見出し画像

【ピアノ指導法3】中央ド・ポジションを使う3つの理由

【中央ド・ポジションを使う3つの理由】


前回の記事で、私は「中央ド・ポジション」のテキストを使用している、と書きました。

その理由は

1. 早い段階でド〜シ全ての音に触れることができる。
2. (理由1の結果)音域の広い美しいメロディに触れられる。
3. 連弾で多くのハーモニーや音楽の表情を味わうことができる。(テキストによります)

の3つです。


【理由1】


「中央ド・ポジション」では
☆右手→ドレミファソ
☆左手→ドシラソファ
の音を弾くため、かなり初期の段階でド〜シの7つの音全てに触ります。

これが「両手ド・ポジション」の場合
☆右手→ト音記号のドレミファソ
☆左手→ヘ音記号のドレミファソ
とドレミファソの音しか使わないので、ラとシの音が出てくるまでに時間がかかります。

【理由2】


理由1でお伝えした通り、「中央ド・ポジション」では初期の段階でド〜シの音が使えます。
つまり、それだけ広い音域のメロディを弾けると言うことです。
それから、a mollやF durなど、上手く黒鍵を避けるように工夫されたメロディーで、C dur以外の曲も出てきます。
手のポジションが変わらなくても様々な調に触れられるのです。

多様性のあるメロディに導入から触れられるのは
音楽を味わうのに重要なことだと思います。

【理由3】


これは使用するテキストによりますが、私の場合
連弾譜がついているものを使います。
例えば
「ピアノランド」
「うたとピアノの絵本」
などです。
とはいえ、中央ド・ポジションの場合、多くのテキストに連弾譜がついています。
あとは、連弾パートがどれだけ豊かな音楽に満ちているか…です。
導入期の生徒さんが弾くメロディーはとてもシンプルなので、その中に隠れている多様なハーモニーやビートを連弾パートが補足してくれます。
ここで耳からたくさんの音楽を入れておくと、その先同じようなハーモニーを生徒さんが弾く時に、「既に知っている、経験している」ものとして、演奏のプラスになってくれます。
これは、先生の演奏力も試されることになりますので、しっかり弾けるようにしておく必要があると思います。

【最後に】


さて、ここまで私が「中央ド・ポジション」のテキストを使用する理由について述べてきました。

次回は「中央ド・ポジション」のデメリットについてもお話しいたします。デメリットも知ることで、そこをカバーできるようにしましょう。



ピアノランド(1) せんせいといっしょにうたってひける [楽譜]

樹原 涼子

音楽之友社

1991-02



うたとピアノの絵本(1) みぎて アキピアノ教本 導入編(3~7歳) [楽譜]

呉 暁

音楽之友社

1998-12-10







サポートをお願いいたします。頂いたサポートは、演奏活動、指導方法研究等に使わせて頂きます。