことは言えないし、でも目の前の彼女が自分の嘘のせいで悲しい思いをしているのがしのびないし、本当に本当に困ったな〜〜どうしよう〜〜!!!という心からの困惑が伝わってくる場面。可笑しみを感じつつもそれ以上に、その根底にある優しさに触れて心がぽかぽかになります。
彼女を傷つけまいと何とか捻り出した言葉が「私は身体に触れられると、具合が悪くなるんです!」と非常にザツな感じなのもはちゃめちゃに可愛くて、ああ〜ジャンヌさん大好き!という気持ちでいっぱいになります…!


シャルルおじさんへの恋心

物語が進むにつれ、ジャンヌさんはムーラン・ルージュの支配人であるシャルルに恋心を抱いていきます。恋を自覚してからのジャンヌさん、揺れる心のさざ波が一つ一つ実に繊細に表情や挙動に表れていて心底愛おしいのですが、その恋の動機がまた素敵なのです。

シャルルが興行の世界に興味を持つきっかけとなった幼少期の話を聞くときのジャンヌさんの慈しむような表情から伝わってくるように、彼女はシャルルがムーラン・ルージュで描く夢に惹かれ、志に共感している。

初めは渋々引き受けた舞台の仕事も、シャルルの夢の実現を願って全力で取り組むようになる、その変化もとても真摯で。「好きな人に振り向いて欲しいから頑張る」のではなく(勿論それはそれで素晴らしいことだと思いますが)、「志に共感しているからこそ、夢の実現のために皆で良いものを作りたい」という動機で目の前のことに取り組む、その誠実な姿勢が本当に眩しくて真っ直ぐで素敵で、ジャンヌさん格好いいなあと思います。

わたしはシャルルへの気持ちを自覚したジャンヌさんが歌う「秘めた想い」という曲が大好きで、舞台でも音源でも聴くたびに胸がいっぱいになって泣いてしまうのですが、曲が終わって徐々に暗転するところでジャンヌさんの瞳がきらきらっと光を湛える瞬間があって。その一瞬の切ないほどの美しさをぜひ舞台で見ていただきたいです。わたし多分、こんなに人の恋路を心から応援したこと今までなかったと思う…!こんなに温かい、新しい気持ちを抱かせてくれてありがとう、と祈るような心で、二人の行方を見守っています。


あまりにもこの演目が好きすぎて、一日に何十回も心の底から、ああ〜〜ピガール最高!月組最高!ジャンヌさん大好き!シャルルおじさんに会いたい!という衝動に身を焦がす日々、その情熱の一端だけでも思ってた以上の分量になってしまいました。
そしてお察しの通り、ジャンヌさんについてかくも熱心に語る根底には、彼女を演じる珠城りょうさんへの大いなる喝采と称賛、畏怖、尊敬、ラブ、色々な思いがマグマのごとく熱く熱く滾っている訳で…。

最後に公演ポスターの画像を。このポスターの、何かが起こりそうな気配と不思議な色気に満ちた大人っぽい雰囲気が大好き。ああ、今日もピガールが見たい!

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