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脳動静脈奇形とは~病院選びの大切さ~

脳動静脈奇形    聞きなれない名前です。

初めて聞いたときは「なんですか?それ」って感じで説明されても受け入れることが出来なかった。

簡単に言うと、脳の中の動脈と静脈が正常に繋がっていないため、ナイダスという血管の塊ができてしまってそこに血液が流れるにあたり、動脈の圧力と静脈の受ける圧力に差が生じて、血管が巨大化している状態。息子の場合脳の真ん中に巨大な血管の塊があって、治療対象外の大きさだった。それを取り除かないと肥大した血管がいつ破れるかわからない。そういう状態。

色々な病院のHPを見ると詳しい説明があります。大学病院の脳外科で検索すると出てきます。

http://www.twmu.ac.jp/NIJ/column/CVA/avm.html

手術をすれば彼の海馬に傷がつくから今の記憶力とか学習能力は最悪3分の1になる。命の保証もないので今のところ症状が出ていないから何もしないという選択肢もある。最初に見つけてくれたドクターは「ガンマナイフだね。手術はしないほうがいい」とアドバイスを受けた。「ここじゃできないから探して納得できる先生に頼むといいよ」この言葉はある意味ものすごく冷静で素晴らしいアドバイスだったと思う。

この後、いくつかの病院を回りそのたびに絶望感を味わったけれど、最後に尋ねた病院の先生が「僕が治すよ」といったのです。

以来、このドクターとは15年のお付き合いになる。

その間にブログを立ち上げてあまりにも多くの患者さんとその家族がいることに驚き、改めてこの病気の恐ろしさも教えていただきました。そもそも10万人に一人といわれているんです。本当かな?隠れ脳動静脈奇形ッているんじゃないかって思う。そう発症まで気が付かないということです。発症とは脳出血を起こしたり、けいれん発作を起こしたり、突然おこる強度の頭痛などです。うちは交通事故に遭って、頭を強打したために見つかったのですが。

主治医と沢山話をしました。「とにかくこの病気を持つご家族の為に情報発信しないとだめだよ。脳外科は実績のないところに行くと結果が悪いから、経験値は大事。あとは家族とドクターの信頼関係だよね」

本当にセカンドオピニオンなどでどれだけ打ちのめされるかわかりません。「これは何もしないほうがいいよ」といった後に「でもこの病気はいつ脳出血するかわからないからね。お風呂に入っていても、トイレにいるときも、ご飯食べてるときだって起こるんだよね」と知識をひけらかしているのかそれを聞いた家族は何を思うかわかっているのか?と思うような医者にも会いました。

息子の状態から「明日が来るかどうかわからない」という精神状態に置かれた私にとってその言葉がどういう意味を持つのか。

「ばかやろー!」と心の中で叫びましたね。ほんと

ドクターは万能ではないし彼らも人間ですから、性格もいろいろ。いいドクターに出会うことが最も大事なことです。腕がいいこと、患者の気持ちを理解できる人間力があること。患者を人として扱えること。当たり前のことですがこれらの条件を満たす医者はそうそうお目に罹れないように思います。

ブログの中でもいつも書いてきましたが、とにかく実績のある病院で専門医と話すこと。実績をきちんと聞くこと。手術の件数、失敗があったのか。そして選択肢がどれだけあるのかを確かめるようにしましょう。嫌われたらその病院で治療しなくてもいいわけです。それを聞くだけで嫌な顔をするような医者は大したことないと思います。

息子の治療した病院の外科部長の先生は手術が専門でした。それでも彼は「お宅の息子さんはガンマナイフ治療でやりましょう。リスクはあるけれど手術のリスクよりも少ない。でももし治療期間に命にかかわる出血が起こったら私が執刀します。私は今までこの病気を200件ほど手術しました。残念ながら2名の命を救えなかった・・・出血した状態で運ばれて手の施しようがなかったんだ。若いのに助けられなかったこと忘れないです。」とおっしゃいました。その当時脳動静脈奇形の手術を200件以上というのはかなり多い数だと話していました。

いい先生とは奢らず、厳しくそして優しい方が多いように思います。

もしもこの病気だったら・・・

病院選びを冷静に行ってくださいね。それが治る近道だからです。




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