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mtg読み物解説 ファイレクシア:完全なる統一 メインストーリー第五話 必然の決断

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要約

エルズペスとタイヴァーは戦闘の為残り、ケイヤ、ジェイス、魁渡は目的を達成すべく次元壊しの元へ急いだ。
種子中枢の奥深く、次元壊しの幹へと辿り着き、ジェイスは酒杯の起爆の準備を始める。
だがケイヤは既に次元壊しが無数の次元と繋がっており、酒杯の爆発が他の次元を壊してしまう可能性に気づく。
ここまで酒杯を起動する為に奔走してきたが、魁渡とケイヤは酒杯を起動させない為にジェイスに刃を向ける。

一方、ティボルトの魔力により疑念を植え付けられたエルズペスはアジャニとの戦いで苦戦を強いられる。
タイヴァーはティボルトの尾を掴むと、魔法を広げティボルト自身を呪い金で覆い始めた。
タイヴァーの力によりティボルトの魔法が弱まり、疑念を打ち払ったエルズペスはアジャニを峰打ちで気絶させる。
タイヴァーはティボルトを引き受け、エルズペスに先に行くように促す。
駆けるエルズペスの背後で、ティボルトは絶叫と共に橋の下へ落下して行った。

半ば死人のようなジェイスの幻影に翻弄され、酒杯を奪えずにいる魁渡とケイヤ。
ケイヤの幽体化の能力の応用で幻影を見破ったものの、やっとの思いで奪った酒杯もまた幻影であった。
本物の酒杯と共に幻影魔法で姿を消し酒杯を起動するジェイス。
酒杯が爆発を放つその寸前、エルズペスが次元壊しの幹に駆け込んだ。
ジェイスに剣を突き立て、酒杯を抱えるとその爆発の刹那にエルズペスはプレインズウォークした。
酒杯の爆発は次元の彼方へ消え去った。
そして満身創痍の一向の元へ、ファイレクシアンとなったプレインズウォーカーを引き連れたエリシュ・ノーンが現れる。
同時に次元壊しの枝からファイレクシアンの群れが他次元への侵攻を開始した。


完全なる統一メインストーリー完結!
次元壊しの破壊に失敗。エルズペスも酒杯も失い、プレインズウォーカー達は名実共にファイレクシアへと敗北した。
そして今回の敗北の犠牲はミラディンだけに留まらない。
今はファイレクシアの手は全ての次元に伸びている。


用語解説

用語解説と言いながらも、もう解説するような用語も残っていないので、メインストーリー終了時点での攻撃部隊達の動向をまとめておこう。


ナヒリ

ファイレクシア化。ノーンと行動している。

「これを無駄にしないで。やるべきことを終わらせなさい」

メインストーリー第1話で感染。(早すぎ)
敗因は慢心したからと薄着で来たから。
続くメインストーリー第3話で闘技場を割ると同時にファイレクシア病が急速に進行した。ここでファイレクシアに堕ちたものと思われる。

そしてメインストーリー第5話の最終局面でノーンに連れられて現れる。

 あの落下でナヒリが助からなかったのは明白だった。彼女の背中と肩を突き破っていた棘は今や更にはっきりと伸び、その輪郭は彼女が宙に浮かべてまとう剣の雲を悪趣味に模倣していた。両手は失われ、肘から下は金属の刃に置き換えられていた。金属質の皮膚にはひび割れが走り、その下には融けた金属が赤熱していた。彼女の両目も、恐ろしく燃える熱に同じ輝きを帯びていた。

ルーカ

ファイレクシア化。現状何をしているかは不明。

 ルーカはニッサへと進み出た。ケンタウルスの怪物と一体化し、結合し、自分たちは更に強くなっていた。ニッサは慎重に後退しながら、憤怒と怯えがその表情の恐怖を上塗りしていった。遂にこの女は自分を怖れたのだ。認めたのだ。

サイドストーリー第3話にて感染。
自身の能力によりファイレクシアンのケンタウルスをエルーダにし道案内をさせていたが、別のファイレクシアンに襲われ「俺を守れ」と命令した際に何故かケンタウルスの触手に身体を貫かれ感染。
背骨を触手で補強される描写があることから、外骨格を強化することでルーカを守ろうとしたのだろうか。
落下するニッサを助けた際、このケンタウルスとの繋がりのおかげで落下を免れているので実際助かってはいるのだが。

 ルーカはファイレクシア人のケンタウルスへと心を伸ばして命じた。俺を守れ。それは従ったが、ルーカが意図したようにではなかった。その胴体から筋ばったワイヤーが弾け出て、ルーカの皮膚を貫いて腹の中を悶え動き、背骨に巻き付いた。痛むと思われたが、そうではなかった。守れと言ったのはこういう意味じゃない。繊維の一本一本がひんやりとした痺れを残した。ルーカはそのケンタウルスと一体化したように感じた――脊柱が包み込まれ、骨が保持された。

