[株式投資] 2024年の市場見通しと投資方針
2023年の振り返り
2023年を振り返ると、年途中まではアメリカの金利上昇と円安が日本市場にも大きく影響していたと思います。
個人的な見立てでは、6月のFOMCでアメリカFF金利の誘導目標が6%前後が頂点と見通しが立ったため、円安ドル高も頂点になったように意識されて、海外機関投資家がドル建てで日本株を一斉に買い漁り、急騰して33,000円台をつけたとみています。4月にバフェット氏が日本株見直し発言をしたことも追い風になっていたと思います。
ただ、その後にアメリカ金利引き上げ終了が不透明になったため、日経平均は一旦軟調になりました。年末に改めて金利引き上げ終了が強く意識されたため、再度上昇しています。
アメリカの金利引き上げ終了見通しに代わって、日本の金日引き上げが意識され始めたため、11月頃から、日本株の最大のリスクイベントがFOMC(パウエル議長発言)から日銀政策決定会合(植田総裁発言)にシフトしています。
参考にTOPIXとグロース250のチャートを。
TOPIXは日経平均と同じく4月下旬から6月に大きく上げて、9月に年最高値をつけています。グロース250は6月に少しだけ上げましたが、年間を通して低空飛行でした。
基本は、メジャーな銘柄の見直し買いが主流で、リスクマネーの流入はあまりなかったということか。
2024年の見通し
2024年の最大のリスクイベント(リスクコメント)は、昨年末から引き続き日銀政策決定会合(植田総裁発言)になると思います。健全な経済成長においては、基本はマイナス金利は異常な状態なので、日銀には出口戦略をしっかり描いて正常な金利に上げていくことが求められますが、株式市場にとっては大きくマイナスになりますね。
為替は円高ドル安に徐々にシフトしていくと思います。アメリカ金利引き上げが始まる前は1ドル100円くらいでした。もう1ドル150円みたいな状況になることはないでしょう。その要因は2つあって、アメリカ金利引き下げ開始観測とアメリカの景気。後者は今景気が良くなってしまうと、収まったはずのインフレがまた始まってしまうので、GDP成長率がバカみたく高くなることはないと思います。
なので、植田総裁発言などリスクが意識されると時々株価が下がることがあると思いますが、日本市場は見直し買いの最中なので、年前半は上昇基調とみていいんじゃないでしょうか。日経平均とTOPIXは当面は期待できると思います。ただ、グロース250がどこで良くなるのか、さらに悪くなるのかはわかりません。
2024年前半の基本方針
基本は「安く買って高く売る」「長期配当期待が高いものを持ち続ける」の2つですが、今年意識することをまとめておきましょう。
1.業績好調&安定の高配当銘柄を重視
特に現物保有銘柄は、業績が好調か安定していて高配当の銘柄を重視して売買しましょう。NISA枠も拡大されているので、それもうまく使いたい。プライムやスタンダードに上場している銘柄が中心になりそう。
ただ、PBRが0.3~0.7倍くらいで、東証からの要請に応じてPBR改善を表明している銘柄は高配当化期待ということで尚よしという感じ。
2.為替変動(円高ドル安など)のメリットデメリットを意識
海外依存度が高い銘柄は為替影響で全般的に業績を落とすと思います。海外比率が高い銘柄は、為替変動(円高ドル安など)で業績がどう影響を受けるか把握が必要。昨年の決算関連資料で為替影響をしっかりチェックしたうえで売買しましょう。
特に中国はまだ復調が見通せない状況なので、中国市場への依存度が高い銘柄は特別注意が必要。不動産セクターが発端で金融セクターが不全に陥っているのはバブル時代の日本と同じ構造。不況がかなり長引くんじゃないかと予想しています。
3.業種別&テーマごとの見通しを意識
食料品
円高ドル安の影響を原料価格低下というかたちでもろに受けるので、かなり良さそう。注目業種。来期業績見通し発表で株価が跳ねる可能性はそこそこ高いはず。輸入販売系は総じて良いと思います。
陸運
2024問題到来。トラックドライバーの標準賃金が8%引き上げられる予定で価格転嫁&是正のチャンス到来。ただ、市況影響(数量増減)もあるので個別にしっかり見て。
輸送用機器
まだ回復途上でもう少し良くなりそう。特にPBRが低い銘柄が多く、親子上場かそれに近い銘柄も多いので、運よくTOBやMBOに当たるかも。
ただ、円高ドル安の影響は大きく受けるので、銘柄選びは慎重に。
銀行
日本の金利が上がる可能性より、アメリカの金利が下がる可能性の方が圧倒的に高い。昨年は日銀総裁交代による市況好転の期待もあって、年途中までは良かったが、年末にかけて尻すぼみになった。その流れを受けて、今年もさほど良くないか。関連業種の証券は、市況も良くて新NISAも始まるので良さそうなんですが、あまり人気化しないセクター。
不動産
良くはない。海外からの買い漁りも勢いが落ち、資金調達コストも徐々に高くなっているはず。資本金増強で低コスト資金調達を始めている銘柄もチラホラ。高配当銘柄も継続性を意識してチェックしましょう。
AI
生成AIはテーマとして非常に強いが、ビジネスとして儲かるかは相変わらず未知数。生成AIが普及すると高性能サーバが大量に必要になるので、そういった銘柄はまぁ良いか。博打をしたい方以外は様子見が無難。
サービスロボット
これは良いはず。中小企業向けに大規模に補助事業がついています。
ただ、銘柄の絞り込みが難しそう。
※暇なときにもう少し業種とテーマを書き足します。
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