いつも"隣の芝は青い"友人の話

自分から言わせると彼女は決して不細工ではない。
むしろ、周りから羨ましがられるような顔つきである。
何より彼女の笑顔はかなり評判がよく、自分が思うに、人に嫌われることなんてないはずの人間だ。

しかし彼女は言う。
『全然可愛くないよ』
『いつもニコニコしてて八方美人だとか思われてないかな』
『私なんてまだまだだよ』

それに加え、
『でも○○ちゃんは細くて可愛いよね』
『○○さんは自分に合うメイク分かってていいな』
『私なんて○○くんのような才能はないからさ、羨ましいな』

いつも他人の長所を羨ましがって、自分の長所を認めようとはしない。
確かに彼女はぽっちゃり系ではあるが、魅力の有無に体型は正直関係ない。
彼女にも充分すぎるくらい長所はあるのだが、彼女には自分の短所しか見えていない。
そしていつも他人の長所をいつも欲しがり、自分にも取り入れたがるのである。

自己肯定感が低いにも程がある。
ナルシストすぎるというのもどうかと思うが、そこまで自分嫌いなのもどうかと思う。
自分で自分を認めてあげられないとは、どこか寂しいように思う。

彼女は自分にはないもの全てを羨ましがる。
細身の体型、綺麗な顔立ち、可愛いらしい顔立ち、ショートヘアが似合う人、ストレートヘアが似合う人、ふわふわカールが似合う人、足が細い人、身長が高くてかっこいい人、低くて可愛い人……

彼女は一体どうなりたいと言うのだろうか。