ルーカの感染の原因も慢心であるといって過言ではないだろう。
ファイレクシアンと容易に繋がった挙句跨って移動するなど正気の発想ではない。
イコリアで怪物と繋がることに慣れてしまったのかもしれない。
最終局面でも姿を見せなかった為、現在どうなっているかは不明。
上記のサイドストーリー中でイコリアへ移動する意思を見せている為、単独でイコリアへ侵攻したのかもしれない。

 グリッサがルーカに微笑みかけた。その顎と頬に見える機構が、彼女のありのままの美を表していた。自分もそれを手にしたのだ。獣と繋がる力が示していたように、自分は他とは違うと、自分の方が優れていると元からわかっていた。故郷に戻ろうか。今やそこには自分に敵う怪物など一体もいない。

ニッサ・レヴェイン

ファイレクシア化。ノーンと行動している。

 ニッサはルーカを一瞥し、そしてもう一度見た――嫌悪と恐怖を浮かべて。彼女は後ずさり、劣勢を悟った。

感染した瞬間は明確には描写されていないが、上記サイドストーリー第3話の後であると考えられる。
グリッサがルーカにニッサを追うよう指示している。

「だめよ」グリッサが言い、ルーカは足を止めて更なる指示を待った。「ルーカ、あのエルフを見つけなさい。ただし殺さないこと。あの子には使い道があるわ。新ファイレクシアの、来たる戦いでね」

メインストーリー第5話最終局面にてノーンと共に登場。
敗因は元も子もないのだが新ファイレクシアという次元での戦いに参加してしまったことだろう。
次元と繋がりエレメンタルを呼び出す精霊魔術は新ファイレクシアとは相性が悪かった。
ニッサもファイレクシアンと繋がったルーカに嫌悪感を抱いている。

「ファイレクシア人と繋がるのはいい考えとは思えないわ」ニッサは率直に言った。「殺してしまうべきよ」

精霊魔術が使えなければ剣を持ってるだけのただのエルフなので、この次元に来てしまった以上ファイレクシアンになるという未来は変えられなかっただろう。


ヴラスカ

ファイレクシア化。現状何をしているか不明。

「ありがとうな。素敵だよ」

感染したタイミングは正確には不明。メインストーリー第3話で完成。ファイレクシアンとなり、ジェイスの手を汚染された尾で貫いた。
ヴラスカについては、最初にたどり着いた球層がドロス窟であり非常に深い球層であったことと、他のプレインズウォーカーと完全に分断されたことが敗因だろう。
ドロス窟はファイレクシアの油で溢れており、光素無しで長時間耐えられるとは思えない。
他のプレインズウォーカー達と同時に新ファイレクシアに辿り着いたのだとすれば、かなり長い間ドロス窟にいたものと考えられ、闘技場でファイレクシアンに囲まれずとも感染していただろう。
最も、2人は恋仲にあり、恋する者を引き裂くのはウィザーズの得意技(エルズペスとダクソスとか)なので、突入メンバー発表の時点でファイレクシア化しそうではあったのだが。

「ファイレクシアの栄光のために」それは心地良さそうな声だった。

この後ナヒリが闘技場を割り、一向は1つ下の階層である美麗聖堂へと落下するのだが、ヴラスカは一緒には堕ちてこなかった。
同じくナヒリも落ちてこなかったのだが、メインストーリー第5話で姿を表したナヒリとは違いヴラスカはその後姿を表さなかった。
ヴラスカはノーンに回収されなかったのだろうか。
割れた美麗聖堂の天井へアトラクサが向かう描写があるので、もしやアトラクサに負けたのだろうか?
それとも自分の意思でプレインズウォークしてしまったのだろうか。


ジェイス・ベレレン

ファイレクシア化。ノーンと行動している。

「そうか、なら」ジェイスはそう言い、ゆっくりと、苦心して立ち上がった。

メインストーリー第3話にてヴラスカの裏切りにより感染。
光素の力によるものか精神術師特有の精神力によるものかは不明だが、メインストーリー第5話まで耐えた。
酒杯を起動した後エルズペスの剣で身体を貫かれ、ファイレクシアンとして蘇る。
その後はノーン率いるプレインズウォーカーの集団に加わった。
敗因はヴラスカをファイレクシアンにされたことだろうか。
ジェイスはヴラスカを愛していた為、ファイレクシアンとなったヴラスカの為にファイレクシアンになってしまうのはある程度予想できたことではある。
その結果どちらもファイレクシアンになってしまうのは不幸だが……

「ヴラスカさんをファイレクシアから救うことはできないかもしれません。そうであれば、いっそこうしてあと一日だけ一緒に過ごしませんか。俺からの贈り物、受け取ってください」

エルズペス・ティレル

爆発する酒杯と共に消えた。

「疑念は正しいものを変えはしません。私はあなたがたとひとつにはなりません。他の誰も、なりません」

ジェイスが起爆した酒杯を抱えてプレインズウォークした。
生死不明。
ギデオンといい、ヴェンセールといい、白いプレインズウォーカーは死にたがる傾向にある。
結局光素も役に立ってたんだかよく分からないし、ラクシオールもアジャニへの峰打ちにしか使ってないしで、切り札感出してた割に活躍がイマイチだったのだが最後の最後で英雄的な見せ場を作ってくれた。

 光が酒杯の縁から溢れる直前、ケイヤと魁渡を一瞥するだけの間はあった。鋭く砕ける音を辺りに響かせ、エルズペスは姿を消した。彼女とともに酒杯もまた。知るよしもない目的地へ、久遠の闇を越えたどこかへ。

どこへ行ったのだろうか。久遠の闇の中で爆発させたのか?それともどこか他の次元で爆発させたのか?

