暗闇を照らしてくれよ、蛍光灯


数日前から蛍光灯がちかちかしていた。嫌だなとおもったが持ち前の鈍感力を発揮し放置しようと決め込んでいたものの、潜在意識は確かに訴えを起こしており、気になって何事にも集中できない。意を決して取り換えを決意し、カバーを外したところ、ウケてしまった。これまで蛍光灯計5本のうち1本が正常に機能、1本がちかちか、残り3本が常時消灯されていた事実を確認したためである。

こんなことありえる?ありえてしまった。毎日点灯させている部屋の照明がフル稼働してなかったなんて。思いもよらなかった。なんでこんなことになっているか、一瞬混乱した。その次に、この低スペックはいつから恒常的となっていたのかに関して思いを馳せた。

引っ越して来た時からか?それは4年前。当時の部屋の明るさなど到底覚えているはずもないが、なんか寂しい部屋だという感想は持っていた。もしかしたら当初からこの暗さがデフォルトになっており、感覚に浸透し、飼いならされていた可能性を検討した。

長期出張から帰って来た時からか?それは2年前。1年くらいこの部屋を不在にしていた。その不在中に蛍光灯が切れてしまった可能性。帰国してからはどたばたで、なるべく早く生活を立て直す必要があった。だから部屋の感じの変化に気づけなったのは、無理はないだろう。

青森避難中の時からか?それは半年とちょっと前。期間は2ヶ月くらい。実家から在宅勤務をしていたのである。たぶんこの可能性は低い。何者かがこの部屋に侵入し、生活を送り、電力を派手に消費しない限り。

・・・というような、この部屋に引っ越してからの歴史を振り返る運びとなって、少しだけえもかった。気づいたら4年もこの部屋に住んでいた。蛍光灯がどこかのタイミングで切れても、おかしくはない。思えば上京してからの住まいは、大学のキャンパス移動、社会人になってからは異動や出張などで、同じ部屋に2年以上住んだことはなかった。蛍光灯が切れたことなんてなかった。今回初めて取り換えた。蛍光灯はぴったりはまるサイズを選びさえすれば、付いてるやつを取り除き、そして新品を簡単に取り付けられることを知った。

ぴかりと光に照らされている部屋というのは、良いものだと思った。色彩が鮮やかに浮かび上がって目の前が綺麗である。これはNew World。暗闇を照らしてくれよ、蛍光灯。気づかないうちに消えないでくれよ。これからもよろしく頼むぜ、といった心境である。


夢に向かって頑張ります‼