このフレーバーテキストが正しいならば久遠の闇で爆発させたのだろうか。
どこであれ、他の次元に影響が出そうなものである。
何なら爆発した次元からの衝撃が逆に世界樹を伝って新ファイレクシアまで届いたりしないものだろうか。
そしてエルズペスは生きているのだろうか?

「ウルザは最初の酒杯を膝の上で爆発させたけれど生きていたわ。私たちも大丈夫でしょう。たぶん」

ケイヤはこう言ってはいるが、ウルザは爆発の際プレインズウォーカーとなっており、当時のプレインズウォーカーは実質不老不死だったので事情がかなり違う。
テーロスで一度死んで生き返り、また死んで生き返るのだろうか。
忙しいプレインズウォーカーだ。


ケイヤ・キャシール

生存。ノーンに立ち向かう。

「地獄に落ちなさい」

幽体化の技術を用い、危なげなくファイレクシアを渡り歩く。
攻撃部隊のリーダーはジェイスではあったが、感染して役立たずになってからは実質ケイヤが攻撃部隊を率いていたように思える。
幽体化を駆使して皆を先導していたからそう感じるのだろうか。
物語終盤にて、酒杯が爆発すれば他の次元にも危険が及ぶ可能性に気づき、ジェイスと敵対。
幽体化能力を活用し一度は酒杯を奪ったかに思われたが、ジェイスの方が一枚上手であった。
魁渡もそうだが、ケイヤも精神術師との戦いに慣れていなかった可能性がある。


漆月魁渡

生存。ノーンに立ち向かう。

「すみません、ジェイスさん。ですが神河を犠牲にはさせられません」

幽体化の技術も抗体も無いのになぜか感染せず生存。良かったね。
酒杯を爆発させるべきでないというケイヤに賛同し、ジェイスを止めるべく戦う。
皇に仕える従者体質のせいか物腰がやや低く、他のプレインズウォーカーの意見に引っ張られがち。
ストーリー中の活躍も念動力で油を除去した程度で、目立った活躍は無い。


タイヴァー・ケル

生存。ノーンに立ち向かう。

「この小悪魔は私が対処する。この者が我が次元へと成した行いは死に値する。行け、皆に合流するのだ。私は大丈夫だ」

呪い金を自身に展開することでファイレクシアの油への耐性を獲得。
他のプレインズウォーカー達にも広げたり、ファイレクシアンになったティボルトに広げてファイレクシアの力を抑え込んだりしている。
ケイヤが機動力だとすればタイヴァーは防御力でファイレクシアを駆け抜けた。
当初はちょっと頭の弱いエルフに見えていたが上記の能力から戦闘力は高く、また気配りもできることが判明。
完全なる統一ストーリーにおける良キャラとなる(当社比)
ティボルトを下した後はケイヤ、魁渡と合流しノーンと対峙するのだが、本来酒杯で破壊されていたはずの次元壊しを目の当たりにするのは辛いだろう。


コス

拘束されたカーンを救出している。

「俺とメリーラはここに留まって爆薬の設置を手伝い、カーンが解放されたなら元の姿に戻れるよう力を貸す」コスが言った。「行け」

まさかの最終戦に絡まなかった人。
ばらばらに解体され拘束されたカーンを助けるため、ミラディン人達と共に種子中枢で作業しているシーンを最後に登場していない。
イマイチ目立った活躍もなく、印象が薄い。
その印象の薄さでファイレクシア化を回避した。
レジスタンスのリーダーたる彼がミラディンを捨てるとも思えないので、このストーリーの直後あたりで合流するのだろうか。


放浪者

それじゃこれで帰りますんで!のポーズ

ここではないどこかの次元にいる。

「私はここからでは何の役にも立ちません」彼女はそう呟くと、また閃くようなプレインズウォークで去っていった。

ファイレクシアに張り巡らされたノーンの障壁により灯が不安定になり、本当に役に立たなかった。
一瞬だけ出てきてファイレクシアンを数体倒しては消えたり、木にしがみついては消えたりしていた。遊んでるのか?
その結果新ファイレクシアへの滞在時間が短く、汚染されることは無かったようだ。
実はまだ活躍が残っており、サイドストーリー第5話にて登場し、テフェリーへ作戦の失敗を伝える重要な役割を担っている。
放浪者ファンの方々はお楽しみに。


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